麻酔の問題集 担当:N先生
「術前評価」
問題1:術後心合併症の予測因子についての問題
・The Revised Cardiac Risk Score
・術後の心イベントを予測する。
・6の因子(1点ずつ)
・ハイリスク手術
・虚血性心疾患の既往
・鬱血性心不全の既往
・脳血管疾患の既往
・インスリン治療を必要とするDMの存在
・血清Cr≧2.0mg/dl
・0点-0.4%、1点-0.9%、2点-6.6%、3点以上-11%
問題2:喘息発作後に気道過敏性がどれくらい持続するかの問題
・予定手術の場合、喘鳴がないことが前提
・直近の発作の時期を確認
・4週以内の大発作、2週以内の小発作→延期を考慮
・上気道感染・・・気道過敏性、分泌物の増加、咳嗽など
→呼吸器合併症のリスク増大
・気道過敏性が最大6週間続く
→6週間の延期を考慮
問題3:絶飲食期間と術前内服についての問題
・不安の軽減や不都合な生理反応の抑制を目的として使用される。
・内服 ・・・ 60~120分前
・筋注 ・・・ 30~60分前
・内服時の水は150ccまで
・誤嚥性肺炎予防のため
→明らかなエビデンスはない
・絶飲時間・胃内容量・胃酸度と誤嚥リスクの間に明確な関係はない
・ASAのガイドラインでは
・透明な液体→2時間以上
・母乳→4時間以上
・固形物・牛乳→6時間以上
・高脂肪食・肉類→8時間以上
・問題4:止血異常についての問題
・止血機構の破綻によって起こる易出血性変化。
・臨床症状から出血傾向の病態が推測可能なことが多い。
・(A)表在性の点状出血、粘膜の出血・・・血小板や毛細血管の障害
・(B)関節内・筋肉内などの深部出血・・・凝固系の障害
問題5:術前禁煙についての問題
・COHbの増加、線毛機能低下、喀痰の増加、ニコチンによる心血管系刺激
・2日間の禁煙で、・COHbレベル・線毛機能・ニコチンの影響は改善する。
・肺合併症を減らすには、4-8週間必要。