2012年1月24日火曜日

発熱性好中球減少症のManagement

ICU勉強会 担当:S先生

「発熱性好中球減少症のManagement」

・Medical emergencyであり、抗生剤投与が必要。
・熱だけが唯一の感染を示唆する所見でありうる。
・その他の身体所見に乏しい。

・ガイドラインについて(IDSA、ESMO)
・定義:口腔温で38.3℃以上、好中球絶対数500以下。絶対数が100を切るとやばい。
・死亡率:GNRのバクテレミアで18%、GPCで5%
・よくある病原菌は、いわゆる院内感染の菌と変わらず。
・initial assessment
問診:化学療法の種類、使用抗菌薬、薬剤耐性菌保有歴、
ステロイド使用歴、手術歴、アレルギー歴、・・・
症状:発熱以外にないことがある。注意。
・risk assessment
NASCC score:21以上でlow risk、20以下でhigh risk。
他に、7日以上neutropeniaが続きそうなものもハイリスク。
臓器障害の合併、カテ感染、循環動態不安定、口腔内炎症などもハイリスク。
・予防的抗菌薬の使用について
LVFX(B-1)、GPCカバーは特には必要ない(A-1)。
真菌症:FLCZ、ITCZ(Allo-HSCTの人、leukemiaのケモ始めた人)
ヘルペス:HSVポジの人など
・empiric therapyについて
抗緑膿菌活性のあるβラクタム(A-1)(CFPM、PIPC/TAZ、MEPMも。)
緑膿菌については、施設ごとの感受性をチェック。
VCMは通常は必要ない。
→CRBSI、軟部組織感染、肺炎、血行動態不安定の時は使用を考慮。
→証拠がなければ2日で中止してよい。
・initial therapy開始後も血行動態不安定が続く場合
→広域をカバー。嫌気性菌、真菌の関与も考える。
・真菌に対するエンピリックセラピー
→4日以上熱が続けば考慮する。
・definitive therapyについて
→CRBSI:14日間抗生剤投与。(ブ菌、緑膿菌、真菌)
→complicated caseでは4-6週間の投与を行う。
→IE、深部組織感染、septic thrombus、・・・
・カンジダについて
予防投与としてazoleの人、ノンアルビカンスの人はL-AMBかMCFGに。
・侵襲性アスペルギルス症について
  Allo-HSCT、leukemiaのケモ始めた人は注意。CT、BAL所見を参考に。
・発熱して熱源検索したけど見つからなかった場合。
→48時間以降解熱、好中球500以上で症状ない場合は抗生剤stop。
→続く場合はinitial regimenを好中球が立ち上がるまで続ける。
・CSFsは予防的にはOK、治療としてルーチンには推奨されていない。
・感染拡大予防のため手洗い、バリアプレコーションに気を付けましょう。