2011年12月19日月曜日

筋弛緩薬を併用したARDS管理について

ICU勉強会 担当:K先生

ICU一週間のフィードバックと、もう1トピック。

「筋弛緩薬を併用したARDS管理について」 論文紹介。(NEJM)

・早期ARDSに対して筋弛緩薬(NMB)使用群とプラセボ群に分けて比較。
340人を170、170人程度に振り分け。
プライマリーアウトカムは90日でのsurvival。
NMB群では48時間だけNMBを使用。(ショットOK)
NMBはシスアトラクリウムを使用。
呼吸設定は基本VC。TV 6-8ml/kgくらい。
P/F ratioはNMB群でやや悪かったので補正した。プラトー圧も高め。
・severe ARDS(P/F<120)ではNMB群で90日survivalがよかった。
ICU stay、28日survival、臓器不全指数もいい。Barotraumaも少ない。
末梢神経障害の発生に差はなかった。

・severe ARDSの早期48時間以内の筋弛緩投与はいいかも。
→肺保護戦略を有効に行えるから?

・ESICMがARDSの診断基準を変えようとしているという噂。そのうちJAMAに?
ALIの概念がなくなる?
Severe、Moderate、Mildのような枠組みになる?
Severe ARDSに対してはECMO、HFO、NO吸入、腹臥位などと並列して、
筋弛緩薬の使用も取り入れられるかも。