2012年9月28日金曜日

SvO2とVSP

麻酔科勉強会  担当:I先生

「SvO2とVSP」

・SvO2 (混合静脈血酸素飽和度)  
  →正常値は70%
・SvO2低下
  →全身への酸素供給の障害
  →貧血や低酸素血症がなければ心拍出量低下を表す。

・VSP(心室中隔穿孔)
  ・AMIの1-4%
  ・septalの梗塞の15%に心破裂合併
  ・1w以内 (特に<24h)
     →freshな梗塞部は軟なので。
・予後
  →院内死亡率87.9%
・risk factor
  ・高齢女性
  ・初回発症の1枝完全閉塞(心機能良、collateがない)
  ・発症後安静を保っていないもの
・確定診断
  →RV→PAのO2 step up!!(&エコー)
・治療はオペのみ!
 ・早期 or 待機的
   ・早期オペ
     →梗塞部が軟→縫合が難
     ・David-Komeda法
     →梗塞部をドーム型にパッチで覆い、正常心筋に縫い付ける
   ・待機的オペ(バイタルが許せば…)
     →梗塞部が瘢痕化したら、縫合し易い
     ・Daggett法…直接穴を防ぐ
       →実際は、それまでにMOFとなることが多い
・理想は待機オペだが、最近はすぐオペすることが多い



      手術室フロアから山側を眺める。

アナフィラキシー

初期研修医勉強会  担当:N先生

「アナフィラキシー」

・アナフィラキシー
  ・アレルギー症状が2臓器以上に出現した状態。
  ・食物、薬物、ハチ毒などが原因。
  ・即時型アレルギー反応のひとつの総称。
・アナフィラキシーショック
  ・さらに血圧低下や意識消失まで至った状態。
・アナフィラキシー様症状
  →特異抗原や特異的IgE抗体が特定できない状態。
  →特定出来る場合は単にアナフィラキシー症状と言う。
  →ここにショックバイタルを示すとアナフィラキシーショック。
・「アナフィラキシー」の症状
  ・呼吸困難、全身紅潮、血管浮腫、蕁麻疹
    →のうち、複数が合わせて発現した全身的の症状の出現。
  ・アレルギー性と考えられる急性で重篤な呼吸困難あり。
・アナフィラキシーの症状
  ・皮膚症状(蕁麻疹・紅潮・掻痒感):90%
  ・呼吸器症状:40〜60%
  ・低血圧(めまい・失神など):30〜35%
  ・嘔気・嘔吐・下痢・腹痛:25〜30%
  ・頭痛:5〜8%
  ・胸痛:4〜6%
  ・痙攣:1〜2%
・歯科で頻用する浸潤麻酔薬でもアレルギー報告があり。
  →死亡例も存在。
・歯科口腔外科でも問診時必ず問診行う。
・麻酔薬へのアレルギーではない場合が多い。
  →添加保存料のメチルパラベンへのアレルギーがほとんど。
  →現在は、ほとんどのものが無添加
・歯科で気分不良等を訴えるのは・・・
  →心因性のものや過呼吸、迷走神経反射によるもの。
・アナフィラキシーの治療
  ・エピネフリン:効果発現が早いこともあり、第一選択。
  ・筋注:エピネフリン 0.1%液0.2~0.5 mgを皮下注あるいは筋注。
  ・研修医御法度では・・・
     →エピネフリン0.3mg(ボスミン1/3管)を筋注or皮下注を行う。
  ・静注:エピネフリン(ボスミン®)0.25 mg の 10 倍希釈をゆっくり静注
    →効果不十分な場合、5~15 分おきに追加投与する。




2012年9月26日水曜日

フィードバックカンファレンス

フィードバックカンファレンス  担当:H先生


・硬膜外カテーテルが脊髄腔内に迷入した1例
・Chiari奇形合併の帝王切開(全身麻酔)
・術後PE発症した1例
・術中喘息発作の1例
  →深麻酔下抜管
  →LMA入れ替え
  →覚醒後喉頭痙攣
  →再挿管

・Chiari奇形について

・分類
 Ⅰ型・・・小脳扁桃の頸椎管内への嵌入
 Ⅱ型・・・小脳扁桃、虫部、延髄、第4脳室の頸椎管内への嵌入
 Ⅲ型・・・頸部二分脊椎内に小脳の嵌入
 Ⅳ型・・・小脳形成不全

・type Ⅰで無症状かつ脊髄空洞症がない。
  →経過観察でOK。
・脊髄空洞症あり。
  →CSF閉塞所見を確認する。
・Chiari奇形の麻酔管理
  ・ICPを上げない。
  ・脊椎麻酔や硬膜外麻酔(硬膜穿刺しないならOK)を避ける?
・type Ⅰ患者の帝王切開
  ・数例の症例報告あり。
    →ほとんど全身麻酔
    →一部外科治療後に硬膜外麻酔で行った症例も。
    →普通に脊椎麻酔で行った症例も。



  McGRATHがやってきました。評判上々です。

2012年9月22日土曜日

Ischemic MR

麻酔科勉強会  担当:H先生

「Ischemic MR」

・Carpentierの分類
  →弁葉運動に基づく分類
・ESCの分類
  ①弁葉の異常によるもの
    ・Organic MR
  ②左室の異常によるもの
    ・Ischemic MR(冠動脈疾患に伴う)
    ・Functional MR(心筋症など左室機能異常に伴う)
  →実際にはこの2つの使い分けは曖昧
・広義のIMR
  ・冠動脈疾患に続発するMR。
  ・「心筋梗塞後」とする文献もある。
  ・乳頭筋断裂によるMRも含む。
・狭義のIMR
  ・心筋虚血による”functional”MR
  ・従来、「乳頭筋機能異常」と説明されていた。

・IMR pattern 1
  ①Asymmetric tethering pattern
    ・inferior-lateral MI
    ・後内側乳頭筋部位のLV wall remodelingによる。
    ・両尖が後壁側に引っ張られる。
    ・MR jetは偏心性に吹く。
  ②Symmetric tethering pattern
    ・anterior or multiple MI
    ・LV wallは全体的にremodelingされている。
    ・LVはより拡大し、wall motion scoreは高い。
    ・両尖が心尖部側に引っ張られる。
    ・MR jetは中心性に吹く。
③Prevalence of annular dilation/dysfunction
    ・tetheringは存在せず、弁輪拡張のみ
    ・心基部後壁の限定的な梗塞
④Ischemic prolapse
    ・MI後、乳頭筋壊死→線維化により生じる。
    ・高内側乳頭筋断裂が多い(血流支配の関係)
    ・腱索断裂も起こりうる。

・IMRの評価
  ・TEE in the operating room should not be used
                to decide upon treatment of MR!!
・術前TTEでの評価
  ・LV機能評価(収縮能や局所壁運動異常など)
  ・MV弁尖や弁輪、弁下組織など形態学的評価
  ・MR jetの場所や方向などの観察
・IMR severity
  ・Effective Refurfitant Orifice Area(EROA)
  ・Regurgitant Volume(RV)
  ・Vena Contracta
  ・Coaptation Depth
  ・Tenting Area (Tenting Volume)

ブレイク
「心臓血管麻酔学会@仙台の感想」

・IMRの治療
  ・Medical Therapy
  ・MRの逆流量を減らす。
  ・LVのリモデリングを遅らせる。
  ・ACE阻害薬、ARB
    →後負荷↓、逆流↓、remodeling↓
  ・利尿薬
    →前負荷↓、LV容積↓、tethering ↓
  ・βブロッカー
  ・Revascularization
  ・Resynchronization
・外科的介入について
  ・Indications for surgery(ESC guidelines)の紹介
    ・Moderate-severe MR
     →CABG単独とCABG+MVP or MVRを比較
     →生存率には影響はないが、QOLに影響を与える。
    ・Mild MR
     →CABGをする場合でもMV手術は推奨されない。
・MVPかMVRか。
  →Repairのほうが死亡率が低い、という報告もある。
  →変わらないという報告もある。
・Repairの手術手技
   →Ringによる弁輪形成がgold standard。
   →Ring間では優劣なし。
 ・腱索切断
 ・leaflet extension
 ・左室形成術
 ・乳頭筋吊り上げ術
 ・Alferi手技
・MV repairの問題点
 ・残存or再発MR
  →半年後、28%がmoderate-severe MR。
・MR残存
→LV remodelingの進行
→tetheringが悪化
→MRは増悪する。
・機能的MS

・MR再発の予測因子
  ・Coaptation Depth>15mm
    >10mmならMVR or MAP + α
    <10mmならMAP
  ・PLA(Posterior mitral Leaflet Angle)> 45°
  ・distal ALA(distal Anterior mitral Leaflet Angle )> 25°
  ・Tenting Area > 2.5cm2
  ・弁輪径、LV径、LA面積は大きいほうがMR再発が多い
    →感度や特異度は高くない。




      オプティカルスタイレットで挿管

2012年9月21日金曜日

心臓血管麻酔学会@仙台

第17回日本心臓血管麻酔学会学術大会が、
9/15-16に仙台市内にて開催されました。
当科からは4名の先生がポスター発表されました。











発表された先生方、お疲れ様でした。

2012年9月20日木曜日

麻酔と蘇生の歴史

初期研修医勉強会  担当:U先生

「麻酔と蘇生の歴史」

・紀元前4000年頃から西暦1840年代まで
  →天然物を鎮痛薬として内服
     →アヘン、大麻、マンドラゴラ、
         ヒヨス、マンダラゲ、アルコールなど
・全身麻酔の始まり
  1771:Joseph Priestley, Scheel(イギリス)
      →O2、N2Oを発見 
  1795:Humphry Davy(イギリス)
      →N2Oの鎮痛作用を確認
  1804:華岡青洲(日本)
      →通仙散を乳癌手術麻酔に用いる(156例)
  1818:Michael Farady(イギリス) 
      →エーテルに催眠・鎮痛作用のあることを発見
・全身麻酔の発達
  1842:Crawford W. Long(アメリカ)
      →エーテルを用いて頸部の腫瘤摘出
  1844:Horace Wells(アメリカ)
      →笑気麻酔下に無痛で抜歯
  1845:笑気麻酔の公開で失敗する
  1846:William T.M. Morton(アメリカ)
     →エーテル麻酔の公開を成功
  1847:James Y.Simpson(イギリス)
     →クロロホルム麻酔に成功
  1878:William Macemen(イギリス)
     →気管内挿管による全身麻酔が開始
  1884:Carl Koller(ドイツ)
     →コカインによる表面麻酔に成功
      William S.Halsted(アメリカ)
     →コカインを伝達麻酔に用いた
  1898:August C.G.Bier(ドイツ)
     →くも膜下腔にコカインを注入して脊髄麻酔
・合成麻薬の発見
  1904:プロカインの合成
  1947:リドカインの応用
  1949:サクシニルコリンの筋弛緩作用発見
  1955:ハロタンが使用される
  1963:エンフルランの合成
  1965:イソフルラン、フェンタニルの合成
  1968:セボフルランの合成
・近代麻酔の完成
  ・ベクロニウム
  ・ロピバカイン
  ・プロポフォール(1989-臨床使用)
  ・レミフェンタニル
  ・スガマデクス
    →これらは1980-2000年代に発見されている
・華岡青洲
  ・1804年10月13日、世界初の全身麻酔
  ・実験台は嫁、姑
・通仙散
  ・経口麻酔薬
  ・効果発現に時間を要する
  ・個人差が大きい
・通仙散の作り方
  ・マンダラゲ8分
  ・トリカブト2分
  ・ビャクシ2分
  ・トウキ2分
  ・センキュウ2分
  ・ナンセイシャ1分
     (分=匁の1/10(375mg)。1匁=3.75g)
・通仙散の飲み方
  ①前スライドのものを細かく砕く
  ②熱湯に投じてかき混ぜる
  ③滓を取り除く
  ④温かいうちに飲む
    →2-4時間で効果がみられる

ブレイク
「長崎とカステラ」

・麻酔器具の歴史
  1831:プラバーズ注射器の発明
  1854:中空の金属針開発
  1886:アンプル完成
  1895:直接喉頭鏡完成
  1932:マッキントッシュブレード開発
  1952:全プラスチックのディスポ注射器完成
・麻酔器の発達
  1867:鼻と口を覆う笑気ガス吸入器製作
      クロロホルム吸入器を開発
  1872:笑気吸入器を製作
  1877:携帯式麻酔器製作
  1882:エーテルクロロホルム麻酔器開発
・蘇生法の歴史
  ・古代から
   →温熱法・むち打ち法・ふいご法・燻煙法・逆さづり法・樽法等
  18世紀:回転法(呼気・吸気を作る)
  1848:世界初の術中死
  1892:胸骨圧迫(120/分)を提唱
  1901:開胸マッサージ
  1911:VFの心電図記録
  1937:除細動器の開発
  1947:漏斗胸手術にVFを治療
  1951:閉胸式除細動器開発
  1956:口対口呼吸の人工呼吸の完成
  1957:ABCの提唱
  1960:非開胸式心臓マッサージの報告(20例中70%蘇生)


血液凝固とPoint of Care

麻酔科勉強会  担当:Y先生

「血液凝固とPoint of Care」

・Waterfall model (1964)
  ・一般凝固機能、抗凝固薬の作用機序の原理を理解するには便利
  ・生体内の血液凝固を説明する上で正確ではない
  ・複雑?
・Cell-based model
  ・生体内の血液凝固をより正確に反映するモデル

・血小板の活性化
  ①血管損傷部位
     →GPIb/IXはvW因子を介して露出されたコラーゲンに粘着。
  ②血管外の組織因子も露出
     →血中の活性型VII因子と結合
     →Xaを経て微量のトロンビン(IIa)発生。
  ③コラーゲンとトロンビンはそれぞれGPVIとPAR1を活性化
     →局所の血小板凝集を活性化する
・血小板活性化の波及
  ・活性化された血小板はADPやトロンボキサンA2を放出
    →周囲の血小板も二次的に活性化。
    →活性化した血小板はフィブリノゲンと結合。
・血小板の凝集
  ・活性化をうけた血小板はGPIIb/IIIbを多数発現。
  ・このレセプターにvW因子またはフィブリノゲンが結合。
  ・多数の血小板が血管損傷部位を覆う(一次止血)
・クロット形成
  ・活性化した血小板表面
    →微量のトロンビンがV、VIII、XI因子を活性化する
  ・X因子活性化酵素による効率的なトロンビン産生。
    →十分な量のトロンビン
    →フィブリノゲンをXIIIa因子のもと安定化フィブリン重合化へ。
    →最終的に強固なclotが形成される。

・従来の凝固検査
  →生体内での血液凝固を説明するものとして必ずしも正確ではない
・PT、APTT
  ・血漿成分での評価
  ・フィブリンが析出するまでの時間の測定
  ・血餅の強度の評価ができない
  ・線溶系の評価ができない
・PT
  ・外因系凝固カスケードの活性をスクリーニング
  ・クエン酸加被検血漿に組織TPとCa2+を含んだ試薬を添加
    →フィブリン析出までの時間を測定する
・APTT
  ・内因系凝固カスケードの活性をスクリーニング
  ・クエン酸加被検血漿
  ・組織TPとCa2+を含んだ試薬を添加
  ・フィブリン析出までの時間を測定する(PTT)。
  ・さらにセライトやカオリン、エラジン酸などの陰性荷電物質を添加
    →XII因子などの接触物質の十分な活性化
    →安定で制度の高い方法にした検査(APTT)
・ACT
  ・全血凝固検査法
  ・活性化凝固時間
  ・高容量域のヘパリン効果はAPTTでは評価できない
  ・ベットサイドで測定可能
  ・活性化剤を混じたテストtube内に血液を入れる
    →凝固塊形成
    →tube内の棒磁石が重力に抗して回転移動。

・Point of Careモニター
・代表的な機器
  ・トロンボエラストグラフ(TEG®:Thrombelastograph)
  ・トロンボエラストメトリー(ROTEM®: Thromboelastometry)
  ・ソノクロット(Sonoclot®)
・point of careモニター
  ・装置が小型である(設置や移動が容易であること)
  ・検体の前処理(遠心分離など)が不要である
  ・測定時間が短い
  ・比較的少量の検体で測定できる
  ・結果の解釈が容易である
  ・臨床的再現性が高い
・従来の凝固検査と異なる点
  ・全血検査なので血小板と凝固因子の相互作用を評価できる
  ・凝固反応の速度を測定できる点
  ・血餅の弾性粘張度の変化を測定する
     →止血血栓の強度を計測できる点
  ・凝固過程だけではなく線溶過程も評価できる
  ・凝固・線溶過程を波形から視覚的にも評価できる点

・簡単にROTEM
  ・INTEM、EXTEMのCTはそれぞれAPTT、PTに相当
  ・CTは凝固因子活性を反映
  ・MCFはフィブリノゲン、血小板数に影響を受ける
  ・FIBTEMはフィブリノゲンのレベルと相関する
  ・FIBTEMのMCFが10mm以下orEXTEMのCTが正常の1.5倍以上
      →フィブリノゲン製剤の投与指標となる
  ・APTEM-EXTEMで線溶系の異常
  ・INTEM-HEPTEMでヘパリンの影響

・臨床応用
  ・心臓手術の術後出血管理
    →TEG導入後、輸血使用量を、著しく減らすことが可能になった。
  ・集中治療室での外傷ケアに推奨
  ・肝移植で輸血量の減少



2012年9月11日火曜日

麻酔科研修


9月になり、新しく2名の研修医の先生が、
麻酔科研修に来てくれました。



     マスク換気がかなり上手なU先生。



     指導医の熱い指導を受けるK先生。


U先生、K先生、頑張ってください!

2012年9月6日木曜日

Acute mesentric ischemia

ICU勉強会 担当:U先生

「Acute mesentric ischemia」

・Acute mesentric ischemia
  →腸管膜血管の急性循環不全に起因する疾患の総称
  →重篤な合併症を引き起こす
  →広範な腸管虚血・壊死・汎発性腹膜炎や多臓器不全など
・閉塞性と非閉塞性
・リスク因子
  ・心血管リスクのある高齢者
  ・AR
  ・sepsis
  ・不整脈
  ・ジゴキシン、α作動薬の使用
  ・コカイン
  ・心臓手術後
  ・透析患者
・病態生理
  ・もともとはhomeostaticな機序
   →心臓と脳血流を守るために血液がシフトする。
   →バソプレッシン、アンギオテンシン、その他神経内分泌因子など関与。
・臨床所見
   →あまり当てにならない。
  ・疼痛は遅れてやってくることも。
  ・血便を伴う腹痛は大腸虚血を疑う
  ・腹膜刺激徴候
  ・反跳痛など
・診断
  ・臨床的に疑うかどうか。
  ・家族歴が役に立つことも。
  ・とにかく早期診断!
  ・症状は非特異的。
・AGAガイドラインによれば・・・
  ・静脈血栓型ではCTが有用
  ・強く疑えば血管造影へ。
    →パパベリン動注も可能。
・治療
  ・代謝性アシドーシスの改善
  ・広域抗生剤投与
  ・NGチューブ挿入し減圧
  ・血管収縮薬とジギタリスは使用しない
  ・DOB、低容量DOA、ミルリノン。
  ・アンギオカテからパパベリン。



    4階中央手術室。全18室あります。

セボフルランvsプロポフォール

初期研修医勉強会  担当:I先生


「セボフルランvsプロポフォール」


・吸入麻酔薬
  →吸入させることで肺胞から血中に拡散
  →中枢神経などに運搬
  →脂肪や筋肉組織にも運ばれ定常状態に
・定常状態とは
  →吸入濃度=肺胞濃度=血中濃度=組織濃度
・血液/ガス分配係数
  →小さいほど調節性が良い
・吸入麻酔薬の作用
  ・意識消失
  ・不動化(MAC)
  ・高次精神機能低下
  ・自律神経反射抑制
  ・筋弛緩や鎮痛効果はない
  ・MAC(Minium alveolar concentration)
・MACとは皮膚切開時に50%の人が体動しない1気圧での最少肺胞濃度
・MACawake:意識喪失に必要な麻酔薬の量
  →通常は0.33MAC
・平衡状態
  ・肺胞、血液、脳の吸入麻酔薬分圧は等しくなっている
    →肺胞濃度は脳での分圧を反映
    →では肺胞濃度を規定する因子は?
・肺胞濃度
  ・吸入濃度は、到達する肺胞濃度とその到達速度に影響を及ぼす
  ・吸入濃度が高いと、FA/FI比の上昇が速くなる
  ・肺胞換気量も濃度規定に関与
・肺胞から血中へ
  ・取り込み量={λ×Q×(PAーPV)}/大気圧で規定
    ・λ(血液/ガス分配係数)が大きくなる
      →多くの麻酔薬が取り込まれる
      →FA/FI比の低下を招く
    ・Q(心拍出量)が大きくなる
      →肺血流量は増加
      →多くの麻酔薬が肺胞から運ばれてしまいFA/FIは低下
・セボフルラン
  ・気管支拡張作用
  ・心筋保護作用
  ・副作用として悪性高熱症、肝機能異常、悪心嘔吐、頭痛、悪寒

・静脈麻酔薬の作用
  ・プロポフォール
    →GABA-Areceptor作動薬
    →Cl-channelを開口
    →神経細胞の過分極をもたらし活動抑制
  ・ケタミン
    →NMDAreceptorでグルタミン酸と拮抗し興奮性電動を抑制
・コンパートメントモデルのお話
・プロポフォール
  ・鎮静作用はあるが、筋弛緩作用はない
  ・作用発現が速い
  ・呼吸抑制作用は強い
  ・血管痛
  ・血管拡張、動脈圧の低下
  ・個体差が大きい
  ・体内蓄積が少ない
  ・制吐作用

ブレイク
「ベルギーに住んでました。」

・論文など



2012年9月2日日曜日

JB-POT対策

第9回 日本周術期経食道心エコー(JB-POT)認定試験が
11月11日に行われます。
当院麻酔科には10名のJB-POTterおよび、
2名のNBE PTEeXAM合格者が在籍しております。
そろそろ試験2ヶ月前になり、
今年受験される先生の勉強にも熱が入っているようです。




     JB-POT対策資料・再現過去問集


過去数年分の過去問再現(ビデオ&文章)と、
出題されたトピックスをまとめた、
当院麻酔科のマル秘テキストです。


受験される先生方、頑張ってください!

関西支部学術集会

日本麻酔科学会・第58回関西支部学術集会が、
9月1日大阪国際交流センターにて開催されました。
当科より、口演4題、ポスター3題、
計7人の先生が発表されました。














 発表された先生、お疲れ様でした。