麻酔の問題集 担当:K先生
「ENDOCRINE FUNCTION」
問題1:コルチゾールの生理に関する問題
・糖質コルチコイド(糖質コルチコイド>電解質コルチコイド)
・15-25mg/day分泌されている。
・Corticosteroid binding globulin(CBG)と結合している。
・生理活性あるのは遊離のcortisolのみ。
・早朝に最高値、夜間に最低値となる日内変動
・糖質コルチコイドの作用
・代謝作用
・糖新生を促す。
→タンパクを片っ端から糖に。
→筋萎縮
・抗インスリン作用。
→末梢の糖利用を抑制。血糖値↑、グリコーゲン合成↑
・脂肪分解↑。血中遊離脂肪酸↑。
・水利尿作用
→糸球体濾過量増加作用。抗利尿ホルモンに拮抗。
・電解質作用
→電解質コルチコイド活性
→Na+を再吸収。H+とK+の分泌を促す。
・免疫に対する作用
→末梢血中の白血球数↑↑
→好中球遊走阻害→抗炎症作用
・末梢血中のリンパ球、好酸球、好塩基球数↓↓
→抗アレルギー、抗炎症作用
・アラキドン酸カスケード阻害
・リソソームの安定化
・肉芽形成阻害
・骨
→骨芽細胞抑制
・Ca吸収抑制作用
→骨粗鬆症
・神経系
・過剰:精神的な不安定。不眠。集中力低下
・欠乏:易疲労感。脱力感。
・感染症診療でステロイドの使用
・相対的副腎不全に対する低容量ステロイド
→内分泌疾患の既往、ステロイドの使用歴なければ、
ショックを呈していないsepsis患者にステロイドはダメ。
・小児髄膜炎(H.influenzae type B)
・成人髄膜炎(Streptococcus pneumoniae)
→細菌を破壊する事で生じる炎症カスケードをblock、難聴を防ぐ。
→抗菌薬が入る直前か同時に投与しないと意味がなくなる。
問題2:コルチゾールの生理に関する問題Part2
・PONVとステロイド
・8 mg dexamethasoneはgradeAで術後鎮痛と悪心•嘔吐対策に有効。
→高いエビデンスがある。
問題3:ステロイドカバーに関する問題
・ステロイド必要量
→視床下部−下垂体−副腎系により調節される。
・ステロイド服用
→視床下部−下垂体−副腎系の抑制が起こる可能性がある。
・ステロイドの投与量、中止期間が関与。
・視床下部−下垂体−副腎系が抑制されていると、
手術時に本来分泌されるべきコルチゾール分泌が不十分になり、
急性副腎不全となりショックを起こす事が懸念されてきた。
・ステロイドカバーの強いエビデンスは存在しない。
・個々の患者にあわせた適切な投与量、投与間隔を検討する必要。
問題4:レニン・アンジオテンシン系に関する問題
・レニン・アンジオテンシン系の全体像
・傍糸球体装置の役割
・腎臓低灌流によって起こる変化
→傍糸球体装置:交感神経末端(β)↑↑
→マクラデンサ:原尿中Cl-量↓↓
→腎臓輸入細動脈の弛緩
→レニン分泌
→アンギオテンシノーゲン(肝臓)
→アンギオテンシンⅠ
→アンギオテンシンⅡ
・交感神経系の緊張
→アルドステロン分泌↑↑(副腎皮質)
→Na+再吸収↑↑H+、K+排泄↑↑(集合管)
→尿細管にてNa+,Cl-の再吸収とK+の排泄
→動脈収縮
→下垂体後葉での抗利尿ホルモン分泌の促進
→腎灌流を改善する
・周術期のACEi、ARBについて
問題5:周術期の低血糖に関する問題
11月から麻酔科に来てくれた研修医Y先生