初期研修医勉強会 担当:U先生
「麻酔と蘇生の歴史」
・紀元前4000年頃から西暦1840年代まで
→天然物を鎮痛薬として内服
→アヘン、大麻、マンドラゴラ、
ヒヨス、マンダラゲ、アルコールなど
・全身麻酔の始まり
1771:Joseph Priestley, Scheel(イギリス)
→O2、N2Oを発見
1795:Humphry Davy(イギリス)
→N2Oの鎮痛作用を確認
1804:華岡青洲(日本)
→通仙散を乳癌手術麻酔に用いる(156例)
1818:Michael Farady(イギリス)
→エーテルに催眠・鎮痛作用のあることを発見
・全身麻酔の発達
1842:Crawford W. Long(アメリカ)
→エーテルを用いて頸部の腫瘤摘出
1844:Horace Wells(アメリカ)
→笑気麻酔下に無痛で抜歯
1845:笑気麻酔の公開で失敗する
1846:William T.M. Morton(アメリカ)
→エーテル麻酔の公開を成功
1847:James Y.Simpson(イギリス)
→クロロホルム麻酔に成功
1878:William Macemen(イギリス)
→気管内挿管による全身麻酔が開始
1884:Carl Koller(ドイツ)
→コカインによる表面麻酔に成功
William S.Halsted(アメリカ)
→コカインを伝達麻酔に用いた
1898:August C.G.Bier(ドイツ)
→くも膜下腔にコカインを注入して脊髄麻酔
・合成麻薬の発見
1904:プロカインの合成
1947:リドカインの応用
1949:サクシニルコリンの筋弛緩作用発見
1955:ハロタンが使用される
1963:エンフルランの合成
1965:イソフルラン、フェンタニルの合成
1968:セボフルランの合成
・近代麻酔の完成
・ベクロニウム
・ロピバカイン
・プロポフォール(1989-臨床使用)
・レミフェンタニル
・スガマデクス
→これらは1980-2000年代に発見されている
・華岡青洲
・1804年10月13日、世界初の全身麻酔
・実験台は嫁、姑
・通仙散
・経口麻酔薬
・効果発現に時間を要する
・個人差が大きい
・通仙散の作り方
・マンダラゲ8分
・トリカブト2分
・ビャクシ2分
・トウキ2分
・センキュウ2分
・ナンセイシャ1分
(分=匁の1/10(375mg)。1匁=3.75g)
・通仙散の飲み方
①前スライドのものを細かく砕く
②熱湯に投じてかき混ぜる
③滓を取り除く
④温かいうちに飲む
→2-4時間で効果がみられる
ブレイク
「長崎とカステラ」
・麻酔器具の歴史
1831:プラバーズ注射器の発明
1854:中空の金属針開発
1886:アンプル完成
1895:直接喉頭鏡完成
1932:マッキントッシュブレード開発
1952:全プラスチックのディスポ注射器完成
・麻酔器の発達
1867:鼻と口を覆う笑気ガス吸入器製作
クロロホルム吸入器を開発
1872:笑気吸入器を製作
1877:携帯式麻酔器製作
1882:エーテルクロロホルム麻酔器開発
・蘇生法の歴史
・古代から
→温熱法・むち打ち法・ふいご法・燻煙法・逆さづり法・樽法等
18世紀:回転法(呼気・吸気を作る)
1848:世界初の術中死
1892:胸骨圧迫(120/分)を提唱
1901:開胸マッサージ
1911:VFの心電図記録
1937:除細動器の開発
1947:漏斗胸手術にVFを治療
1951:閉胸式除細動器開発
1956:口対口呼吸の人工呼吸の完成
1957:ABCの提唱
1960:非開胸式心臓マッサージの報告(20例中70%蘇生)