2012年11月8日木曜日

周術期の輸血

初期研修医勉強会  担当:K先生

「周術期の輸血」

・赤血球製剤
  ・保存:2~6℃で保存、21日間
  ・使用目的
   ・Hb補充
    →予想上昇Hb値=投与Hb量÷循環血液量
     ・赤血球濃厚液1パックのHb≒56~60g
     ・循環血液量≒70mL/kg
・血小板製剤
  ・保存:室温、水平震盪
   4日間(医療機関に搬送されてから1日未満)
  ・使用目的
  ・予想血小板増加数
    ・輸血血小板総数/循環血液量×1000×2/3
    ・通常1単位につき5000/μL
  ・感染のリスクが高い
・新鮮凍結血漿
  ・保存:‐20℃以下で保存、1年間
  ・使用目的
    ・凝固因子の補充
    ・凝固因子の血中レベルを20~30%あげるためには?
      →FFPは400ml~600ml必要
・アルブミン製剤
  ・膠質浸透圧の改善→高張アルブミン製剤
  ・循環血漿量の是正→等張アルブミン製剤
  ・50%以上の大量出血、低アルブミン血症、腎機能障害など
・出血時の輸液、輸血の目安
・周術期には?
  ・赤血球輸血
    ・目安:Hb値7~8g/dl
    ・冠動脈疾患、肺機能障害、脳血管障害では10g/dl以上に。
    ・過剰な輸血は予後を悪化させる
  ・血小板輸血
    ・術前、術中は5~10万/μlが理想
    ・術後は?
      >5万/μLでは適応なし
      <1万/μLでは予防投与することも
    ・血小板が減っていてもHIT、TTPは禁忌 
    ・血管損傷などの出血は外科的処置が優先
  ・新鮮血凍結血漿
     ・大量出血時の希釈性、消費性の凝固障害
     ・PT<30%  PT-INR>2.0
          ・APTT>基準の上限の2倍、<25%
     ・フィブリノゲン<100mg/dl
           +出血症状の確認を!  
     ・予防投与は意味がない
・輸血の副作用
  ・肝炎:1/10万人以下
  ・HIV:ほぼなし
  ・GVHD:ほぼなし
  ・溶血反応:軽症1/1,000~重症1/10,000
  ・アレルギー:1/1,000
  ・TRALI:1/20万
  ・TACO:1/5,000
  ・細菌感染:1/200万
・副作用
  ・輸血開始直後、5分後、15分後は患者の観察
  ・TACOは輸血速度の問題。
    →1単位を2~3時間かけて輸血することで予防できる
  ・緊急時の大量輸血
    →低体温障害、低Ca、高K、アシドーシスに注意
・アナフィラキシーショック
  ・輸血中止
  ・アドレナリン
       ・0.3mg~0.5mg(0.01%溶液3~5ml) i.v.
     ・2~8μg/minで持続静注
  ・循環血液量の補充
  ・持続性の低血圧にたいして
     ・ドパミン(5~15μg/kg/min)
       ・ノルアドレナリン(2~8μg/min)
・TRALI
  ・輸血に伴う死亡原因の第一位
  ・輸血開始後数時間以内の呼吸困難、肺水腫
  ・ただちに輸血中止
  ・呼吸管理
・敗血症
  ・2000年以降で関連性が高いと報告されているのは6例
    ・Streptococcus pneumoniea(血小板製剤 死亡)
    ・Bacillus cereus(赤血球製剤 生存)
    ・Yersinia enterocolitica(赤血球製剤 1例死亡2例生存)
    ・Staphylococcus aureus(血小板製剤 死亡)
  ・使用前に血液バッグが黒く変色していないか確認を!
・不適合輸血
  ・わずか5mlの輸血でも症状出現 
  ・突然の低血圧
  ・治療
    ①輸血中止
    ②輸液、ドパミン
     +検査
      →尿潜血、血漿の色、直接Coombs