2011年12月15日木曜日

吸入麻酔薬

初期研修医勉強会 担当:K先生

吸入麻酔薬について調べてきました。

・吸入麻酔薬について
気化器で麻酔ガスとなり、吸入させることで効果を発揮。
肺胞から血中へと拡散。
神経細胞、脂肪組織、筋肉へと取り込まれ、定常状態に達する。
・血液ガス分配係数
小さいほど定常状態に至るまでの時間が短い。→速効性の指標
・MAC(Minimum Alveolar Concentration)
吸入麻酔の強さの指標
皮膚切開で50%の人が体動をきたさない1気圧での最小肺胞濃度。

Break:仙台出身の有名人について

・笑気について
分子量 44、沸点 -89.5℃、MAC 105、血液ガス分配係数 0.47、生体代謝率 0%。
1800年代より使用されている。
鎮痛&鎮静作用。
循環抑制はほとんどない。血管収縮作用により、むしろ血圧は上昇傾向に。
温室効果ガス。二酸化炭素の100倍の影響。
・セボフルラン
分子量 200、沸点 58.5℃、MAC 1.71、血液ガス分配係数 0.63、生体代謝率 2-3%。
日本で最も使用されている吸入麻酔薬。
CompoundAの問題、血清無機F上昇など。
・イソフルラン
分子量 184、沸点 48.5℃、MAC 1.15、血液ガス分配係数 1.4、生体代謝率 0.2%
脳血管拡張効果が低い。脳外科の麻酔に向いている?
末梢血管拡張作用あり。
乾燥したソーダライムと反応してCOを生じる。
・デスフルラン
分子量 168、沸点 22.8℃、MAC 7.25、血液ガス分配係数 0.42、生体代謝率 0.01%
生体内で安定、覚醒・導入が速い。
ソーダライムと反応、CO発生。
沸点が低く、専用の気化器(要電源)が必要。
気道過敏性あり、導入薬には向かない。
日本では最近発売、欧米では10年以上使われており安全性は高い。

・論文読んできました。
セボフルラン、イソフルラン→1MAC、1.5MACでは気管支拡張作用なし。
デスフルラン1.5MAC→気道抵抗が上がった。
→気管支攣縮など、注意が必要かも。