2012年4月8日日曜日

体外循環と凝固系

麻酔科勉強会  担当:A先生

「体外循環と凝固系」

・CPB(Cardiopulmonary bypass)はcontrolled shockである。
  →生体侵襲
    ・血液希釈、低体温、非拍動流、肺循環の停止、装置との接触・・・
  →生体反応
    ・SIRS、凝固機能障害、易感染性など。
・正常止血機能
  ・Platelets→Coaglation→Endothelium→Fibrinolysis
・CPBと止血機能活性化
  ・Contact activation→内因性凝固活性化
    ・XII因子活性化→プレカリクレインからカリクレインへ。
    ・カリクレインによりHMWK分解、ブラジキニン産生。
           →ブラジキニン濃度10倍に。肺血流低下。
    ・カリクレインはXIIを活性化。
・線溶系の亢進
  ・ブラジキニンの分解抑制
     →tPA産生増強
     →プラスミノーゲンからプラスミンに。
     →フィブリン分解。
・術後は線溶系の活性化抑制も起こる。(PAI-Iが増大するため)
     →個人差があり30%の人では起こらない。
・CPBと炎症
  ・CPBにより白血球は活性化。
    →組織因子(TF)上昇、トロンビン活性化。
     →トロンボモジュリン(TM)を介してProtein C活性化。
    →V因子、VIII因子の不活化。
・抗凝固因子あれこれ
  ・ATⅢ:Xa、IXa、プラスミン、カリクレインの不活性化に関わる。
  ・TM:Tb直接阻害(Tb-TM複合体はProtein Cを活性化)。
  ・Protein C、Protein S。
・血小板
  ・回路との接触によりフィブリノゲン上昇、Plt接着凝集。
  ・プラスミン増大でPlt部分活性化、α顆粒放出。
  ・血液希釈、脾臓からの萌出低下により血小板数減少。
・出血予防のために?
  ・「STOP BLEEDING」(それぞれ頭文字)
    →体温、術前補正、・・・
・オクスリは?
  ・トラネキサム酸
    →半減期は80分、腎排泄、血栓の合併症。
    →最近ではseizureが話題に。
    →おそらくはGABA受容体に直接影響している?
  ・ノボセブン(rFVIIa)
    →TFと複合体形成、活性化血小板上でXa産生。
      →Tb burstを引き起こす。
    →半減期は2時間。
    →出血に対するoff label使用では30ug/kg。
    →re-do手術の出血で有効だったとの報告。
    →血栓合併症は不明。。。
    →外傷での輸血量減少も死亡率は変わらず。
  ・DDAVP。
    →VIIa、XII上昇、組織からのwWV因子放出。
  ・PEEPによる止血。
    →5-10分でタンポ効果が得られるらしい。
    →止血効果はない?おまじない?