ICU勉強会 担当:S先生
「ICUカンファレンス」
・POD7での急激なCK上昇、高体温。
→悪性高熱?横紋筋融解ならどこ?腸管?
・SMA出血→ACS→AKI→高カリ
・歯科治療→深部頸膿瘍→縦隔炎→膿胸→ope→麻酔導入後CPA→蘇生
「von Recklinghausen病と血胸」
・von Recklinghausen病
→神経線維腫症(NF)1型
→常染色体優性遺伝
→17番染色体長椀の欠損により生じる。
→頻度は1/3000くらい。
→骨、眼、神経、皮膚病変(神経線維腫、カフェオレ班)
・von Recklinghausen病の血管病変
→1-3%。
→自然血胸は世界で38例の報告(うち本邦26例)
→たまたま日本に多い?日本の発表が多い?
→ちなみに当院では2例。
→肋間動脈>鎖骨下動脈>内胸動脈>その他
→血管の起始部~近位からの出血が多い。
・なぜ血管病変?
→血管壁の脆弱性
→線維腫が血管の栄養血管を圧迫している
→紡錘形細胞の内膜内増殖
→腫瘍の直接圧迫、など。
・素朴な疑問
→神経、皮膚は外胚葉由来(NF1の病変主座)
→血管は中胚葉由来のはず。
→なぜ中胚葉由来の血管にNF1の病変が生じるのか???
・「三胚葉説」はもはや古い?
→神経系と中胚葉組織は共通の「体軸幹細胞」から分化する。
(
Nature. 2011 Feb 17;470(7334):394-398)
→Sox2遺伝子のON/OFFとかなんとか。
・治療は?
→保存的治療の報告では2/9しか生存例がない。
→IVR?
・予後は?
→再破裂が多く、予後不良。
→コイリングや塞栓など治療処置により出血する可能性も。
麻酔科医ワーキングスペース