麻酔の問題集 担当:K先生
「創部感染・感染症」
問題1:創部感染の原因菌についての問題
・空気感染する菌について
→覚え方:結局俺ら空気吸います。
→結核、レジオネラ、水痘、麻疹
・ICUの空調配管に真菌が。
・芽胞菌
・炭疽菌、破傷風菌、ボツリヌス菌、ウェルシュ菌
・Principles of Infection
→Patient、Organs、Microorganism
・Patient・・・最適なbioavailabilityを考える。
・Organs・・・組織移行性を考える。
・Microorganism・・・起炎菌に感受性があるか。
・発熱、CRP上昇
→悪性腫瘍、膠原病、薬剤アレルギーなどがあり得る。
問題2:予防的抗生剤投与に関する問題1
・SSI(Surgical Site Infection)について
・予防的抗菌剤投与
→データが足りず議論は多い。
問題3:予防的抗生剤投与に関する問題2
・確実な血中濃度を保つために
→皮膚切開の前後30分から1時間前に投与する。
・VCMなど投与に1時間以上必要なものは?
→皮膚切開前に投与完了していなくても容認される。
・整形外科手術でターニケットを巻く場合は?
→ターニケットを巻く前に投与を完了させなければならない。
・PK/PD理論など。
・薬力学と薬物動態学
・Cmax/MICタイプ
→濃度依存的に殺菌作用を発揮
→Cmaxは調節できる。
→MICは菌によって固定なので調節不可
→PAEとか副作用調節とか
→Cmax/MICタイプの抗生剤達
→アミノグリコシド系、アムホテリシンB、ニリューキノロン系etc
・AUC/MICタイプ
→濃度依存的に殺菌作用を発揮
→抗菌薬の血中濃度-時間曲線下面積(AUC) を大きくする。
→AUCは調節できる。
→MICは菌によって固定なので調節不可
→PAEとか副作用調節とか
→AUC/MICタイプの抗生剤達
→(バンコマイシン)、ボリコナゾール、ニューキノロン系、etc…
・time above the MICタイプ
→時間依存性に抗菌作用を発揮
→MIC以上の血中濃度を保てば抗菌作用を持つ。
→比較的低容量を頻回に。
→time above the MICタイプの抗生剤達
→ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系、
クリンダマイシン、(バンコマイシン)、、etc…
・熱病-Sanford guide-について
・帝王切開時のCEZ
→皮膚切開前?臍帯クランプ後?
ICU主催:研修医Drに向けた循環勉強会
2012年4月25日水曜日
第13因子製剤・フィブロガミンP
ICU勉強会 担当:A先生
「第13因子製剤・フィブロガミンP」
・最近ICUでフィブロガミンを使用したので調べてみました。
・第13因子(FXIII)
・トロンビンによりFXIIIからFXIIIaに。
→フィブリンモノマーからフィブリンポリマーへ。
・線維芽細胞増殖
→コラーゲン形成へ。
・適応
①先天性血液凝固第ⅩⅢ因子欠乏による出血傾向
②血液凝固第ⅩⅢ因子低下に伴う縫合不全及び瘻孔
③Schönlein-Henoch紫斑病の腹部症状・関節症状の改善
・使用法など。
・組織接着剤にもFXIIIが。
・ボルヒール:フィブリノゲン+FXIII+トロンビン
・ちなみにタココンブにはFXIIIが入っていない。
・論文読みました(Anesthesiology 2009 110)。
・randomized,double-blind
・Fibrin monomer >3μg/L 22名
・開腹手術(担癌患者)
・手術開始15分後FⅩⅢ 30単位/kg投与
・結果
→血餅強度 8%↓(FⅩⅢ) vs 38%↓
→Fibrinogen 28%↓(placebo群で)
→出血量 29%↓(FⅩⅢ群で)
「第13因子製剤・フィブロガミンP」
・最近ICUでフィブロガミンを使用したので調べてみました。
・第13因子(FXIII)
・トロンビンによりFXIIIからFXIIIaに。
→フィブリンモノマーからフィブリンポリマーへ。
・線維芽細胞増殖
→コラーゲン形成へ。
・適応
①先天性血液凝固第ⅩⅢ因子欠乏による出血傾向
②血液凝固第ⅩⅢ因子低下に伴う縫合不全及び瘻孔
③Schönlein-Henoch紫斑病の腹部症状・関節症状の改善
・使用法など。
・組織接着剤にもFXIIIが。
・ボルヒール:フィブリノゲン+FXIII+トロンビン
・ちなみにタココンブにはFXIIIが入っていない。
・論文読みました(Anesthesiology 2009 110)。
・randomized,double-blind
・Fibrin monomer >3μg/L 22名
・開腹手術(担癌患者)
・手術開始15分後FⅩⅢ 30単位/kg投与
・結果
→血餅強度 8%↓(FⅩⅢ) vs 38%↓
→Fibrinogen 28%↓(placebo群で)
→出血量 29%↓(FⅩⅢ群で)
2012年4月20日金曜日
ICUと腸
麻酔科勉強会 担当:Y先生
「ICUと腸」
・最近の栄養に関するトピック
・早期経腸栄養
→When the gut works use it!
・Overfeedingの回避
→内因性エネルギーとか、Autophagyとか
・経腸栄養法の利点(静脈栄養と比較して)
・腸管粘膜の維持(腸管粘膜の萎縮の予防)
・免疫能の維持、bacterial translocationの回避
・代謝反応の亢進の抑制(侵襲からの早期回復)
・胆汁うっ滞の回避
・消化管の生理機能の維持(腸蠕動運動、消化管ホルモン分泌)
・カテーテル敗血症、気胸などのTPN時の合併症がない
・長期管理が容易である
・廉価である
・絶食期間が続くと…
→腸管粘膜の廃用萎縮。
→小腸微絨毛の短縮
→粘膜萎縮
・早期経腸栄養による腸管内栄養で腸管粘膜の萎縮は防止される。
・ASPEN/SCCMの急性期栄養ガイドライン2009
・経腸栄養法は経静脈栄養法よりも好ましい。
・経腸栄養法は入院後24-48時間以内の早期に開始。
・血行動態が不安定な状態では安定化するまで経腸栄養中止。
・ICU患者における経腸栄養の開始
→腸蠕動音や腸内ガス・便の通過の有無の確認は不必要。
・誤嚥の危険性が高い、胃残が多い
→経小腸栄養。
・経胃vs経小腸
→死亡率は差を認めず。
→経小腸栄養で肺炎発生率低下を報告した文献あり。
→メタ分析では有意差なし。
→胃内投与群でICU在室日数短縮の報告あり。
・誤嚥の危険性を減らすために・・・
・ベッドの頭側を30-45度挙上する(Grade C)。
・誤嚥の危険大、経胃栄養不可能なら持続輸液に(Grade D)。
・腸管運動促進薬、麻薬拮抗薬の使用(Grade C)。
・幽門より肛門側にチューブ留置して注入量再評価(Grade C)。
・誤嚥リスクの評価
・腹部所見(腹痛、膨満感)
・胃残の量・性状
・画像検査
・原疾患
・手術要因
・第六感
・腸管虚血について
・上腸間膜動脈塞栓症:50%
・上腸間膜動脈血栓症:15~25%
・非閉塞性腸管虚血(NOMI):20~30%
・経腸栄養induced腸管虚血のメカニズム
・基本的にはmultifactorialだが…
・経腸栄養剤の高浸透圧による腸管傷害
・腸内細菌の異常活性化
・腸管虚血再灌流傷害
・腸管虚血のサイン
・臨床所見
急性腹痛、腹部膨満、胃内容・胃残の増加、イレウス
排便・排ガスの停止、乏尿、shock
・検査所見
Lac上昇、代謝性acidosis、WBC上昇、胃内PCO2増加
・画像所見
腸管拡大・腫大、小腸壁の嚢状気腫、門脈ガス、腹腔内ガス
・術後イレウス
・腹部手術以外での発生頻度は5%以下
・臨床的関連因子
→不動、虚血再灌流障害、薬物(オピオイド等)、
severe sepsis、multiple organ dysfunction、
絶食により腸管が刺激されていない、など。
・病理学的関連因子
→神経反射の抑制、炎症反応の活性化、
オピオイド受容体の活性化、腸に対する外科的刺激、
麻酔要因、神経・筋・ホルモン的な要因いろいろ
・術後消化管機能
→胃24-48時間、小腸6-24時間、大腸72時間で回復。
・胃蠕動促進薬
・メトクロプラミド
・D2受容体拮抗薬
・消化管D2神経による平滑筋収縮抑制解除により蠕動亢進。
・錐体外路症状に注意(遅発性ジスキネジアなど)。
・エリスロマイシン
・マクロライド系抗菌薬
・モチリン受容体に作用し、消化管蠕動運動を亢進させる。
・QT延長、薬物相互作用に注意。
・六君子湯
・腸管運動促進のために
・ナロキソン
・ネオスチグミン
・ジノプロスト(PGF2α)
・大建中湯
・末梢性オピオイド受容体拮抗薬
・胸部硬膜外麻酔
・・・
・ジメチコン(dimethylpolysiloxane)
→胃腸管内のガス気泡の表面張力を低下
→遊離気体に合体
→胃腸管内ガスをオクビや放屁として排泄されやすくする。
→血流中にも吸収されやすくする。
→Pubmedで「dimethylpolysiloxane ileus」で検索するも該当なし。。。
・急性巨大結腸症
・巨大結腸の定義
・盲腸で12cm、上行結腸では8cm、直腸S状結腸で6.5cm以上
・急性大腸偽性腸閉塞症(Ogilvie症候群)
・機械的閉塞機転なく大腸が急速に拡大。
・全身疾患、特に術後に発生することが多い。
・急速な腹部膨満、腹痛を呈する。
・排ガスは停止しないことが多い。
・重篤な合併症は盲腸・右側結腸の穿孔。
・治療はネオスチグミン投与。
・内視鏡的減圧も有効。
・予後は原疾患の程度に依存。
・Ogilvie synd.の慢性版がCIPO。
・中毒性巨大結腸症
・炎症性腸疾患、感染性腸炎の致死的合併症。
・Clostridium difficileによる発生も報告あり。
・原因は炎症の腸管筋層波及に伴う腸管平滑筋弛緩。
・大腸の非閉塞性6cm以上の拡張と全身症状を伴うもの。
・全身症状として、発熱、脱水、精神症状など。
・内視鏡的減圧は禁忌(穿孔リスク)。
・外科的介入が必要となる。
「ICUと腸」
・最近の栄養に関するトピック
・早期経腸栄養
→When the gut works use it!
・Overfeedingの回避
→内因性エネルギーとか、Autophagyとか
・経腸栄養法の利点(静脈栄養と比較して)
・腸管粘膜の維持(腸管粘膜の萎縮の予防)
・免疫能の維持、bacterial translocationの回避
・代謝反応の亢進の抑制(侵襲からの早期回復)
・胆汁うっ滞の回避
・消化管の生理機能の維持(腸蠕動運動、消化管ホルモン分泌)
・カテーテル敗血症、気胸などのTPN時の合併症がない
・長期管理が容易である
・廉価である
・絶食期間が続くと…
→腸管粘膜の廃用萎縮。
→小腸微絨毛の短縮
→粘膜萎縮
・早期経腸栄養による腸管内栄養で腸管粘膜の萎縮は防止される。
・ASPEN/SCCMの急性期栄養ガイドライン2009
・経腸栄養法は経静脈栄養法よりも好ましい。
・経腸栄養法は入院後24-48時間以内の早期に開始。
・血行動態が不安定な状態では安定化するまで経腸栄養中止。
・ICU患者における経腸栄養の開始
→腸蠕動音や腸内ガス・便の通過の有無の確認は不必要。
・誤嚥の危険性が高い、胃残が多い
→経小腸栄養。
・経胃vs経小腸
→死亡率は差を認めず。
→経小腸栄養で肺炎発生率低下を報告した文献あり。
→メタ分析では有意差なし。
→胃内投与群でICU在室日数短縮の報告あり。
・誤嚥の危険性を減らすために・・・
・ベッドの頭側を30-45度挙上する(Grade C)。
・誤嚥の危険大、経胃栄養不可能なら持続輸液に(Grade D)。
・腸管運動促進薬、麻薬拮抗薬の使用(Grade C)。
・幽門より肛門側にチューブ留置して注入量再評価(Grade C)。
・誤嚥リスクの評価
・腹部所見(腹痛、膨満感)
・胃残の量・性状
・画像検査
・原疾患
・手術要因
・第六感
・腸管虚血について
・上腸間膜動脈塞栓症:50%
・上腸間膜動脈血栓症:15~25%
・非閉塞性腸管虚血(NOMI):20~30%
・経腸栄養induced腸管虚血のメカニズム
・基本的にはmultifactorialだが…
・経腸栄養剤の高浸透圧による腸管傷害
・腸内細菌の異常活性化
・腸管虚血再灌流傷害
・腸管虚血のサイン
・臨床所見
急性腹痛、腹部膨満、胃内容・胃残の増加、イレウス
排便・排ガスの停止、乏尿、shock
・検査所見
Lac上昇、代謝性acidosis、WBC上昇、胃内PCO2増加
・画像所見
腸管拡大・腫大、小腸壁の嚢状気腫、門脈ガス、腹腔内ガス
・術後イレウス
・腹部手術以外での発生頻度は5%以下
・臨床的関連因子
→不動、虚血再灌流障害、薬物(オピオイド等)、
severe sepsis、multiple organ dysfunction、
絶食により腸管が刺激されていない、など。
・病理学的関連因子
→神経反射の抑制、炎症反応の活性化、
オピオイド受容体の活性化、腸に対する外科的刺激、
麻酔要因、神経・筋・ホルモン的な要因いろいろ
・術後消化管機能
→胃24-48時間、小腸6-24時間、大腸72時間で回復。
・胃蠕動促進薬
・メトクロプラミド
・D2受容体拮抗薬
・消化管D2神経による平滑筋収縮抑制解除により蠕動亢進。
・錐体外路症状に注意(遅発性ジスキネジアなど)。
・エリスロマイシン
・マクロライド系抗菌薬
・モチリン受容体に作用し、消化管蠕動運動を亢進させる。
・QT延長、薬物相互作用に注意。
・六君子湯
・腸管運動促進のために
・ナロキソン
・ネオスチグミン
・ジノプロスト(PGF2α)
・大建中湯
・末梢性オピオイド受容体拮抗薬
・胸部硬膜外麻酔
・・・
・ジメチコン(dimethylpolysiloxane)
→胃腸管内のガス気泡の表面張力を低下
→遊離気体に合体
→胃腸管内ガスをオクビや放屁として排泄されやすくする。
→血流中にも吸収されやすくする。
→Pubmedで「dimethylpolysiloxane ileus」で検索するも該当なし。。。
・急性巨大結腸症
・巨大結腸の定義
・盲腸で12cm、上行結腸では8cm、直腸S状結腸で6.5cm以上
・急性大腸偽性腸閉塞症(Ogilvie症候群)
・機械的閉塞機転なく大腸が急速に拡大。
・全身疾患、特に術後に発生することが多い。
・急速な腹部膨満、腹痛を呈する。
・排ガスは停止しないことが多い。
・重篤な合併症は盲腸・右側結腸の穿孔。
・治療はネオスチグミン投与。
・内視鏡的減圧も有効。
・予後は原疾患の程度に依存。
・Ogilvie synd.の慢性版がCIPO。
・中毒性巨大結腸症
・炎症性腸疾患、感染性腸炎の致死的合併症。
・Clostridium difficileによる発生も報告あり。
・原因は炎症の腸管筋層波及に伴う腸管平滑筋弛緩。
・大腸の非閉塞性6cm以上の拡張と全身症状を伴うもの。
・全身症状として、発熱、脱水、精神症状など。
・内視鏡的減圧は禁忌(穿孔リスク)。
・外科的介入が必要となる。
2012年4月19日木曜日
Fluid Management
初期研修医勉強会 担当:N先生
「Fluid Management」
・輸液の基本的な考え方
→人体は約60%の水分と40%の固体成分からできている
・体重の60%の水分
その40%が細胞内液、15%が間質液、5%が血漿
・細胞内液:細胞外液=2:1、間質液:血漿=3:1
・Donnan effect
→理論上細胞外液を点滴すると1/4が血管内に留まることになる。
→実際は1/3程血管内に留まるといわれている。
→アルブミン荷電の影響らしい。
・浸透圧osmolalityと張度tonicity
・浸透圧とはある溶液中に溶解している粒の数
・effective osmolと張度について
・周術期の特性
→サードスペース、血管拡張の影響を考えなければならない。
・サードスペース
→非機能的細胞外液
→細胞外液とは交通があるものの平衡関係にない体液分画
→麻酔や炎症により血管拡張
→相対的な細胞外液量の必要量増大が生じる
・輸液製剤
→基本的に全ての輸液製剤は生理食塩水と自由水(5%糖液)の混合したものと考える。
→それに+α(膠質液、血漿増量製剤など)
・輸液製剤の種類いろいろ
・電解質製剤
・細胞外液
・生理食塩水、乳酸化リンゲル液はともに細胞外に分布
→血管内は約1/3~1/4
・生理食塩水はCl濃度が高い。
→高クロライド性アシドーシスになるおそれがある
・5%糖液
・ブドウ糖が代謝されるため、純粋に水分として細胞内外に等しく分布(自由水)
・血管内には1/12程度
・血漿増量剤
・ヘスパンダー
→ヒドロキシエチルデンプン配合剤注射液
→約2日間血管内にとどまる
→使用量は20ml/㎏/日にとどめる
・副作用
・アナフィラキシー様反応
・凝固異常
・腎機能障害
・消化器症状(悪心嘔吐など)
・アルブミン製剤
・アルブミナー(人血清アルブミン注射液)
・血漿増量剤同様に循環血漿量是正目的に使用される。
・副作用
・Na負荷
・アナフィラキシー様反応
・術中輸液
→理想的な周術期輸液管理とは組織環流を保つことである
→実際には手術要因、年齢・合併症など患者要因、麻酔要因などにより影響。
・輸液戦略
・Fixed volume therapy
・Restrictive fluid therapy
・Goal-directed fluid therapy
・Fixed volume therapy
・通常のパラメータ(血圧、脈拍、尿量など)アルゴリズムにのっとっての輸液管理
・基本的にoverloadよりになる
・Restrictive fluid therapy
・できるだけ輸液を絞った周術期輸液管理
・輸液過多を防ぎ、術後の合併症を減少させる
・イレウス合併の減少、腸管機能の早期回復、入院期間短縮、肺水腫の合併減少。
・ただし術中のhypovolemiaの合併が危惧されている
・Goal directed fluid therapy
・1回拍出量や心拍出量をPACやTEEなどのデバイスによりモニター
→個々の症例に応じた輸液管理をすることにより理想的な輸液管理をはかる
・入院期間の短縮、腸管機能保護、イレウス合併減少、腎保護など。
・論文読んできました。
Perioperative Fluid Management Strategies in Major Surgery: A Stratified Meta-Analysis
Anesth Analg March 2012 114:640-651; published ahead of print January 16, 2012,
「Fluid Management」
・輸液の基本的な考え方
→人体は約60%の水分と40%の固体成分からできている
・体重の60%の水分
その40%が細胞内液、15%が間質液、5%が血漿
・細胞内液:細胞外液=2:1、間質液:血漿=3:1
・Donnan effect
→理論上細胞外液を点滴すると1/4が血管内に留まることになる。
→実際は1/3程血管内に留まるといわれている。
→アルブミン荷電の影響らしい。
・浸透圧osmolalityと張度tonicity
・浸透圧とはある溶液中に溶解している粒の数
・effective osmolと張度について
・周術期の特性
→サードスペース、血管拡張の影響を考えなければならない。
・サードスペース
→非機能的細胞外液
→細胞外液とは交通があるものの平衡関係にない体液分画
→麻酔や炎症により血管拡張
→相対的な細胞外液量の必要量増大が生じる
・輸液製剤
→基本的に全ての輸液製剤は生理食塩水と自由水(5%糖液)の混合したものと考える。
→それに+α(膠質液、血漿増量製剤など)
・輸液製剤の種類いろいろ
・電解質製剤
・細胞外液
・生理食塩水、乳酸化リンゲル液はともに細胞外に分布
→血管内は約1/3~1/4
・生理食塩水はCl濃度が高い。
→高クロライド性アシドーシスになるおそれがある
・5%糖液
・ブドウ糖が代謝されるため、純粋に水分として細胞内外に等しく分布(自由水)
・血管内には1/12程度
・血漿増量剤
・ヘスパンダー
→ヒドロキシエチルデンプン配合剤注射液
→約2日間血管内にとどまる
→使用量は20ml/㎏/日にとどめる
・副作用
・アナフィラキシー様反応
・凝固異常
・腎機能障害
・消化器症状(悪心嘔吐など)
・アルブミン製剤
・アルブミナー(人血清アルブミン注射液)
・血漿増量剤同様に循環血漿量是正目的に使用される。
・副作用
・Na負荷
・アナフィラキシー様反応
・術中輸液
→理想的な周術期輸液管理とは組織環流を保つことである
→実際には手術要因、年齢・合併症など患者要因、麻酔要因などにより影響。
・輸液戦略
・Fixed volume therapy
・Restrictive fluid therapy
・Goal-directed fluid therapy
・Fixed volume therapy
・通常のパラメータ(血圧、脈拍、尿量など)アルゴリズムにのっとっての輸液管理
・基本的にoverloadよりになる
・Restrictive fluid therapy
・できるだけ輸液を絞った周術期輸液管理
・輸液過多を防ぎ、術後の合併症を減少させる
・イレウス合併の減少、腸管機能の早期回復、入院期間短縮、肺水腫の合併減少。
・ただし術中のhypovolemiaの合併が危惧されている
・Goal directed fluid therapy
・1回拍出量や心拍出量をPACやTEEなどのデバイスによりモニター
→個々の症例に応じた輸液管理をすることにより理想的な輸液管理をはかる
・入院期間の短縮、腸管機能保護、イレウス合併減少、腎保護など。
・論文読んできました。
Perioperative Fluid Management Strategies in Major Surgery: A Stratified Meta-Analysis
Anesth Analg March 2012 114:640-651; published ahead of print January 16, 2012,
無痛分娩
麻酔科勉強会 担当:H先生
「無痛分娩」
・分娩経過の復習・・・第一期、第二期、第三期
・分娩の痛み
→痛みの程度・持続時間と部位は、陣痛経過により変化する
→鎮痛もそれに合わせて調整する
・第一期~全開大
・子宮頸部の拡張に伴う内蔵痛
・下腹部から腰背部への関連痛を伴う
・傍子宮頚管部
→下腹神経叢→腰部交感神経鎖→T10〜L1
・第二期
・会陰部・産道の拡張による体性痛
・会陰部の知覚神経
→陰部神経→S2/3/4
・陣痛を和らげることへの反論
・産科医・・・分娩経過が遅れるのでは?
→むしろ促進される可能性
・小児科医・・・胎児への影響は?
→麻酔薬の移行はごくわずか。明らかな臨床的影響なし。
・助産師・・・良好な母子関係が築けない?
→明らかに否定
・日本人の国民性も関与
→痛みに耐えてこそ、より一層、子への愛情が湧くはず
→赤ちゃんだけを頑張らせるなんて…
・無痛分娩いろいろ
・精神予防性無痛分娩
・ラマーズ法
・ソフロロジー法
・水中出産、アロマテラピー
・鍼などの薬物を使用しない和痛分娩
・ガス麻酔、静脈麻酔での分娩
・硬膜外鎮痛/CSEA を用いた分娩
→欧米では一般的な医療行為として普及60〜70%
→日本ではイマイチ浸透せず5%程度
・普及しない理由
→物理的・資源的な制約
→Labor analgesiaへの患者の誤解と国民性
→Labor analgesiaへの医師・助産師の誤解
・無痛分娩の実際
・穿刺:L2/3、3/4から硬膜外に留置
・局所麻酔薬と少量の麻薬で行う
・Single catheter が一般的
・CSEAも考慮しても良い
・十分なモニター下で行う
・Partogram
・VAS score
・Dermatome
・運動麻痺の程度
・胎児心拍数
・子宮収縮計
・触診・内診
・理想的な麻酔薬は?
・確実な鎮痛効果
・運動神経遮断の程度が軽い
・効果持続時間が長い
・母体への副作用が少ない
・児への移行・影響が少ない(UV/M ratio小)
・乳汁移行が少ない
・成育医療センターメニュー
・予定日前日入院、エピ留置
・翌日分娩誘発、鎮痛開始は産婦の要求で
・初期投与
→0.2% Ropivacaine or 0.125% Bupivacaine
→18ml+フェンタニル100μg少量ずつ
・追加投与
→1時間に1回ほど医者が評価して投与
・PCEA、CEIも行われる
・硬膜外麻酔時の注意
・妊婦は血管内・くも膜下腔への迷入のリスクが元々高い
・側臥位で、頻繁に体位交換をするため硬膜外カテの位置が変わりやすい
・高位脊麻・局麻中毒の発現に注意
・胎児一過性所脈の頻度が高い
・挿入後、すぐに硬膜外カテの先端の位置を判断できない
・硬膜外鎮痛が無効の可能性
→胎児ジストレスで緊急CS時に、エピが効いていないとピンチ!
・常に観察、緊急帝王切開の用意を!
・胎児一過性徐脈
・原因は明らかではない
・硬膜外鎮痛(特に、脊髄くも膜下麻酔による急激な鎮痛)
→母体カテコラミン濃度低下
→β2受容体刺激の低下
→子宮収縮増強
・分娩経過に及ぼす影響
・第一期は延長しない
・第二期は延長し、器械分娩率は上昇する可能性が示唆
・怒責のタイミングがとれないため
→介助者の指導が重要
・母体や胎児に悪影響を及ぼさなければ問題ない
・帝王切開率は上昇させない
・胎盤血流上昇
→痛みによる過換気と、その反動による間歇期の低換気
→痛みによる母体血中カテコラミン濃度の上昇で、子宮血流減少
→これを無痛分娩でブロック
→PIHなどでは特に有効
・無痛分娩の今後
・今後増加してくるといわれる無痛分娩
・無痛分娩に携わるには
・産科的基礎知識
・麻酔技術
・スタッフ教育
・妊産婦緊急時の対応
・新生児蘇生・・・に精通しなければならない
「無痛分娩」
・分娩経過の復習・・・第一期、第二期、第三期
・分娩の痛み
→痛みの程度・持続時間と部位は、陣痛経過により変化する
→鎮痛もそれに合わせて調整する
・第一期~全開大
・子宮頸部の拡張に伴う内蔵痛
・下腹部から腰背部への関連痛を伴う
・傍子宮頚管部
→下腹神経叢→腰部交感神経鎖→T10〜L1
・第二期
・会陰部・産道の拡張による体性痛
・会陰部の知覚神経
→陰部神経→S2/3/4
・陣痛を和らげることへの反論
・産科医・・・分娩経過が遅れるのでは?
→むしろ促進される可能性
・小児科医・・・胎児への影響は?
→麻酔薬の移行はごくわずか。明らかな臨床的影響なし。
・助産師・・・良好な母子関係が築けない?
→明らかに否定
・日本人の国民性も関与
→痛みに耐えてこそ、より一層、子への愛情が湧くはず
→赤ちゃんだけを頑張らせるなんて…
・無痛分娩いろいろ
・精神予防性無痛分娩
・ラマーズ法
・ソフロロジー法
・水中出産、アロマテラピー
・鍼などの薬物を使用しない和痛分娩
・ガス麻酔、静脈麻酔での分娩
・硬膜外鎮痛/CSEA を用いた分娩
→欧米では一般的な医療行為として普及60〜70%
→日本ではイマイチ浸透せず5%程度
・普及しない理由
→物理的・資源的な制約
→Labor analgesiaへの患者の誤解と国民性
→Labor analgesiaへの医師・助産師の誤解
・無痛分娩の実際
・穿刺:L2/3、3/4から硬膜外に留置
・局所麻酔薬と少量の麻薬で行う
・Single catheter が一般的
・CSEAも考慮しても良い
・十分なモニター下で行う
・Partogram
・VAS score
・Dermatome
・運動麻痺の程度
・胎児心拍数
・子宮収縮計
・触診・内診
・理想的な麻酔薬は?
・確実な鎮痛効果
・運動神経遮断の程度が軽い
・効果持続時間が長い
・母体への副作用が少ない
・児への移行・影響が少ない(UV/M ratio小)
・乳汁移行が少ない
・成育医療センターメニュー
・予定日前日入院、エピ留置
・翌日分娩誘発、鎮痛開始は産婦の要求で
・初期投与
→0.2% Ropivacaine or 0.125% Bupivacaine
→18ml+フェンタニル100μg少量ずつ
・追加投与
→1時間に1回ほど医者が評価して投与
・PCEA、CEIも行われる
・硬膜外麻酔時の注意
・妊婦は血管内・くも膜下腔への迷入のリスクが元々高い
・側臥位で、頻繁に体位交換をするため硬膜外カテの位置が変わりやすい
・高位脊麻・局麻中毒の発現に注意
・胎児一過性所脈の頻度が高い
・挿入後、すぐに硬膜外カテの先端の位置を判断できない
・硬膜外鎮痛が無効の可能性
→胎児ジストレスで緊急CS時に、エピが効いていないとピンチ!
・常に観察、緊急帝王切開の用意を!
・胎児一過性徐脈
・原因は明らかではない
・硬膜外鎮痛(特に、脊髄くも膜下麻酔による急激な鎮痛)
→母体カテコラミン濃度低下
→β2受容体刺激の低下
→子宮収縮増強
・分娩経過に及ぼす影響
・第一期は延長しない
・第二期は延長し、器械分娩率は上昇する可能性が示唆
・怒責のタイミングがとれないため
→介助者の指導が重要
・母体や胎児に悪影響を及ぼさなければ問題ない
・帝王切開率は上昇させない
・胎盤血流上昇
→痛みによる過換気と、その反動による間歇期の低換気
→痛みによる母体血中カテコラミン濃度の上昇で、子宮血流減少
→これを無痛分娩でブロック
→PIHなどでは特に有効
・無痛分娩の今後
・今後増加してくるといわれる無痛分娩
・無痛分娩に携わるには
・産科的基礎知識
・麻酔技術
・スタッフ教育
・妊産婦緊急時の対応
・新生児蘇生・・・に精通しなければならない
2012年4月15日日曜日
胸腹部大動脈瘤の麻酔
麻酔科勉強会 担当:K先生
「胸腹部大動脈瘤の麻酔」
・胸腹部大動脈瘤(TAAA)の麻酔のイメージ
・とりあえず長い(手術まで、心肺、止血)
・やることが多い(CSFドレナージ、分離換気、側臥位)
・やたら出血する(凝固が狂う、術野が広い、血を吐く)
・心肺を回してもボーっとできない(部分循環の場合)
・合併症が多い(対麻痺、腎障害、死亡率)
・数が少ない(一期一会)
・Crawford classification
・TAAA
・平均すると、毎年0.1cmずつ大きくなる
・瘤のサイズと、破裂・解離・死亡には直接相関がある
・高血圧、男性、70歳以上、喫煙、診断時に5cm以上
→急速拡大の独立因子
・一般的に手術推奨(特に6cm以上)
・待機手術の死亡率は5~25%
・合併症・死亡率は、施設や術者に依存する
・症状
→背部痛、心窩部痛、嗄声、息切れ、咳、喀血)
・心機能
・心臓合併症・死亡率は10~15%以上
・約30%の症例で、術後24時間以内に心機能障害
・呼吸機能
・術後合併症・死亡率の主な要因は呼吸不全
・腎機能
・術前腎機能低下は術後腎不全と死亡率の独立因子
・13~24%は術前腎機能低下(Cr>1.5)
・緊急手術、術前腎機能低下、大動脈遮断時間、高齢
→術後急性腎不全の独立因子(7~40%)
・画像評価
・CT、血管造影、MRA
・50~80%の症例で、Artery of Adamkiewiczが見つかる
・Artery of Adamkiewiczの同定・再建で、対麻痺は50%→5%
・術前・モニタリングについて
・導入前の鎮静(破裂、解離のリスク)
・右橈骨動脈圧ライン(左鎖骨下動脈近位でのクランプ)
・大腿動脈圧ライン(足背動脈、LHB灌流圧)
・中心静脈ライン(“double-stick” technique)
・rapid infusion device(レベル1)
・TEE
・左心バイパス
→Crawford Ⅰ/Ⅱでは有効性が証明
→Ⅲ/Ⅳでは確実な有効性は示されていない
・腎保護
・大動脈遮断遠位側の灌流圧を維持する
・虚血期間に、腎動脈に冷やした灌流液を流す
・冷やした晶質液>等温血
→4℃の晶質液で腎臓を28℃以下に保ったところ、腎保護効果あり
・マンニトールとドパミンは議論中
・尿流出確認のため、インジゴカルミンやフロセミドを用いることもある
・脊髄保護
・対麻痺の発生率は2.7~20%
・死亡率にも関連がある
・脳脊髄液ドレナージ
・平均動脈圧の維持
・左心バイパス
・低体温
・肋間/根動脈の再建
・SEP(somatosensory-evoked potentials)
・MEP(motor-evoked potentials)
・CSF Drainage
・凝固能について
・低分子へパリン:24時間(高用量)/12時間(低用量)休薬
・クロピドグレル(プラビックス):7日休薬
・チクロピジン(パナルジン):10(~14)日休薬
・アブシキシマブ:24~48時間休薬
・エプチフィバチド/チロフィバン:4~8時間休薬
・血小板>10万、INR>1.3、APTT正常
・局所感染部位を避ける
・頭蓋内圧が上昇している場合、ドレーン留置は避ける
・無菌化
・クロルヘキシジン、ドレープ、手洗い、アクセサリーを外す、グローブ、マスク、ガウン
・アウェイクでの挿入を推奨
・入院後、手術の24時間前に、ドレーンを挿入
・外傷性/血性穿刺
・抗凝固と60分以上あける
・24時間の手術延期
・術後脳脊髄血腫のリスクについて考慮
・術中のCSFモニタリング
・血行動態
・低血圧を避ける
・SCPP>60mmHgとなるよう、MAP/MAPdを維持
・CVPを上げすぎない
・ゼロ点は、Phlebostatic Axis
・ドレナージ
・CSFP<10mmHg or SCPP>60mmHgとなるように排液
・10~15ml/h以上は排液しない
・オピオイドのクモ膜下投与は行わない
・術後モニタリング
・低血圧を避ける
・ドレナージ/モニタリング期間は、72時間をめどに
・血性髄液が見られればICHの可能性を考え、画像評価を考慮
・新たな下肢の脱落症状
→虚血か血腫を考える。
→SCPPを上昇させて(MAP↑/CSFP↓)、画像評価を考慮する
・ドレーン抜去の凝固能
・血小板>10万、INR<1.3、APTT正常
・抜去前2~4時間はヘパリン中止
・抜去後1時間はヘパリン中止
・まとめ
・TAAA repairの麻酔は、手技が多いだけではなさそう
・やっぱり対麻痺と腎障害は避けたい
Level1 system 1000。
「胸腹部大動脈瘤の麻酔」
・胸腹部大動脈瘤(TAAA)の麻酔のイメージ
・とりあえず長い(手術まで、心肺、止血)
・やることが多い(CSFドレナージ、分離換気、側臥位)
・やたら出血する(凝固が狂う、術野が広い、血を吐く)
・心肺を回してもボーっとできない(部分循環の場合)
・合併症が多い(対麻痺、腎障害、死亡率)
・数が少ない(一期一会)
・Crawford classification
・TAAA
・平均すると、毎年0.1cmずつ大きくなる
・瘤のサイズと、破裂・解離・死亡には直接相関がある
・高血圧、男性、70歳以上、喫煙、診断時に5cm以上
→急速拡大の独立因子
・一般的に手術推奨(特に6cm以上)
・待機手術の死亡率は5~25%
・合併症・死亡率は、施設や術者に依存する
・症状
→背部痛、心窩部痛、嗄声、息切れ、咳、喀血)
・心機能
・心臓合併症・死亡率は10~15%以上
・約30%の症例で、術後24時間以内に心機能障害
・呼吸機能
・術後合併症・死亡率の主な要因は呼吸不全
・腎機能
・術前腎機能低下は術後腎不全と死亡率の独立因子
・13~24%は術前腎機能低下(Cr>1.5)
・緊急手術、術前腎機能低下、大動脈遮断時間、高齢
→術後急性腎不全の独立因子(7~40%)
・画像評価
・CT、血管造影、MRA
・50~80%の症例で、Artery of Adamkiewiczが見つかる
・Artery of Adamkiewiczの同定・再建で、対麻痺は50%→5%
・術前・モニタリングについて
・導入前の鎮静(破裂、解離のリスク)
・右橈骨動脈圧ライン(左鎖骨下動脈近位でのクランプ)
・大腿動脈圧ライン(足背動脈、LHB灌流圧)
・中心静脈ライン(“double-stick” technique)
・rapid infusion device(レベル1)
・TEE
・左心バイパス
→Crawford Ⅰ/Ⅱでは有効性が証明
→Ⅲ/Ⅳでは確実な有効性は示されていない
・腎保護
・大動脈遮断遠位側の灌流圧を維持する
・虚血期間に、腎動脈に冷やした灌流液を流す
・冷やした晶質液>等温血
→4℃の晶質液で腎臓を28℃以下に保ったところ、腎保護効果あり
・マンニトールとドパミンは議論中
・尿流出確認のため、インジゴカルミンやフロセミドを用いることもある
・脊髄保護
・対麻痺の発生率は2.7~20%
・死亡率にも関連がある
・脳脊髄液ドレナージ
・平均動脈圧の維持
・左心バイパス
・低体温
・肋間/根動脈の再建
・SEP(somatosensory-evoked potentials)
・MEP(motor-evoked potentials)
・CSF Drainage
・凝固能について
・低分子へパリン:24時間(高用量)/12時間(低用量)休薬
・クロピドグレル(プラビックス):7日休薬
・チクロピジン(パナルジン):10(~14)日休薬
・アブシキシマブ:24~48時間休薬
・エプチフィバチド/チロフィバン:4~8時間休薬
・血小板>10万、INR>1.3、APTT正常
・局所感染部位を避ける
・頭蓋内圧が上昇している場合、ドレーン留置は避ける
・無菌化
・クロルヘキシジン、ドレープ、手洗い、アクセサリーを外す、グローブ、マスク、ガウン
・アウェイクでの挿入を推奨
・入院後、手術の24時間前に、ドレーンを挿入
・外傷性/血性穿刺
・抗凝固と60分以上あける
・24時間の手術延期
・術後脳脊髄血腫のリスクについて考慮
・術中のCSFモニタリング
・血行動態
・低血圧を避ける
・SCPP>60mmHgとなるよう、MAP/MAPdを維持
・CVPを上げすぎない
・ゼロ点は、Phlebostatic Axis
・ドレナージ
・CSFP<10mmHg or SCPP>60mmHgとなるように排液
・10~15ml/h以上は排液しない
・オピオイドのクモ膜下投与は行わない
・術後モニタリング
・低血圧を避ける
・ドレナージ/モニタリング期間は、72時間をめどに
・血性髄液が見られればICHの可能性を考え、画像評価を考慮
・新たな下肢の脱落症状
→虚血か血腫を考える。
→SCPPを上昇させて(MAP↑/CSFP↓)、画像評価を考慮する
・ドレーン抜去の凝固能
・血小板>10万、INR<1.3、APTT正常
・抜去前2~4時間はヘパリン中止
・抜去後1時間はヘパリン中止
・まとめ
・TAAA repairの麻酔は、手技が多いだけではなさそう
・やっぱり対麻痺と腎障害は避けたい
Level1 system 1000。
2012年4月12日木曜日
痛み、神経ブロック、ペインクリニック
初期研修医勉強会 担当:M先生
「痛み、神経ブロック、ペインクリニック」
・痛みとは?国際疼痛学会の定義(1981年)
→An unpleasant sensory and emotional experience
associated with actual or potential tissue damage,
or described in terms of such damage
→つまり、患者が「痛い」と言ったら痛みが存在する
・痛みの分類
・Nociceptive pain(侵害受容性)
・侵害刺激や炎症により活性化された発痛物質によるもの
・Neuropathic pain(神経障害性)
・神経損傷またはそれに伴う機能異常によるもの
・Psychogenic pain(心因性)
・Adaptive pain ≒ Acute
・障害から身を守ったり、治癒を促進することに寄与するもの
・Maladaptive pain ≒ Chronic
・神経系の病理的異常に基づく病的なもの
・鎮痛手段
・薬物
→NSAIDs、オピオイド、向精神薬、局所麻酔薬、漢方薬、その他。
・物理的
・心理的
・神経ブロックとは?
→比較的限局した範囲の痛みに対し、痛みの伝達を遮断する方法。
・鎮痛薬は疼痛を減弱するのみ。
→神経ブロックは疼痛を消失させることができる。
・神経ブロックの目的
・痛みと神経との関連の証明
・根本的な治療
・感覚神経ブロックによる除痛効果
・交感神経ブロックによる血行改善・発汗抑制効果
・運動神経ブロックによる筋弛緩効果
・痛みの悪循環を断ち切る
・神経ブロックの歴史
・Guy de Chauliac (1300〜1368)
→神経幹圧迫による麻痺効果を利用して、手術を行っていた。
・Charles Gabriel Pravaz (1791〜1853)
→1852年 注射器の発明
・Theodor von Billroth (1829〜1894)
→1872年 坐骨神経痛を牽引で治療
・実際に動画で見てみよう。
・神経ブロックの部位・・・50種類以上あるらしい。
・神経ブロックの方法
・ランドマーク、神経刺激、X線透視、CTガイド法、エコーガイドなど。
・神経を直接目標として刺入する
・神経の近傍に針を進め浸潤させる
・コンパートメントブロック
→神経を含んだ鞘の中に局所麻酔薬を注入して、目的の神経を遮断する
・エコーガイドの利点
・失敗減る、時間短縮、持続時間延長、穿刺回数減少、血管穿刺減少
→神経障害の発生率については優位差なし
・神経ブロックの方法
→局所麻酔薬、ステロイド、神経破壊薬、熱凝固法、など。
・アルコール(50〜99.5%)
・フェノール
・高濃度局所麻酔薬
・神経ブロックの利点
・全身麻酔と比べて気道合併症がない
・術後せん妄のリスクが低い
・術後の嘔気・嘔吐が少ない
・脊髄硬膜外麻酔と比べて
・低血圧がない
・呼吸抑制がない
・操作後の頭痛が少ない
・出血傾向に左右されにくい
・神経ブロックの弱点
・技術が必要
・時間がかかる
・前もってブロック位置を確認する必要がある
・不十分だった場合、追加の手技や鎮静、全身麻酔への移行が必要となる
・局所麻酔薬の用量が大きいため、けいれんの起こる確率が上昇する
・神経ブロックの合併症
・局所麻酔中毒、特に心毒性、アレルギー、神経障害、骨格筋障害、
血腫、感染、習得、・・・
・何事も経験は大事
・腕神経叢ブロックの場合・・・
→比較的簡単
→しかし(従来法では)成功率80%に達するには55例の経験が必要
・ペインクリニックにおける神経ブロック
・ペインクリニックとは?
→疼痛管理に特化した外来
→様々な手段を用いて鎮痛をはかりQOLを改善させる
→神経ブロックは、痛みを完全に消すことができるためかなり有用
・トリガーポイント注射
・適応
・筋筋膜性の疼痛
・線維筋痛症
・筋固縮があり圧痛・関連痛があるもの
→圧痛のある部分に局所麻酔薬を注入する
・トリガーポイント
・体表面で、圧痛だけでなく関連痛を生じる部位。
・索状に触れることが多い
・東洋医学の経絡に一致することが多い
・手技
・痛む部位で硬結を探す
・消毒し、針を素早く刺す
・吸引して逆血のないことを確認
・筋膜直下に薬液を0.5〜1ml注入する
・抜針はできるだけ緩徐に行う
・エコーを用いてもよい
「痛み、神経ブロック、ペインクリニック」
・痛みとは?国際疼痛学会の定義(1981年)
→An unpleasant sensory and emotional experience
associated with actual or potential tissue damage,
or described in terms of such damage
→つまり、患者が「痛い」と言ったら痛みが存在する
・痛みの分類
・Nociceptive pain(侵害受容性)
・侵害刺激や炎症により活性化された発痛物質によるもの
・Neuropathic pain(神経障害性)
・神経損傷またはそれに伴う機能異常によるもの
・Psychogenic pain(心因性)
・Adaptive pain ≒ Acute
・障害から身を守ったり、治癒を促進することに寄与するもの
・Maladaptive pain ≒ Chronic
・神経系の病理的異常に基づく病的なもの
・鎮痛手段
・薬物
→NSAIDs、オピオイド、向精神薬、局所麻酔薬、漢方薬、その他。
・物理的
・心理的
・神経ブロックとは?
→比較的限局した範囲の痛みに対し、痛みの伝達を遮断する方法。
・鎮痛薬は疼痛を減弱するのみ。
→神経ブロックは疼痛を消失させることができる。
・神経ブロックの目的
・痛みと神経との関連の証明
・根本的な治療
・感覚神経ブロックによる除痛効果
・交感神経ブロックによる血行改善・発汗抑制効果
・運動神経ブロックによる筋弛緩効果
・痛みの悪循環を断ち切る
・神経ブロックの歴史
・Guy de Chauliac (1300〜1368)
→神経幹圧迫による麻痺効果を利用して、手術を行っていた。
・Charles Gabriel Pravaz (1791〜1853)
→1852年 注射器の発明
・Theodor von Billroth (1829〜1894)
→1872年 坐骨神経痛を牽引で治療
・実際に動画で見てみよう。
・神経ブロックの部位・・・50種類以上あるらしい。
・神経ブロックの方法
・ランドマーク、神経刺激、X線透視、CTガイド法、エコーガイドなど。
・神経を直接目標として刺入する
・神経の近傍に針を進め浸潤させる
・コンパートメントブロック
→神経を含んだ鞘の中に局所麻酔薬を注入して、目的の神経を遮断する
・エコーガイドの利点
・失敗減る、時間短縮、持続時間延長、穿刺回数減少、血管穿刺減少
→神経障害の発生率については優位差なし
・神経ブロックの方法
→局所麻酔薬、ステロイド、神経破壊薬、熱凝固法、など。
・アルコール(50〜99.5%)
・フェノール
・高濃度局所麻酔薬
・神経ブロックの利点
・全身麻酔と比べて気道合併症がない
・術後せん妄のリスクが低い
・術後の嘔気・嘔吐が少ない
・脊髄硬膜外麻酔と比べて
・低血圧がない
・呼吸抑制がない
・操作後の頭痛が少ない
・出血傾向に左右されにくい
・神経ブロックの弱点
・技術が必要
・時間がかかる
・前もってブロック位置を確認する必要がある
・不十分だった場合、追加の手技や鎮静、全身麻酔への移行が必要となる
・局所麻酔薬の用量が大きいため、けいれんの起こる確率が上昇する
・神経ブロックの合併症
・局所麻酔中毒、特に心毒性、アレルギー、神経障害、骨格筋障害、
血腫、感染、習得、・・・
・何事も経験は大事
・腕神経叢ブロックの場合・・・
→比較的簡単
→しかし(従来法では)成功率80%に達するには55例の経験が必要
・ペインクリニックにおける神経ブロック
・ペインクリニックとは?
→疼痛管理に特化した外来
→様々な手段を用いて鎮痛をはかりQOLを改善させる
→神経ブロックは、痛みを完全に消すことができるためかなり有用
・トリガーポイント注射
・適応
・筋筋膜性の疼痛
・線維筋痛症
・筋固縮があり圧痛・関連痛があるもの
→圧痛のある部分に局所麻酔薬を注入する
・トリガーポイント
・体表面で、圧痛だけでなく関連痛を生じる部位。
・索状に触れることが多い
・東洋医学の経絡に一致することが多い
・手技
・痛む部位で硬結を探す
・消毒し、針を素早く刺す
・吸引して逆血のないことを確認
・筋膜直下に薬液を0.5〜1ml注入する
・抜針はできるだけ緩徐に行う
・エコーを用いてもよい
2012年4月11日水曜日
術前評価
麻酔の問題集 担当:N先生
「術前評価」
問題1:術後心合併症の予測因子についての問題
・The Revised Cardiac Risk Score
・術後の心イベントを予測する。
・6の因子(1点ずつ)
・ハイリスク手術
・虚血性心疾患の既往
・鬱血性心不全の既往
・脳血管疾患の既往
・インスリン治療を必要とするDMの存在
・血清Cr≧2.0mg/dl
・0点-0.4%、1点-0.9%、2点-6.6%、3点以上-11%
問題2:喘息発作後に気道過敏性がどれくらい持続するかの問題
・予定手術の場合、喘鳴がないことが前提
・直近の発作の時期を確認
・4週以内の大発作、2週以内の小発作→延期を考慮
・上気道感染・・・気道過敏性、分泌物の増加、咳嗽など
→呼吸器合併症のリスク増大
・気道過敏性が最大6週間続く
→6週間の延期を考慮
問題3:絶飲食期間と術前内服についての問題
・不安の軽減や不都合な生理反応の抑制を目的として使用される。
・内服 ・・・ 60~120分前
・筋注 ・・・ 30~60分前
・内服時の水は150ccまで
・誤嚥性肺炎予防のため
→明らかなエビデンスはない
・絶飲時間・胃内容量・胃酸度と誤嚥リスクの間に明確な関係はない
・ASAのガイドラインでは
・透明な液体→2時間以上
・母乳→4時間以上
・固形物・牛乳→6時間以上
・高脂肪食・肉類→8時間以上
・問題4:止血異常についての問題
・止血機構の破綻によって起こる易出血性変化。
・臨床症状から出血傾向の病態が推測可能なことが多い。
・(A)表在性の点状出血、粘膜の出血・・・血小板や毛細血管の障害
・(B)関節内・筋肉内などの深部出血・・・凝固系の障害
問題5:術前禁煙についての問題
・COHbの増加、線毛機能低下、喀痰の増加、ニコチンによる心血管系刺激
・2日間の禁煙で、・COHbレベル・線毛機能・ニコチンの影響は改善する。
・肺合併症を減らすには、4-8週間必要。
「術前評価」
問題1:術後心合併症の予測因子についての問題
・The Revised Cardiac Risk Score
・術後の心イベントを予測する。
・6の因子(1点ずつ)
・ハイリスク手術
・虚血性心疾患の既往
・鬱血性心不全の既往
・脳血管疾患の既往
・インスリン治療を必要とするDMの存在
・血清Cr≧2.0mg/dl
・0点-0.4%、1点-0.9%、2点-6.6%、3点以上-11%
問題2:喘息発作後に気道過敏性がどれくらい持続するかの問題
・予定手術の場合、喘鳴がないことが前提
・直近の発作の時期を確認
・4週以内の大発作、2週以内の小発作→延期を考慮
・上気道感染・・・気道過敏性、分泌物の増加、咳嗽など
→呼吸器合併症のリスク増大
・気道過敏性が最大6週間続く
→6週間の延期を考慮
問題3:絶飲食期間と術前内服についての問題
・不安の軽減や不都合な生理反応の抑制を目的として使用される。
・内服 ・・・ 60~120分前
・筋注 ・・・ 30~60分前
・内服時の水は150ccまで
・誤嚥性肺炎予防のため
→明らかなエビデンスはない
・絶飲時間・胃内容量・胃酸度と誤嚥リスクの間に明確な関係はない
・ASAのガイドラインでは
・透明な液体→2時間以上
・母乳→4時間以上
・固形物・牛乳→6時間以上
・高脂肪食・肉類→8時間以上
・問題4:止血異常についての問題
・止血機構の破綻によって起こる易出血性変化。
・臨床症状から出血傾向の病態が推測可能なことが多い。
・(A)表在性の点状出血、粘膜の出血・・・血小板や毛細血管の障害
・(B)関節内・筋肉内などの深部出血・・・凝固系の障害
問題5:術前禁煙についての問題
・COHbの増加、線毛機能低下、喀痰の増加、ニコチンによる心血管系刺激
・2日間の禁煙で、・COHbレベル・線毛機能・ニコチンの影響は改善する。
・肺合併症を減らすには、4-8週間必要。
2012年4月9日月曜日
2012年4月8日日曜日
体外循環と凝固系
麻酔科勉強会 担当:A先生
「体外循環と凝固系」
・CPB(Cardiopulmonary bypass)はcontrolled shockである。
→生体侵襲
・血液希釈、低体温、非拍動流、肺循環の停止、装置との接触・・・
→生体反応
・SIRS、凝固機能障害、易感染性など。
・正常止血機能
・Platelets→Coaglation→Endothelium→Fibrinolysis
・CPBと止血機能活性化
・Contact activation→内因性凝固活性化
・XII因子活性化→プレカリクレインからカリクレインへ。
・カリクレインによりHMWK分解、ブラジキニン産生。
→ブラジキニン濃度10倍に。肺血流低下。
・カリクレインはXIIを活性化。
・線溶系の亢進
・ブラジキニンの分解抑制
→tPA産生増強
→プラスミノーゲンからプラスミンに。
→フィブリン分解。
・術後は線溶系の活性化抑制も起こる。(PAI-Iが増大するため)
→個人差があり30%の人では起こらない。
・CPBと炎症
・CPBにより白血球は活性化。
→組織因子(TF)上昇、トロンビン活性化。
→トロンボモジュリン(TM)を介してProtein C活性化。
→V因子、VIII因子の不活化。
・抗凝固因子あれこれ
・ATⅢ:Xa、IXa、プラスミン、カリクレインの不活性化に関わる。
・TM:Tb直接阻害(Tb-TM複合体はProtein Cを活性化)。
・Protein C、Protein S。
・血小板
・回路との接触によりフィブリノゲン上昇、Plt接着凝集。
・プラスミン増大でPlt部分活性化、α顆粒放出。
・血液希釈、脾臓からの萌出低下により血小板数減少。
・出血予防のために?
・「STOP BLEEDING」(それぞれ頭文字)
→体温、術前補正、・・・
・オクスリは?
・トラネキサム酸
→半減期は80分、腎排泄、血栓の合併症。
→最近ではseizureが話題に。
→おそらくはGABA受容体に直接影響している?
・ノボセブン(rFVIIa)
→TFと複合体形成、活性化血小板上でXa産生。
→Tb burstを引き起こす。
→半減期は2時間。
→出血に対するoff label使用では30ug/kg。
→re-do手術の出血で有効だったとの報告。
→血栓合併症は不明。。。
→外傷での輸血量減少も死亡率は変わらず。
・DDAVP。
→VIIa、XII上昇、組織からのwWV因子放出。
・PEEPによる止血。
→5-10分でタンポ効果が得られるらしい。
→止血効果はない?おまじない?
「体外循環と凝固系」
・CPB(Cardiopulmonary bypass)はcontrolled shockである。
→生体侵襲
・血液希釈、低体温、非拍動流、肺循環の停止、装置との接触・・・
→生体反応
・SIRS、凝固機能障害、易感染性など。
・正常止血機能
・Platelets→Coaglation→Endothelium→Fibrinolysis
・CPBと止血機能活性化
・Contact activation→内因性凝固活性化
・XII因子活性化→プレカリクレインからカリクレインへ。
・カリクレインによりHMWK分解、ブラジキニン産生。
→ブラジキニン濃度10倍に。肺血流低下。
・カリクレインはXIIを活性化。
・線溶系の亢進
・ブラジキニンの分解抑制
→tPA産生増強
→プラスミノーゲンからプラスミンに。
→フィブリン分解。
・術後は線溶系の活性化抑制も起こる。(PAI-Iが増大するため)
→個人差があり30%の人では起こらない。
・CPBと炎症
・CPBにより白血球は活性化。
→組織因子(TF)上昇、トロンビン活性化。
→トロンボモジュリン(TM)を介してProtein C活性化。
→V因子、VIII因子の不活化。
・抗凝固因子あれこれ
・ATⅢ:Xa、IXa、プラスミン、カリクレインの不活性化に関わる。
・TM:Tb直接阻害(Tb-TM複合体はProtein Cを活性化)。
・Protein C、Protein S。
・血小板
・回路との接触によりフィブリノゲン上昇、Plt接着凝集。
・プラスミン増大でPlt部分活性化、α顆粒放出。
・血液希釈、脾臓からの萌出低下により血小板数減少。
・出血予防のために?
・「STOP BLEEDING」(それぞれ頭文字)
→体温、術前補正、・・・
・オクスリは?
・トラネキサム酸
→半減期は80分、腎排泄、血栓の合併症。
→最近ではseizureが話題に。
→おそらくはGABA受容体に直接影響している?
・ノボセブン(rFVIIa)
→TFと複合体形成、活性化血小板上でXa産生。
→Tb burstを引き起こす。
→半減期は2時間。
→出血に対するoff label使用では30ug/kg。
→re-do手術の出血で有効だったとの報告。
→血栓合併症は不明。。。
→外傷での輸血量減少も死亡率は変わらず。
・DDAVP。
→VIIa、XII上昇、組織からのwWV因子放出。
・PEEPによる止血。
→5-10分でタンポ効果が得られるらしい。
→止血効果はない?おまじない?
2012年4月5日木曜日
肥満と麻酔
麻酔の問題集 担当:Y先生
「肥満と麻酔」
問題1:肥満と麻酔に関する問題
・BMI>30でobese、BMI>35でmobid obesity
・冠動脈疾患、糖尿病など合併症の頻度が3-4倍。
・周術期合併症も多い。
・脂肪量<分布が大事。
・androidタイプ
→男性型。体幹に集中。内蔵脂肪と相関。
→代謝が盛んで高脂血症、耐糖能異常、虚血性心疾患と関係
・gynaecoidタイプ
→女性型。臀部、大腿に集中
・内臓脂肪
→心疾患、脳血管障害
問題2:肥満と消化器についての問題
・循環
→循環血液量の増加、心拍出量の増加、高血圧
・呼吸
→胸郭コンプライアンスの低下、FRCの低下
消化管
→腹腔内圧の上昇、high volume、low pH、胃内容排出の遅延、
食道ヘルニア、胃食道逆流症などの合併
問題3:肥満の人の術前評価
・BMIはDifficult Airwayのindicator。
・肥満と挿管困難→頸部径とThyromental distanceの比が予測因子。
→NC/TM>5.0以上。
「ブレイク」
・i phoneおすすめの医学系アプリについて
・MedCal、Dynamed、Gas guide、Epocrates、Radiopediaなど。
問題4:肥満の人の薬物動態
・肥満と薬理学
・TBW(Total Body Weight):overdoseになる可能性。
・IBW(Ideal Body Weight):subtherapiutic doseになる可能性。
・LBW(Lean Body Weight):除脂肪体重。実際の測定は難しい。
・筋弛緩薬はIBWで。
・プロポフォールのVd=健常人。
問題5:周術期の肥満患者の管理
・スタッキング:耳介と胸骨がまっすぐになるように枕を高くする。
→気道が最も通る体位。
「肥満と麻酔」
問題1:肥満と麻酔に関する問題
・BMI>30でobese、BMI>35でmobid obesity
・冠動脈疾患、糖尿病など合併症の頻度が3-4倍。
・周術期合併症も多い。
・脂肪量<分布が大事。
・androidタイプ
→男性型。体幹に集中。内蔵脂肪と相関。
→代謝が盛んで高脂血症、耐糖能異常、虚血性心疾患と関係
・gynaecoidタイプ
→女性型。臀部、大腿に集中
・内臓脂肪
→心疾患、脳血管障害
問題2:肥満と消化器についての問題
・循環
→循環血液量の増加、心拍出量の増加、高血圧
・呼吸
→胸郭コンプライアンスの低下、FRCの低下
消化管
→腹腔内圧の上昇、high volume、low pH、胃内容排出の遅延、
食道ヘルニア、胃食道逆流症などの合併
問題3:肥満の人の術前評価
・BMIはDifficult Airwayのindicator。
・肥満と挿管困難→頸部径とThyromental distanceの比が予測因子。
→NC/TM>5.0以上。
「ブレイク」
・i phoneおすすめの医学系アプリについて
・MedCal、Dynamed、Gas guide、Epocrates、Radiopediaなど。
問題4:肥満の人の薬物動態
・肥満と薬理学
・TBW(Total Body Weight):overdoseになる可能性。
・IBW(Ideal Body Weight):subtherapiutic doseになる可能性。
・LBW(Lean Body Weight):除脂肪体重。実際の測定は難しい。
・筋弛緩薬はIBWで。
・プロポフォールのVd=健常人。
問題5:周術期の肥満患者の管理
・スタッキング:耳介と胸骨がまっすぐになるように枕を高くする。
→気道が最も通る体位。
2012年4月2日月曜日
ICUヘマトロジー
ICU勉強会 担当:S先生
「ICUカンファレンス」
・ヘルペス脳炎→MRI室で痙攣重積→挿管
・原因不明のCK上昇+体温上昇
→四肢の緊満感なし、CTで虚血所見なし
→ダントロレン投与も効果?
→ウイルス疑い網羅的PCRも陰性
→原因は???
「ICUヘマトロジー」
・RCCについて
・TRICC study:輸血目標はHb 7-9g/dlに。心疾患があっても変わらず。
・TRACC study:心臓手術対象。Ht>24に。
・FFPについて
・ASAガイドラインではINR、aPTT 2倍以上の時
・ヨーロッパのガイドラインでは1.5倍以上の時(外傷)
→ヨーロッパのほうがFFPを入れたがる傾向にあるかも。
・FFPをたくさん入れるとINRは1.0まで戻る?
→1.3までしか戻らない。
・フィブリノゲン、クリオプレシピテート
・ASAガイドラインではFib 80-100の時。(2006年)
・ヨーロッパのガイドラインでは150-200(外傷)。
→全体的にはフィブリノゲン濃度をやや高めにするトレンド。
・PCは省略。。。
・トラネキサム酸
・BART trial。高用量トラネキサム酸の使用。
→ 30mg/kg loading、16mg/kg/h持続。
・メタアナライシス(2007)
→211のRCT、n=20,000。
→total 2g以上の群と、2-10gの群では輸血必要性変わらず。
→トラネキサム酸は合計2gまででいいかも。
・RCC:FFP:PC=1:1:1(アメリカ)
・ノボセブン
→半減期があることに注意。
→値段が高い。
・心臓手術術後の抗凝固療法、抗血小板療法について
・CABG
→6時間後にはアスピリン開始。
→プラビックスは意味なし。ルーチンでの推奨はされていない。
→CASCADE trial。
→アスピリン vs アスピリン+WFでも変わりなし。(post-CABG trial)
→ACCPガイドラインではCABGにWFはいらんと。
・PCIの人
・BMS:アスピリン+プラビックス(1-12ヶ月)
・DES:アスピリン+プラビックス(12ヶ月以上)
・弁手術
・生体弁
→リスク無し:アスピリン
→リスクあり:アスピリン+WF
→A-fib、EF<30%、血栓症の既往、凝固が強い、など。
・機械弁
→アスピリン+WF。INR落ち着くまでUFH。
・M弁とA弁での違いは特に触れられていない。
「ICUカンファレンス」
・ヘルペス脳炎→MRI室で痙攣重積→挿管
・原因不明のCK上昇+体温上昇
→四肢の緊満感なし、CTで虚血所見なし
→ダントロレン投与も効果?
→ウイルス疑い網羅的PCRも陰性
→原因は???
「ICUヘマトロジー」
・RCCについて
・TRICC study:輸血目標はHb 7-9g/dlに。心疾患があっても変わらず。
・TRACC study:心臓手術対象。Ht>24に。
・FFPについて
・ASAガイドラインではINR、aPTT 2倍以上の時
・ヨーロッパのガイドラインでは1.5倍以上の時(外傷)
→ヨーロッパのほうがFFPを入れたがる傾向にあるかも。
・FFPをたくさん入れるとINRは1.0まで戻る?
→1.3までしか戻らない。
・フィブリノゲン、クリオプレシピテート
・ASAガイドラインではFib 80-100の時。(2006年)
・ヨーロッパのガイドラインでは150-200(外傷)。
→全体的にはフィブリノゲン濃度をやや高めにするトレンド。
・PCは省略。。。
・トラネキサム酸
・BART trial。高用量トラネキサム酸の使用。
→ 30mg/kg loading、16mg/kg/h持続。
・メタアナライシス(2007)
→211のRCT、n=20,000。
→total 2g以上の群と、2-10gの群では輸血必要性変わらず。
→トラネキサム酸は合計2gまででいいかも。
・RCC:FFP:PC=1:1:1(アメリカ)
・ノボセブン
→半減期があることに注意。
→値段が高い。
・心臓手術術後の抗凝固療法、抗血小板療法について
・CABG
→6時間後にはアスピリン開始。
→プラビックスは意味なし。ルーチンでの推奨はされていない。
→CASCADE trial。
→アスピリン vs アスピリン+WFでも変わりなし。(post-CABG trial)
→ACCPガイドラインではCABGにWFはいらんと。
・PCIの人
・BMS:アスピリン+プラビックス(1-12ヶ月)
・DES:アスピリン+プラビックス(12ヶ月以上)
・弁手術
・生体弁
→リスク無し:アスピリン
→リスクあり:アスピリン+WF
→A-fib、EF<30%、血栓症の既往、凝固が強い、など。
・機械弁
→アスピリン+WF。INR落ち着くまでUFH。
・M弁とA弁での違いは特に触れられていない。
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