2012年1月11日水曜日

心筋虚血、人工肺、術後意識障害、Mg、ヘパリン

麻酔の問題集 担当:H先生

第1問:心筋虚血についての問題
心内膜下は虚血に弱い。
・酸素需要大きい
・冠血流は拡張期のみに流れる。
・収縮期の冠血流は外壁に分布。内膜側は4分の1くらい。 
・LADの70-85%は拡張期に流れる。
STMIとNSTMIのECG変化についての復習

第2問:人工肺のしくみについての問題
気泡型、膜型の違い。
気泡型・・・血液と酸素を直接接触させる方法。
安価であるが溶血のリスクあり。
膜型・・・多孔膜を介して酸素交換。
赤血球破壊や蛋白変性、空気塞栓のリスクは低い。

第3問:術後の意識障害についての問題
CABG後のstrokeは3%程度に起こる。
認知機能障害なら60-70%に起こり、おそらくはMicro emboliが原因。
2-6週間でだいたい改善する。
・論文紹介(J of Cardiothroratic and Vascular Anesthesiaの2011年?)
心外手術後の意識回復について
24時間の昏睡の後意識を回復した患者
・画像所見で問題なしの人
→術前Cre値、術後Hb、緊急手術、が昏睡遅延のリスク因子。

第4問:Mgについての問題
・MgはCoronary arteryを開く。
・抗不整脈薬として使用される・・・など。

第5問:ヘパリンについての問題
・5分以内に効果発現する。
・半減期は90分。
・A lineのヘパリンでもHITは起こりうる。
・AT-Ⅲの効果を増強することで効果を発揮する。
HITについて調べてきました。
Ⅰ型:10%くらいには起こっている。ヘパリンの直接作用。
血小板は10万以下にはまずならない。
ヘパリン中止で速やかに改善。
Ⅱ型:免疫反応によるもの。
8%でHIT抗体が産生、0.5-5%でHIT、その3分の1で血栓症。
5-10日でHIT抗体は産生される。
→3日以内の急速発症型、中止後発症の遅延発症型もあり注意。
HITの診断について(A and Aの論文より)
4T scoreとPF4/ヘパリン免疫測定を組み合わせるとよい。   
HITの治療について
アルガトロバン切り替えから6-7日後で血小板上昇へ。

第6問:PDE阻害薬についての問題
・肺血管を開く、体血管も開く。
DOBと比較したstudyの紹介。
→DOBと比較して、CI、O2供給、SVR、PVR変化有意差なし。
・β受容体のdownregulationがあるケースで使用したい。
・ミルリノン使用で死亡率が上がる・・・かも。(某Meta-analysisより。)