2012年1月18日水曜日

僧帽弁直下の感染性左室瘤

TEE勉強会 担当:I先生

「症例 23歳男性」

繰り返す発熱と胸痛で近医を受診。
血圧低下、TTE所見により手術適応と判断される。
CAGはintact。

①ME 4CV
・左室の隣に腔、収縮期に左室から腔への血流あり。
・腔は拡張期に縮小している。
・下壁の運動低下がみられる。

「僧帽弁直下の感染性左室仮性瘤」

左室瘤
・真性瘤・・・MI後90日以内に起こることが多い。MIの22%に生じる。
MI後5日以内に発生したものは死亡率が高い。
          心尖部、前壁が多い。広い入り口を持つ。
・仮性瘤・・・高率に自然破裂する。心外膜で覆われた慢性的心破裂。
狭い入り口、嚢状、左室と交通。

②同じ患者の動画、MR severeになってる。LV後壁に向かうjet。
→下壁梗塞から瘤化
→後内側乳頭筋の位置異常
→後尖のtethering
→左房後壁に向かうMR jet

ope:瘤切除、パッチ閉鎖、MV交連のplication、MV annuloplasty

③さらに同じ患者の動画。9か月後に発熱で再来院した時のもの。
→パッチの下端が外れて再び瘤に血流が。MVにベジ。

ope:ベジ廓清、パッチ交換、リング交換

・仮性瘤+severe MRではMV装置への影響を考慮すべし。
・仮性瘤の院内死亡率は20-40%、2年以内に再発も8%
・パッチ離開は見逃さない。一瞬で心タンポになる。