麻酔科勉強会 担当:H先生
「AS、AVR、TAVI」
・ASの治療・・・手術、クスリ、バルン拡張
・手術:単独ASなら自覚症状が出現した場合
・クスリ:スタチンで弁口面積の減少度を抑制させる可能性。
→炎症を抑制するから?
・バルン拡張:合併症も多い。
・ASは無症候性でも進行性。
・自覚症状が出現した時は、すでに代償が破たんしている。
・手術の判断は?
→自覚症状が出現した時がタイミング。
→無症候性ならば保存的に。
→無症候性なら突然死が少ないから。(0.8%/年)
→生存率も悪くないから。(AR合併などは除く)
・AVRについて
・入院死亡率2.84%、比較的安全な心臓手術。
・高齢者に多く、合併症や全身状態によっては適応外になることも。
→severe ASの3-5割は保存的に診られているという報告も。
・無症候性severe AS
→5年間無事に経過できるのはわずか25%。
→無症候性severe ASも手術した方がいいのでは???
・TAVI(Transcatheter Aortic Valve Implantation)について。
・順行性にカテ入れる方法と逆行性に入れる方法、後者が多い。
・逆行性挿入(大腿動脈から入れる方法)の禁忌は?
→上行、弓部、腸骨動脈の石灰化病変きつめ、AFバイパス後など。
・心尖部アプローチ
→禁忌は心膜石灰化例、左室形成後など。
・PARTNER trial(NEJM 2010)
・AVRの適応がない人たち。TAVI vs 何もしない群の比較。
→TAVI群で30日以内の脳卒中、大動脈解離が多い。
→1年時では全死亡率下がった。
→NYHA3-4の心不全も少なくなった。
→再入院割合も減った。
・AVRの適応がある人たち。TAVI vs AVRの比較。
→30日以内の心血管イベントの発生はTAVIが多い。
→解離、冠動脈閉塞、AVブロックなど。
→ちなみにAVR群の合併症は出血、Afなど。
→1年時では全死、中枢神経合併症に両者有意差なし。
・結局TAVIの適応は?
→手術のリスク高い人
→80歳以上の高齢者
→合併症あり、Euro score 20点以上の人。
・60歳くらいの人なら、本人がTAVI希望でもAVRが好ましい。