ICU勉強会 担当:Y先生
「最近のICUトピックス」
・ヘルペス脳炎、症候性てんかんなど。
・ICUにおける造血幹細胞移植。
・心臓血管外科術後の意識障害。
・繰り返す腹腔内出血。
・open abdomenの管理。
・など。
「造血幹細胞移植」
・造血幹細胞移植の分類
・ドナーによる分類
→自家移植と同種移植
・移植法による分類
→骨髄移植、末梢骨幹細胞移植、臍帯血移植
・自家移植
・ほとんどが末梢血幹細胞移植。
・自家骨髄移植が行われることも。
・同種移植
・HLA適合(HLA-A, HLA-B, HLA-DR各2型、合計6型全て適合)
・血縁者・・・・兄弟姉妹で1/4の確率で一致
・非血縁者・・・骨髄バンク。80%の患者で適応者が見つかる。
・HLA非適合(6型のうち5型のみ適合)
・血縁者・・・・HLA適合非血縁者間移植に匹敵
・非血縁者・・・成績は向上中。
・骨髄移植
・ドナーの骨髄採取に全身麻酔が必要となる。
・ほとんどが同種移植。まれに自家骨髄移植も行われる。
・生着率、採取可能幹細胞数は普通。
・同種移植の場合、GVHD(急性・慢性)発症あり。
・末梢血幹細胞移植
→同種移植の場合
・幹細胞数は多い。
・生着率が高い。
・慢性GVHD発症の可能性が高い。
・健常人にG-CSFを使用するリスク。
→自家移植の場合
・幹細胞数は普通。
・生着率が高い。
・GVHDは起こり得ない。
・癌細胞混入の可能性あり。
・自家移植が 超大量化学療法を可能とした。
・抗癌剤の使用量をもう少し増やせば有効率が上がるはず。
→しかしこれ以上使うと骨髄破壊が心配。
→骨髄破壊量を超えて抗癌剤を使用。
→骨髄破壊後にPBSCT施行。
→骨髄機能の回復。
・骨髄破壊量<致死的肝・腎・肺障害発症量。
・PBSCTにより骨髄破壊量を超えた化学療法が可能となった。
・臍帯血幹細胞移植
・長所
・ドナーに危険性や負担がない
・比較的速やかに移植が実施できる
・GVHDが少ない。
・HLA不一致でも移植可能。
・短所
・造血幹細胞が少ない→生着不全が起こりやすい。
・同じドナーから血液を再び採取 できない。
・移植後感染症発症率が高い。
・前処置
・抗癌剤、急性GVHD予防、放射線照射
・急性GVHD
・術後100日以内に発症。
・骨髄破壊的移植では60日以内の発症が多い。
・原因はHLAのマイナーミスマッチ?
・移植片中の成熟T cellが関与。
・Target organは皮膚、肝臓、消化管。
・鑑別は血栓性微小血管症:TMA(HUS/TTP)
・治療はステロイド投与。
・慢性GVHD
・移植後100日以降に発症。
・発症様式によって3型に分類。
→Progressive型、Quiescent型、De novo型
・Target organが多岐にわたる。
・移植幹細胞から分化したT cellが関与。
・症状に応じて局所療法から全身免疫抑制療法まで。