麻酔科勉強会 担当:I先生
「新生児の蘇生」
・娩出直後にチェックする3つ
①正期産か、②呼吸状態、啼泣状態、③筋緊張があるか
・チェック項目で異常を認めた場合は30秒以内に蘇生処置
・羊水を拭く
・気道確保(体位、吸引)
→肩枕をする、口、鼻の順に吸引
→ただし喉咽頭刺激で迷走神経反射、除脈に注意。
・優しく刺激
→乾いたタオルで拭く、背中ごしごし、足底をはじく、・・・
・再び気道確保。
・SpO2モニターとして、パルスオキシメーターは右手を使う。
→左手はPDAとかあった場合に影響を受ける。
・HR<60でもまずは人工呼吸
・あえぎ呼吸は呼吸なしと判断する。
・人工呼吸について
→バッグマスク換気、40-60回/分
・HR上昇、胸郭の動きを指標とする。
→正期産ならRoom Airで人工呼吸スタート。
・100%酸素だと啼泣開始まで時間がかかる。短期予後に差なし。
・呼吸とHRをチェック。
→自発呼吸あり、HR>100ならOK。
→60<HR<100なら人工呼吸続ける。intubationも検討。
→HR<60、人工呼吸+胸骨圧迫
・90%の仮死児はマスク換気で蘇生可能。
・挿管の適応は?
・胎便の気管内吸引が必要
・マスク換気で胸郭運動が不十分
・長時間の人工呼吸が必要となる
・アドレナリン投与のための静脈ルートが取れない。
・その他特殊な疾患。
・新生児の挿管について
・気道が狭くて短い。
・声門が前上方にある。
・喉頭蓋がでかい。
・舌がでかい。
→基本的に挿管は難しいと考える。
・新生児に挿管するには?
・肩枕を取る。
・直ブレードで喉頭蓋ごと持ち上げる。
・2.0-3.5mmのチューブ。
・体重+6cmの深さに。
・20秒以内に挿管する。
・新生児の薬剤投与ルートは?
→第一選択肢は臍帯静脈。
・メスで臍帯を切って2-4cm静脈留置カテを挿入。
・深く入れすぎると薬剤性肝障害を起こす。
→骨髄針も使える。
・脛骨中枢側。
→挿管チューブから気管内投与
・クスリの投与量が多くなる、信頼度に欠ける、・・・
・メイロンはチューブを腐食させるので投与できない。
・アドレナリンの投与量
・10倍希釈で0.1-0.3ml/kg
・30秒ごとにHR check、3-5分ごとに同量投与。
・換気確立の前にアドレナリンの適応なし。
・循環血液量増量剤は?
→明確な出血の既往、可能性がある時のみ。
・早剥、前置胎盤、臍帯出血、母子間輸血、双胎間輸血など
・新生児の10%は呼吸するために何らかの介助が必要。
・1%は本格的な蘇生を必要とする。
・マスク換気で90%は何とかなる。
まとめ
・帝王切開、母体はもちろん新生児の状態も同時に注目すべし。
・新生児がぐったりしてたらまずはマスク換気!
・新生児蘇生にかかったら母体のモニターをこっちに向ける。