2012年11月29日木曜日

産科麻酔について

初期研修医勉強会  担当:H先生

「産科麻酔について」

・帝王切開術の割合増加中
  ・昭和62年8%→平成20年19%
  ・生殖医療の普及、多胎の増加など
・周産期医療センターでの麻酔科の不足
  →産婦人科医による自家麻酔が多い
・麻酔科医が担当する割合
  →病院で59%、診療所で15%、全体で42%
・本邦では脊髄くも膜下硬膜外麻酔併用の比率が高い
  →421施設中131施設 31%
  ・硬膜外麻酔を併用する長所
    ・術後鎮痛にも用いることが出来る。
  ・短所
    ・硬膜外血腫、感染のリスク
・脊髄麻酔、硬膜外麻酔の禁忌を知る。
  ・適応
    ・血小板数 >50,000–100,000/μL
    ・PT-INR <1.2–1.5
    ・APTT <120-150%
・PDPH(postdurapuncture headache)について
  ・若年女性はリスクが高い
  ・術後早期から離床する妊婦では特に問題となる。
  ・ペンシルポイント針はリスクが低い
・ブピバカインの用量
  ・高比重ブピバカインのED95は11.2mg
・添加オピオイドについて
  ・フェンタニル
    ・鎮痛効果時間が延長。
    ・IONVの頻度が減少。
    ・10-25μgの投与が一般的。
  ・モルヒネ
    ・局麻に追加1回投与で12-24時間程度の術後鎮痛効果。
    ・0.1-0.2mg程度の投与が一般的。
    ・副作用:遅延性の呼吸抑制
・低血圧の予防
  ・子宮の左方転位
    →手術台を左下に傾ける(15°程度が妥当)
  ・母体に腰枕をあてがう
  ・用手的に子宮を圧迫
・急速輸液
  ・preloadかcoloadか
  ・coloadの方が昇圧薬が少なくて済む。
    →Anaesth Intensive Care. 2004 Jun;32(3):351-7.
・膠質液の有用性
  ・HESのpreload, coloadともCO増加させる報告あり。
    →Anesth analg 109:1916-1921, 2009
・昇圧薬
  ・エフェドリン
    ・α、β作用(α<β)
    ・血圧上昇、心拍数増加。Bolus 5-10mg。
    ・最大効果発現時間は1分超。作用持続は10-15分。
  ・ネオシネジン
    ・血圧上昇、心拍数減少。Bolus 50-100μg
    ・最大効果発現時間は30秒程度。作用持続は5分。
・論文読みました。
  ・脊麻CSにおけるPhenylephrineの影響
    →Habib et al. Anesth Analg 114:377-390, 2012
  ・Pheはephに比べIONVの発現率が低い
  ・臍帯血のpHが低くならない。
    →pHの違いは臨床的に問題にならない程度。
  ・Pheの持続divはbolus投与よりも低血圧予防に効果がある。
  ・一方でpheは徐脈、心拍出量を下げる。
  ・臨床的な影響については今後の研究課題。



     MEさんによる人工心肺勉強会