2011年12月31日土曜日

大晦日

大晦日も緊急手術が続きます。










本年度もお疲れ様でした。
来年度がより良い年でありますように。

2011年12月28日水曜日

手術室避難訓練


本日は手術室避難訓練でした。


 手術中の患者さんを緊急避難


手術室を脱出


ICUへの避難完了


そして消火


2011年12月27日火曜日

日常風景

 ICU申し送りプレゼンテーション


某手術室には窓があります。

2011年12月26日月曜日

GICU半年間を振り返って

ICU勉強会 担当:M先生

1.G-ICU半年間を振り返って

・移転後ICU入室人数
・平均在室日数。移転前よりやや短縮傾向。
・ICU内死亡者数は減。E-ICUと分離した影響か?
・入室科は①心臓外科、②外科、③免疫血液内科、④小児科、⑤その他
・ベッド占有率は心臓外科75%でトップ。
・再入室は少し多くなった。
・長期ICU滞在者の傾向など。

2.Bioethics Series

・CBEL Seminor report
Basic Theory
  Utilitarianism、Deontology、Virture、Ethicsなど。
・終末期セミナー
差し控え、中止の問題
一定の条件を満たすこと、手続きの踏襲
治療義務の限界とは?
話し合いのガイドライン
autonomy vs best interest、withdraw vs withhold
小児終末期医療、法律的側面、代諾など。
・4分割表
医学的適応、患者の意向、QOL、周囲の状況
・倫理委員会の3つの役割
院内指針の策定、教育、コンサルテーション
・倫理委員会の形式
委員会、少人数、個人
迅速性、機動性が求められる。
・Medical Futility
治療義務の限界の次に来るもの。
CPRはFutilityか?



 腕神経叢ブロック中

 鎖骨上アプローチ

2011年12月25日日曜日

クリスマスイブ

手術室もクリスマスモード。


ケーキの差し入れを頂きました。

2011年12月22日木曜日

術前の風邪とインプラント義歯と親知らずと

初期研修医勉強会 担当:T先生

術前の風邪と、インプラント義歯と、親知らずと。

1.術前の風邪について
・かぜスコア
・当日の症状よりも2週間前の上気道症状の既往を重視。
→術中の気道、喉頭痙攣、喘鳴、息こらえの原因となる。
・かぜ症状症状後、気道過敏性は5~6週間続く。
→上気道炎のみで2週間、下気道感染合併で5~6週間。
・挿管が低酸素血症を引き起こすリスクとなりうる。
・総合すると、2週間以上は手術は延期した方がいいかも。
・ちょっと風邪っぽい
→両親、外科医は軽く見る。麻酔科医、患者にとっては大問題。


2.インプラント義歯について
・古代ローマ帝国時代(西暦200年)の人工歯根付きミイラがある。
・旧世代インプラントの問題点。骨に刺さってないケース。
・オッセオインテグレーションの発見。
1952年、スウェーデンのブローネマルク教授により発見。
チタンと骨は結合する。
→骨結合型インプラントの開発へ。
・世界初のインプラント義歯は1965年。
・日本には1990年頃にやってくる。2000年以降、インプラントブームに。
・インプラント義歯の構成。
人工歯+アバットメント+フィクスチャー(人工歯根)
上顎4ヶ月、下顎2ヶ月で骨結合完成。
人間の第一大臼歯の噛む力はその人の体重くらい。
→しばらく骨結合を待つ必要性。
・埋入位置確認
鼻腔底、上顎洞底、下歯槽神経との距離、隣在歯とのスペースなどチェック。
・フィクスチャー挿入したら隣の歯が寄ってこないようになるまでしばし待つ。
・その後、型取り、技工所依頼、そして完成。
・セラミックは焼きあがると30%くらい体積が減る。
→歯科技工士の腕の見せ所。
・DM、Smokerの人は歯肉炎、骨感染のリスク。定着率も悪い。
→表面に酸化被膜するといい?
・挿管の時にインプラント義歯を傷つけたら?
完全に人工歯を取り換えることになるとウン万円・・・。
硬い物なので力のかかり具合によって簡単に割れたり欠けたりする。注意。


3.智歯抜歯について
・智歯抜歯と神経障害
→一過性局在性伝導障害、軸索断裂、神経幹断裂など。
・神経障害からの回復
知覚脱失→異感覚→錯感覚→知覚鈍麻、の順番。
・智歯抜歯術の紹介
皮切、割って、抜いて、スペースを作って、奥から引き出して、また割って・・・


朝の勉強会のプレゼンテーション。

2011年12月21日水曜日

11月のフィードバック

フィードバックカンファレンス 担当:I先生


トピックス症例振り返り&ディスカッション

・筋弛緩使用のLMA管理中に突然換気できなくなって挿管に。
・癒着剥がし中にけっこう出血した。
・術後心タンポナーデをきたして緊急手術になった症例。
・Shock with 大量カテコラミンの全麻下短時間手術。
・腹部長時間手術、血圧低下、volume取られる、Lac上昇・・・
・術中腸管虚血疑い、手術室でアンギオ、SMA spasm、パパベリン動注、腸切除に。
→血管造影室まで移動する?
→セッティングを整えて手術室に放射線科医を呼ぶ?
・呼吸不全+イレウス+Septic Shockの全身麻酔管理。
・アナフィラキシーショック。抗生剤?筋弛緩?
・術後再挿管となった症例。
・DLT+挿管困難。ブロッカー使った人、AWS+チューブエクスチェンジャーで挿管した人。



2011年12月20日火曜日

日常風景


本日の症例プレゼンテーション

オペ前スクリーニング中

案内板

2011年12月19日月曜日

筋弛緩薬を併用したARDS管理について

ICU勉強会 担当:K先生

ICU一週間のフィードバックと、もう1トピック。

「筋弛緩薬を併用したARDS管理について」 論文紹介。(NEJM)

・早期ARDSに対して筋弛緩薬(NMB)使用群とプラセボ群に分けて比較。
340人を170、170人程度に振り分け。
プライマリーアウトカムは90日でのsurvival。
NMB群では48時間だけNMBを使用。(ショットOK)
NMBはシスアトラクリウムを使用。
呼吸設定は基本VC。TV 6-8ml/kgくらい。
P/F ratioはNMB群でやや悪かったので補正した。プラトー圧も高め。
・severe ARDS(P/F<120)ではNMB群で90日survivalがよかった。
ICU stay、28日survival、臓器不全指数もいい。Barotraumaも少ない。
末梢神経障害の発生に差はなかった。

・severe ARDSの早期48時間以内の筋弛緩投与はいいかも。
→肺保護戦略を有効に行えるから?

・ESICMがARDSの診断基準を変えようとしているという噂。そのうちJAMAに?
ALIの概念がなくなる?
Severe、Moderate、Mildのような枠組みになる?
Severe ARDSに対してはECMO、HFO、NO吸入、腹臥位などと並列して、
筋弛緩薬の使用も取り入れられるかも。




2011年12月16日金曜日

ICUにおける循環管理と治療計画

麻酔科勉強会 担当:S先生

ICUにおける循環管理と治療計画について

・SSCGとEGDT
mBP、尿量、ScvO2、SvO2、CVP指標に末梢循環不全の改善を狙う。
・ICU settingでの血圧低下
多くの場合hypovolemic states、または血管拡張による相対的hypovolemic。
基本的にはpreloadの増加を狙う。
→ Frank Starling curveを意識して・・・
→輸液負荷でcurveのプラトーに達すると安定してくる。
→心機能悪い人はFS curveが下方に偏位。
→preload負荷しても健常な人ほどSV増えない。
・晶質液vs膠質液
SAFE study
→基本的にどちらを使っても差はない。
→Septic shockの人はアルブミンでもいいかも。
→Traumaの人は生食の方がいいかも。
・Evidence of Colloid in ICU
HESは腎障害のリスク?
→日本のHESと欧米のHESは組成が違う。
→必ずしもstudy結果を鵜呑みにするわけにはいかない。
→欧米のHESも腎機能障害大丈夫だったという報告も。
・ARDSの輸液管理
stableな状態であれば輸液は絞り目に。
・カテコラミンは?
SOAP Ⅱ trial。shockの人対象、DOA vs NE。
→ 28日死亡率では両者有意差なし。
→サブグループ解析
心原性ショックではNEの方がいいかも。DOAでは不整脈が多くなる。
・VASST study
バソプレッシン使っても使わなくてもどっちでもいい。
・Cardiac Outputを正常以上に上げると予後はよくなる?
180日のsurvivalは有意差なし。
supranormalの基準を CO>4.5にしたのはちょっと大きすぎ?
・ステロイドについて
French Trial、CORTICUS study
→1日200mg×5日間あとで漸減群 vs 使わない群
→ショックからの離脱は早くなるが、生存率は変わらず。
→有害事象も増えない。
meta analysisでも結果は同様。高Na、高血糖は増える。
・スワンガンツは?
PACを用いたGoal Directed Therapy vs PACなし
→survivalでは有意差なし。
PAC-Man study
→有意差なし。
ESCAPE study
→severe CHFの人対象。PAC指標治療群とそれ以外。
→入院日数、死亡率は変わらず。Days Wellの人の割合も変わらず。
→カテ感染は増えた。
meta analysis
→PAC使用でクスリは増える。mortalityは変わらず。
・CABGのガイドライン
SSI予防にはfirst or secondのセファゾリンを使いましょう。
MRSA定着者、緊急でわからん人、病棟で流行してるとかで疑わしい人
→VCM術前1回投与+GNRカバー(アミノグリコシドとか)
・ADHFの治療
Clinical Scenario based on the initial sBP
収縮期血圧を指標とした治療方針。
ACS、純粋な右心不全は治療方針がちょっとちがう。
いずれにしろNIVは必要。



2011年12月15日木曜日

吸入麻酔薬

初期研修医勉強会 担当:K先生

吸入麻酔薬について調べてきました。

・吸入麻酔薬について
気化器で麻酔ガスとなり、吸入させることで効果を発揮。
肺胞から血中へと拡散。
神経細胞、脂肪組織、筋肉へと取り込まれ、定常状態に達する。
・血液ガス分配係数
小さいほど定常状態に至るまでの時間が短い。→速効性の指標
・MAC(Minimum Alveolar Concentration)
吸入麻酔の強さの指標
皮膚切開で50%の人が体動をきたさない1気圧での最小肺胞濃度。

Break:仙台出身の有名人について

・笑気について
分子量 44、沸点 -89.5℃、MAC 105、血液ガス分配係数 0.47、生体代謝率 0%。
1800年代より使用されている。
鎮痛&鎮静作用。
循環抑制はほとんどない。血管収縮作用により、むしろ血圧は上昇傾向に。
温室効果ガス。二酸化炭素の100倍の影響。
・セボフルラン
分子量 200、沸点 58.5℃、MAC 1.71、血液ガス分配係数 0.63、生体代謝率 2-3%。
日本で最も使用されている吸入麻酔薬。
CompoundAの問題、血清無機F上昇など。
・イソフルラン
分子量 184、沸点 48.5℃、MAC 1.15、血液ガス分配係数 1.4、生体代謝率 0.2%
脳血管拡張効果が低い。脳外科の麻酔に向いている?
末梢血管拡張作用あり。
乾燥したソーダライムと反応してCOを生じる。
・デスフルラン
分子量 168、沸点 22.8℃、MAC 7.25、血液ガス分配係数 0.42、生体代謝率 0.01%
生体内で安定、覚醒・導入が速い。
ソーダライムと反応、CO発生。
沸点が低く、専用の気化器(要電源)が必要。
気道過敏性あり、導入薬には向かない。
日本では最近発売、欧米では10年以上使われており安全性は高い。

・論文読んできました。
セボフルラン、イソフルラン→1MAC、1.5MACでは気管支拡張作用なし。
デスフルラン1.5MAC→気道抵抗が上がった。
→気管支攣縮など、注意が必要かも。




2011年12月14日水曜日

気道、呼吸、OSA、周術期の禁煙など

麻酔の問題集 担当:Y先生

1.心疾患を持つ患者の非心臓手術リスク評価について
・Revised Cardiac Risk Index
・ACC/AHA 2007 非心臓手術の周術期ガイドライン
5つのステップ
→緊急?活動性心疾患?手術リスクは?身体機能リスク評価は?5つの臨床的リスク

2.喘息発作が起こった後、気道の過敏性はどのくらい続く?→数週間
・喘息患者の麻酔、事前に確認しておくべきこと
使用薬、最後の発作、発作の程度、増悪因子・・・など。

3.機能的残気量(FRC)は術後どのくらいで戻る?→2週間後
・術後呼吸器合併症のリスク因子
上腹部・胸部手術、腹部大動脈手術、脳血管、頸部、血管手術、
3時間以上の手術、全身麻酔のみの手術、長時間作動性筋弛緩薬の使用など。

・湯布院に行ってきました。

4.OSAの人の特徴など。
慢性肺高血圧症、右心不全があるかも。
首がでかいとリスク高い。
クスリで呼吸抑制を起こしやすい。
CPAPの使用により周術期のリスクを軽減することが出来る。
Difficult Airwayの可能性。
耐糖能異常、虚血性心疾患もあるかも。
・OSAの定義、機序、スクリーニング法(STOP-BANG test)、終夜睡眠ポリグラフ

5.周術期の禁煙について
24時間の禁煙で血中ニコチン下がる、COHb下がる。
48-72時間の禁煙でCOHbは正常化
1-4週間の禁煙で繊毛運動の活発化により喀痰排出量は増える。
→結果として術後呼吸器合併症が増える。禁煙パラドクス。
というわけで8週間以上は禁煙しましょう。むしろ手術を機に禁煙しましょう。



2011年12月13日火曜日

日常風景



3D経食道心エコーの指導中。

2011年12月12日月曜日

緑膿菌肺炎

ICU勉強会 担当:K先生

緑膿菌肺炎について

・痰培陽性、果たして定着?起炎菌?
どっちかわからん時に抗生剤はどのように選択すればいい?

・緑膿菌肺炎
市中肺炎、院内肺炎(VAPなど)、緑膿菌菌血症に伴う肺炎(免疫抑制患者など)
緑膿菌によるVAPは適切な抗菌薬投与にても死亡率42-87%
・緑膿菌肺炎の特徴→診断が難しい
菌は上気道、下気道に定着。
COPD患者の4-15%で喀痰から緑膿菌検出 
緑膿菌肺炎→菌血症となることはまれ
・緑膿菌肺炎に関してのRCT3つ
①PSB(Protected Specimen Brush)
②気管内吸引
③CPIS(Clinical Pulmonary Infection Score)

・ICUセッティングでの緑膿菌肺炎の治療方針について
CPIS scoringによる緑膿菌肺炎の治療方針
プロトコルに従って治療→3日後に再評価→CPIS scoreもう1度。
重症なら多剤併用となる。
・検体は侵襲的検査(気管支鏡など)による定量培養が望ましい。
・CPISは短期単剤投与が適している症例の判別スクリーニングに適している。
・緑膿菌肺炎について多剤併用か、単剤かを比較したstudyはあまりない。
・気管支鏡の連続使用はやめるべき?

わくわく迅速導入

麻酔科勉強会 担当:K先生

わくわく迅速導入(RSII:Rapid Sequence Induction and Intubation)

・導入薬は状況に応じて
・導入量は?predetermined dose VS sleep dose
・筋弛緩のタイミングは?rapid sequence VS loss of consciousness
寝てから筋弛緩でもいいかも。
・麻薬は使いましょう。即効性麻薬推奨。
→血圧変動の抑制、挿管の質を向上させる。
・リドカインは使う?
→血圧変動抑制、挿管の質の向上、頭蓋内圧上昇の抑制
→明らかなエビデンスなし。どっちでもいいかも。
・最近スキサメトニウム使ってますか?
・ノンデポ
priming technique、timing technique、ロクロニウムの登場で消えていく?
・用手換気してますか?
気道内圧<20cmH2OならOK、<15cmH2Oなら胃に空気は入らない・・・らしい。
クリコイドプレス(CP)併用なら45cmH2Oでも大丈夫・・・らしい。
→低酸素血症リスクの高い患者では迅速導入でも換気すべきかもしれない。
・CPのタイミング
寝る前1kg、寝た後3kg
食道括約筋弛緩、嘔吐誘発、換気&挿管困難になる可能性に注意。
・体位は?半座位、V position
ヘッドアップ→誤嚥しにくいかも
ヘッドダウン→誤嚥しても気管に入りにくいかも
・Modified RAII
A Survey of United States Current Practice
最近の動向。アメリカではどうしてる?
筋弛緩→50%の人たちは麻酔薬と同時に入れてる。
CPするひとは90%(みんなけっこうCPしてる。アメリカだし訴訟の問題?)
換気する人は70%
CPしながら換気する人 71%。
前もって酸素吸入させてる人ほぼ100%
5分以上吸入させている人10%
3-5%吸入させてる人55%
4回深呼吸派12%
EtO2 80%以上になるまで吸入派が19%

麻酔管理と長期予後

初期研修医勉強会 担当:S先生

麻酔管理と長期予後

・β遮断薬
POISE trial
心血管死、心筋梗塞の死亡率がβ遮断薬投与群で優位に減少。
しかし脳梗塞、全死亡率は上昇・・・。

・スタチン
脂質低下作用、抗炎症作用、抗酸化作用、血管内皮細胞機能改善。
腹部大動脈手術とスタチン、スタチン内服群で予後改善。
鼠径部以下の血管手術でもスタチン群で心血管死亡率が改善。
術前4-6週間の投与。中止によるリバウンドに注意。
術後は速やかに再開。

・麻酔深度、BISと生存率の関係は?
BIS<40の時間が50%以上で死亡率上がる。副次的減少?



2011年12月8日木曜日

MVRにおける弁下組織の温存+Ebstein奇形

TEE勉強会 担当:S先生

Case1:59歳男性 Severe MRに対してMVR後

TEE画像
anti-anatomical positionにセットされた機械弁。
2本のMRjetがmedial側から立ち上がる。→弁の閉鎖制限あり。

・MVRにおける弁下組織温存について
利点:LV破裂のリスク減少、LV機能回復、5年生存率上昇
欠点:人工弁の動きを邪魔する可能性

・MVR後のチェックポイント
Diskの動き、弁に動揺がないか、血流評価、圧較差、EOA

Case2:28歳女性 Severe TRに対してTVRまたはTVP予定

TTEE画像
右心系がでかい。TR severe、ASDがある。
TVの中隔尖が心尖部方向に偏位。Curtain like 前尖(長い前尖)
後尖は後方にずれている。
→ Ebstein奇形

・Ebstein奇形について
ASDを75%に合併。20%でWPW syndrome合併。通常TR(+)。
外科的治療
HardyのTV挙上転位術(日本では数例しかないらしい)
TVRになることも。

2011年12月5日月曜日

肋骨骨折

ICU勉強会 担当:S先生

・肋骨骨折について
合併症:肺炎、血胸、膿胸、呼吸不全、・・・
リスクとしては骨折本数、年齢など
・膿胸
chest tube挿入中患者の3-10%
血胸合併患者の33%
・管理目標はLung expansion。Tidal Volumeが入るように、咳ができるように。 
呼吸サポート
Stabilization
Pain control
・肋骨骨折におけるPain controlについて
全身投与?局所麻酔?
局所麻酔なら硬膜外麻酔、傍脊柱ブロック、局麻の胸腔内投与、肋間神経ブロックなど。
・肋骨骨折に対する硬膜外麻酔は肺機能を改善させる可能性。
Study:epiとiv-フェンタを比較したメタアナライシス
→mortality、ICU stay、mechanical ventilation期間いずれも差はなし。
・外傷における硬膜外麻酔の問題点
鎮静中の患者が多い。鎮静下でepi打って大丈夫?
外傷部位が多岐にわたることが多い。どこのレベルを狙う?体位は取れる?
抗凝固療法中だったり。
epi挿入に病棟が慣れてない。
・ルーチンでの硬膜外麻酔使用は推奨できない?
咳はできるようになる印象。
硬麻を入れてventilation離脱ができた症例も。 
全体的にQOLは上がる印象。患者さんも主治医も喜ぶ。

2011年12月3日土曜日

多発外傷におけるMTP

麻酔科勉強会 担当:Y先生

多発外傷におけるMTP(Massive Transfusion Protocol)について

・術中心停止の原因としての出血性ショック
・危機的出血に関するガイドライン
2007年・日本麻酔科学会
2010年・産科的危機的出血ガイドライン→産科的DIC対応
・循環血液量の100%以上の出血でFFP投与
→外傷では遅すぎる可能性。
・血液希釈によりPT、APTTは早期に延長する。
・血小板は脾臓ががんばって放出するのでそれなりに持つ。
→脾破裂、脾摘などでは要注意!
・貧血と血小板機能
→貧血の改善により血小板粘着能が上昇する。

・外傷における「死の三徴」
→アシドーシス、低体温、凝固異常
・DCS(Damage Control Surgery)について
→まずは「死の三徴」を回避する。
・TAEでは殿筋の壊死のリスクあり。
・Fluid Resuscitation
→RCC:FFP:PC=1:1:1戦略、イラク戦争が輸血戦略を変えた?
→血圧をあげすぎない。
・濃縮製剤の使用(フィブリノゲン、フィブロガミン、ノボセブン)
・抗線溶薬の使用

・外傷と凝固異常について
・TF放出→Tb形成→DIC
・組織低灌流→プロテインC活性化→全身的抗凝固状態
・血液希釈による希釈性凝固障害
・外傷と低体温
・体温32℃以下では救命は見込めない。
・代謝性アシドーシスと凝固活性について

・多発外傷での到達目標
SBP、尿量、CVP、Hb、Plt、PT、APTT、体温、BE、Lac

2011年12月1日木曜日

心臓原発腫瘍、心外術後の認知機能など

初期研修医勉強会 担当:O先生

・心臓原発腫瘍・血管肉腫について
心血管肉腫では血管肉腫が多い。
30-50歳代に多い。
66-89%で初診時に遠隔転移を認める。
腫瘍の直接浸潤による心タンポナーデ多い。
外科的切除可能例は予後がいい。

・徳島大学医学部「たけのこ連」など。

・心血管手術後の認知機能と麻酔管理について
on pump CABGでSevとTIVAと比較したstudy
Sev群で術後認知機能テストがよかった。
Sev群の方がSCO2低下は多かった。

2011年11月30日水曜日

EtCO2について

麻酔の問題集 担当:H先生

EtCO2について調べてきました。

・カプノメーターについて
メインストリーム方式&サイドストリーム方式、利点と欠点
サイドストリーム方式の吸引量は50-250ml/min
・死腔換気が増えるとEtCO2はどうなる?
→EtCO2減少、PaCO2-EtCO2ギャップの開大
・死腔換気率(Vp/Vd)について
正常値は0.2-0.3。
(PaCo2-EtCo2)/PaCO2で推定可能。
・EtCO2の突然の減少、何を考える?
→事故抜管、PE、サンプリングチューブの閉塞、抜け、回路閉塞など。
→ちなみにEtCO2の上昇は悪性高熱症のサインでもある。
・PaCO2-EtCO2ギャップ開大の原因は?
→PE、低灌流、COPDなど。
・EtCO2が影響を受けるものは?
→換気条件、肺血流量、代謝亢進、心拍出量の増大など。
・ICUにおけるEtCO2
ACLSガイドラインでは?
①気管挿管の確認(Class1、Evidence Level A)
②CPR中のモニターとして(Class 2b、Evidence Level C)
AARCガイドラインでは・・・
人工呼吸中患者全てに用いる、べきではない。
ICUでは心肺機能に問題ある患者が多いため、有用性が低くなる可能性。
・PEにおけるEtCO2
Wellsスコア、Dダイマー、V/Qスキャンなどと組み合わせて診断に用いる。

日常風景



経食道心エコーにもだいぶ慣れてきたY先生。

2011年11月28日月曜日

CRT-D

ICU勉強会 担当:H先生

CRT-Dについて調べてきました。


・COMPANION study
・LVリードはCSより逆行的に挿入。側壁、後側壁がいいらしい。
・適応:薬物治療で改善しないNYHA Ⅲ-Ⅳの心不全、EF<35%、QRS>130msec
・7割で治療効果があったとの報告。
・設定について
・VT、VFの区別は心室レートのみで判断。出力は0.2-38J。
・抗頻拍ペーシング(ATP)
VTより10-3-%早いレートで4-15拍ペーシング。
accelerationをきたす可能性、VF誘発する可能性。
Burstモード:一定周期でペーシング。
Rampモード:一拍ごとに周期が早まっていく。
・CRT-Dのトリビア
1台480万円
携帯電話は22cm以上離す。
空港などの金属探知機も避けるべき。
ICOCAとかのカードリーダーからは12cm以上離す。
全自動麻雀卓で麻雀してはいけない。

2011年11月26日土曜日

脳死移植について

麻酔科勉強会 担当:I先生

麻酔科専門医試験問題より

1・冠動脈ステント留置中患者のSAH緊急クリッピング
リスク、問題点、必要な検査は?
空気塞栓の発見、攣縮予防のためには?
2・気管圧迫する甲状腺腫瘍の摘出術
肥満患者の麻酔導入、換気できない時はどうする?
挿管補助器具を挙げる、など


脳死移植について
・ドナー麻酔の管理について
血圧、CVP、尿量、HR、カテコラミンはどうする?
肺移植の場合は肺保護換気を。
尿崩症状態→電解質管理を。
除神経状態、ベッド移動でもバイタル変動をきたす。
脊髄反射は残るので筋弛緩薬は必要。
低体温になりやすい。加温を。
吸入麻酔薬、麻薬、血管拡張薬は使わない。
血圧低下は輸液と輸血でしのぐ。術者は止血する気はない。
Htを維持する。
Aoクランプで輸液輸血を中止。加温から冷却に移る、など。

2011年11月24日木曜日

血圧と循環

初期研修医勉強会 担当:K先生

「血圧と循環」

・血圧測定の歴史
・オシロメトリック法
・SGカテーテルの歴史
・輸液反応性
・動的パラメーターと静的パラメーター
・脈波の呼吸性変動について
・FloTraq/VigileoとSVV