2012年5月25日金曜日

統計学について


麻酔科勉強会  担当:S先生

「統計学について」

・多重比較検定
  ・多群の平均値の比較といえば…
     →分散分析
  ・分散分析でわかることと言えば…
     →「少なくともどれか2つの群間に有意差がある」かどうかのみ
  ・現実的にはどの群間で差があるかが気になる
     →多重比較
・なぜ多重比検定?
・何が問題?
  ・有意水準αのとき正しく判断する確率は(1-α)
  ・単純にn回検定するとすべて正しく判断する確率は
     →(1-α)のn乗≈1-nα
  ・全体の有意水準がnαになる
     →誤って有意としてしまう確率が増える
・解決方法
  ・解決方法は無数にあるので一部を
    ・単純にはボンフェローニ法(有意水準調整型)
      →有意水準5%を検定回数で割った値を一ごとの有意水準にする
      ・どの検定でも使える
      ・検定回数が5回以上だとほとんど有意差がでない
    ・基準との比較
      ・Dunnett法(分布調整法)
        ・母集団が正規分布で、すべての群の分散が等しいと仮定。
        ・有意差は出やすい。JMP搭載
      ・Steel法
        ・Dunnettのノンパラメトリック版。これもJMP搭載
        ・すべての群間の対比較
      ・Tukey(-Kramer)法(分布調整型)
        ・母集団の正規分布ですべての群の分散が等しいと仮定。
        ・群が少ないと検出力ダウン。JMP搭載(TukeyのHSD検定)
      ・Steel-Dwass法
        ・Tukey法のノンパラメトリック版。JMPに搭載。
        ・可能な組み合わせすべての比較
      ・Sheffe法(統計量調整型)
        ・ありとあらゆる組み合わせ(A群対B&C群)に対して検定可能
        ・事前に分散分析で有意差があることが必須
        ・ただし有意差はかなり出にくい
        ・JMPには非搭載のようです

「ブレイク」
・自己紹介
・物性理論
・水の電離度


・統計学的なごまかし
   ・知っている・知らないによらず…
     →統計的なごまかしに陥ることがある
   ・棄却率、検出力とは関係なく「有意差あり」を「有意差なし」とする。
   ・またその逆のパターン
・シンプソンのパラドックス
  ・数学的に見破る方法はない。
  ・介入群と非介入の割合の差が大きいサブグループがあると生じやすい。
・サンプル数が多いときは割合にして有意差を消す!
・分割表や頻度の検定ではサンプル数が多いと有意差が出やすい
   →500例中100例の場合は0.2とするなど
・全数情報が消えるので有意差が出にくい
・散布図を書かない!(外れ値で有意に)
・相関や回帰は外れ値に大きな影響を受ける。
・外れ値をそのままにしておくと…
   →有意になったり逆に有意でなくなったりする。
・エクセルに手入力するときは…
   →一定の割合で入力ミスすると考えて検定する前には散布図を。
・有意差がでるorでない検定を使う!
・2群の比較
   →パラメトリック検定とノンパラメトリック検定で検出力に差がある
・とりあえず片っ端から試してみて都合の良い検定を採用。
・パラメトリック検定
   →正規分布から外れると有意になりにくい。
   →差を出したくないとき有効。
・パラメトリック検定とノンパラメトリック検定で結果が違うときは?
   →結論は「保留」


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