初期研修医勉強会 担当:M先生
「麻酔と歯牙損傷」
・歯牙損傷の疫学
→全身麻酔3000例に1例
→挿管時、マスク換気時
→脱落歯牙が食道壁を損傷し、開胸手術になった例もある。
・歯牙損傷のリスク
→動揺歯、挿管困難、緊急手術、未熟な挿管技術、など。
・歯牙損傷の分類
①脱臼:不全脱臼、完全脱臼
②破折:歯冠破折、歯冠歯根破折、歯根破折
・術前診察のポイント
→動揺の程度、義歯、補填物、孤立歯、欠落歯の有無、など。
→義歯は外して診察診察しましょう。
・動揺度の分類としてMiller分類というのがある。
→0~3度に分類。3度は歯軸方向にも動揺するタイプ。抜歯適応。
・世代別ポイント
・小児は乳歯から永久歯へ生え変わることに注意。
→生え変わりは前から始まり奥へと進む。
→小学校1年で前歯から、6年で第2乳臼歯へ。
→小学校の学年でだいたい推定できる。
・40歳以上は歯周病、義歯に注意。
→歯周病、35~40歳で27%、45~54歳で43%。65歳以上は過半数。
→歯周病のリスク、DMと喫煙。
・動揺歯を自覚しているのか?
・50歳以上になると動揺歯の自覚が増えてくる(20%くらい)。
・70歳を超えると自覚がなくなってくる。(そもそも歯がなくなる?)
・麻酔中、歯を守るための注意点
・挿管のみならず下顎挙上時にも注意。
・義歯装着したままマスク換気をすると圧が逃げて歯を守れるかも。
・マッキントッシュよりもマッコイの方がいいかも。
・経鼻ファイバー挿管は歯にやさしい。
・バッキングに注意。
・体位変換に注意。
・エアウェイ、バイトブロックは臼歯にかませるとよい。
・動揺歯がある場合は3-0絹糸などで隣在歯と固定し落ち込み防止。
・モデリングコンパウンド、カスタムマウスガード、歯守くん、・・・
ブレイク
・徳島県について。うずしおと阿波踊りと大塚製薬。
・トルコの魅力
・歯牙損傷してしまったときはどうするか。
→すぐ取り除く!
→見つからなければXpで確認。
→気管内に落ち込んだらファイバーで取り除く。
→消化管内に落ちたら2~3日で排泄されるまでXpチェック。
・歯根膜の温存がポイント。うまくいけば再接着する。
・再接着の予後因子は歯根膜の温存状態と、脱落から再接着までの時間。
・歯が抜けた、折れた場合はどうすればいい?
→歯根に触れず、生食に漬ける。
→できれば生食よりも牛乳の方がいい。
→さらにできればよく冷えた低脂肪乳がいい。そして歯科へLet's Go!
・乳歯を無理やり接着すると、後継永久歯胚に影響する恐れが。
・抜けそうな人にはマウスピースを実費で作ってもらうという手も。
→ちなみに実費で4000円くらい。
→職人が作る。下手な人が作るとすぐ外れるらしい。