初期研修医勉強会 担当:H先生
「産科麻酔について」
・帝王切開術の割合増加中
・昭和62年8%→平成20年19%
・生殖医療の普及、多胎の増加など
・周産期医療センターでの麻酔科の不足
→産婦人科医による自家麻酔が多い
・麻酔科医が担当する割合
→病院で59%、診療所で15%、全体で42%
・本邦では脊髄くも膜下硬膜外麻酔併用の比率が高い
→421施設中131施設 31%
・硬膜外麻酔を併用する長所
・術後鎮痛にも用いることが出来る。
・短所
・硬膜外血腫、感染のリスク
・脊髄麻酔、硬膜外麻酔の禁忌を知る。
・適応
・血小板数 >50,000–100,000/μL
・PT-INR <1.2–1.5
・APTT <120-150%
・PDPH(postdurapuncture headache)について
・若年女性はリスクが高い
・術後早期から離床する妊婦では特に問題となる。
・ペンシルポイント針はリスクが低い
・ブピバカインの用量
・高比重ブピバカインのED95は11.2mg
・添加オピオイドについて
・フェンタニル
・鎮痛効果時間が延長。
・IONVの頻度が減少。
・10-25μgの投与が一般的。
・モルヒネ
・局麻に追加1回投与で12-24時間程度の術後鎮痛効果。
・0.1-0.2mg程度の投与が一般的。
・副作用:遅延性の呼吸抑制
・低血圧の予防
・子宮の左方転位
→手術台を左下に傾ける(15°程度が妥当)
・母体に腰枕をあてがう
・用手的に子宮を圧迫
・急速輸液
・preloadかcoloadか
・coloadの方が昇圧薬が少なくて済む。
→Anaesth Intensive Care. 2004 Jun;32(3):351-7.
・膠質液の有用性
・HESのpreload, coloadともCO増加させる報告あり。
→Anesth analg 109:1916-1921, 2009
・昇圧薬
・エフェドリン
・α、β作用(α<β)
・血圧上昇、心拍数増加。Bolus 5-10mg。
・最大効果発現時間は1分超。作用持続は10-15分。
・ネオシネジン
・血圧上昇、心拍数減少。Bolus 50-100μg
・最大効果発現時間は30秒程度。作用持続は5分。
・論文読みました。
・脊麻CSにおけるPhenylephrineの影響
→Habib et al. Anesth Analg 114:377-390, 2012
・Pheはephに比べIONVの発現率が低い
・臍帯血のpHが低くならない。
→pHの違いは臨床的に問題にならない程度。
・Pheの持続divはbolus投与よりも低血圧予防に効果がある。
・一方でpheは徐脈、心拍出量を下げる。
・臨床的な影響については今後の研究課題。
MEさんによる人工心肺勉強会