初期研修医勉強会 担当:M先生
「痛み、神経ブロック、ペインクリニック」
・痛みとは?国際疼痛学会の定義(1981年)
→An unpleasant sensory and emotional experience
associated with actual or potential tissue damage,
or described in terms of such damage
→つまり、患者が「痛い」と言ったら痛みが存在する
・痛みの分類
・Nociceptive pain(侵害受容性)
・侵害刺激や炎症により活性化された発痛物質によるもの
・Neuropathic pain(神経障害性)
・神経損傷またはそれに伴う機能異常によるもの
・Psychogenic pain(心因性)
・Adaptive pain ≒ Acute
・障害から身を守ったり、治癒を促進することに寄与するもの
・Maladaptive pain ≒ Chronic
・神経系の病理的異常に基づく病的なもの
・鎮痛手段
・薬物
→NSAIDs、オピオイド、向精神薬、局所麻酔薬、漢方薬、その他。
・物理的
・心理的
・神経ブロックとは?
→比較的限局した範囲の痛みに対し、痛みの伝達を遮断する方法。
・鎮痛薬は疼痛を減弱するのみ。
→神経ブロックは疼痛を消失させることができる。
・神経ブロックの目的
・痛みと神経との関連の証明
・根本的な治療
・感覚神経ブロックによる除痛効果
・交感神経ブロックによる血行改善・発汗抑制効果
・運動神経ブロックによる筋弛緩効果
・痛みの悪循環を断ち切る
・神経ブロックの歴史
・Guy de Chauliac (1300〜1368)
→神経幹圧迫による麻痺効果を利用して、手術を行っていた。
・Charles Gabriel Pravaz (1791〜1853)
→1852年 注射器の発明
・Theodor von Billroth (1829〜1894)
→1872年 坐骨神経痛を牽引で治療
・実際に動画で見てみよう。
・神経ブロックの部位・・・50種類以上あるらしい。
・神経ブロックの方法
・ランドマーク、神経刺激、X線透視、CTガイド法、エコーガイドなど。
・神経を直接目標として刺入する
・神経の近傍に針を進め浸潤させる
・コンパートメントブロック
→神経を含んだ鞘の中に局所麻酔薬を注入して、目的の神経を遮断する
・エコーガイドの利点
・失敗減る、時間短縮、持続時間延長、穿刺回数減少、血管穿刺減少
→神経障害の発生率については優位差なし
・神経ブロックの方法
→局所麻酔薬、ステロイド、神経破壊薬、熱凝固法、など。
・アルコール(50〜99.5%)
・フェノール
・高濃度局所麻酔薬
・神経ブロックの利点
・全身麻酔と比べて気道合併症がない
・術後せん妄のリスクが低い
・術後の嘔気・嘔吐が少ない
・脊髄硬膜外麻酔と比べて
・低血圧がない
・呼吸抑制がない
・操作後の頭痛が少ない
・出血傾向に左右されにくい
・神経ブロックの弱点
・技術が必要
・時間がかかる
・前もってブロック位置を確認する必要がある
・不十分だった場合、追加の手技や鎮静、全身麻酔への移行が必要となる
・局所麻酔薬の用量が大きいため、けいれんの起こる確率が上昇する
・神経ブロックの合併症
・局所麻酔中毒、特に心毒性、アレルギー、神経障害、骨格筋障害、
血腫、感染、習得、・・・
・何事も経験は大事
・腕神経叢ブロックの場合・・・
→比較的簡単
→しかし(従来法では)成功率80%に達するには55例の経験が必要
・ペインクリニックにおける神経ブロック
・ペインクリニックとは?
→疼痛管理に特化した外来
→様々な手段を用いて鎮痛をはかりQOLを改善させる
→神経ブロックは、痛みを完全に消すことができるためかなり有用
・トリガーポイント注射
・適応
・筋筋膜性の疼痛
・線維筋痛症
・筋固縮があり圧痛・関連痛があるもの
→圧痛のある部分に局所麻酔薬を注入する
・トリガーポイント
・体表面で、圧痛だけでなく関連痛を生じる部位。
・索状に触れることが多い
・東洋医学の経絡に一致することが多い
・手技
・痛む部位で硬結を探す
・消毒し、針を素早く刺す
・吸引して逆血のないことを確認
・筋膜直下に薬液を0.5〜1ml注入する
・抜針はできるだけ緩徐に行う
・エコーを用いてもよい