初期研修医勉強会 担当:K先生
「周術期の輸血」
・赤血球製剤
・保存:2~6℃で保存、21日間
・使用目的
・Hb補充
→予想上昇Hb値=投与Hb量÷循環血液量
・赤血球濃厚液1パックのHb≒56~60g
・循環血液量≒70mL/kg
・血小板製剤
・保存:室温、水平震盪
4日間(医療機関に搬送されてから1日未満)
・使用目的
・予想血小板増加数
・輸血血小板総数/循環血液量×1000×2/3
・通常1単位につき5000/μL
・感染のリスクが高い
・新鮮凍結血漿
・保存:‐20℃以下で保存、1年間
・使用目的
・凝固因子の補充
・凝固因子の血中レベルを20~30%あげるためには?
→FFPは400ml~600ml必要
・アルブミン製剤
・膠質浸透圧の改善→高張アルブミン製剤
・循環血漿量の是正→等張アルブミン製剤
・50%以上の大量出血、低アルブミン血症、腎機能障害など
・出血時の輸液、輸血の目安
・周術期には?
・赤血球輸血
・目安:Hb値7~8g/dl
・冠動脈疾患、肺機能障害、脳血管障害では10g/dl以上に。
・過剰な輸血は予後を悪化させる
・血小板輸血
・術前、術中は5~10万/μlが理想
・術後は?
>5万/μLでは適応なし
<1万/μLでは予防投与することも
・血小板が減っていてもHIT、TTPは禁忌
・血管損傷などの出血は外科的処置が優先
・新鮮血凍結血漿
・大量出血時の希釈性、消費性の凝固障害
・PT<30% PT-INR>2.0
・APTT>基準の上限の2倍、<25%
・フィブリノゲン<100mg/dl
+出血症状の確認を!
・予防投与は意味がない
・輸血の副作用
・肝炎:1/10万人以下
・HIV:ほぼなし
・GVHD:ほぼなし
・溶血反応:軽症1/1,000~重症1/10,000
・アレルギー:1/1,000
・TRALI:1/20万
・TACO:1/5,000
・細菌感染:1/200万
・副作用
・輸血開始直後、5分後、15分後は患者の観察
・TACOは輸血速度の問題。
→1単位を2~3時間かけて輸血することで予防できる
・緊急時の大量輸血
→低体温障害、低Ca、高K、アシドーシスに注意
・アナフィラキシーショック
・輸血中止
・アドレナリン
・0.3mg~0.5mg(0.01%溶液3~5ml) i.v.
・2~8μg/minで持続静注
・循環血液量の補充
・持続性の低血圧にたいして
・ドパミン(5~15μg/kg/min)
・ノルアドレナリン(2~8μg/min)
・TRALI
・輸血に伴う死亡原因の第一位
・輸血開始後数時間以内の呼吸困難、肺水腫
・ただちに輸血中止
・呼吸管理
・敗血症
・2000年以降で関連性が高いと報告されているのは6例
・Streptococcus pneumoniea(血小板製剤 死亡)
・Bacillus cereus(赤血球製剤 生存)
・Yersinia enterocolitica(赤血球製剤 1例死亡2例生存)
・Staphylococcus aureus(血小板製剤 死亡)
・使用前に血液バッグが黒く変色していないか確認を!
・不適合輸血
・わずか5mlの輸血でも症状出現
・突然の低血圧
・治療
①輸血中止
②輸液、ドパミン
+検査
→尿潜血、血漿の色、直接Coombs