2012年2月9日木曜日

オピオイドいろいろ


初期研修医勉強会 担当:H先生

「オピオイドについて」

・疼痛はストレス、精神的・肉体的ストレス、有害反応に通じる。
  →ストレスホルモンの放出
    ・cortisol、angiotenshin、GH、epinephrine、NAD、vasopressin、・・・
  →異化亢進、代謝亢進、凝固異常、免疫系の変化、血圧上昇、・・・
・オピオイドとは?
  ・オピオイド受容体と親和性を示す物質の総称。
  ・アヘン関連物質。
    →「アヘン」はopiumを中国語的に読んだ読み方。
・ケシの未熟果実に傷をつけると乳液が出てくる。
  →これを乾燥させるとアヘンになる。
  →ちなみに日本ではケシは入手禁止。
・アヘンの歴史
  ・紀元前3400年にメソポタミアでケシ栽培の記録
  ・紀元前1500年にエジプトではアヘンが製造されていた。
  ・ペダニウス・ディオスコリデスがアヘンの採取法、薬効について記す。
  ・西暦1804年、フリードリッヒ・センチュルネルがモルヒネを分離。
・オピオイドの種類
  ・内因性オピオイド・・・βエンドルフィン、エンケファリン
  ・天然オピオイド・・・モルヒネ、コデイン
  ・合成オピオイド・・・フェンタニル、ペンタゾシン、ペチジン
  ・半合成オピオイド・・・ヘロイン、ナロキソン、ブプレノルフィン、トラマドール
・麻薬性鎮痛薬
   →モルヒネ、ペチジン、フェンタニル、コデイン
・拮抗性鎮痛薬
   →ペンタゾシン、ブプレノルフィン、トラマドール
    →天井効果がある。耽溺性が弱い。麻薬拮抗作用。
・オピオイド受容体
    →μ、δ、κ
    →κは不快感、利尿作用と関連。
   →μは鎮痛、腸管運動抑制、呼吸抑制と関連。
       →脊髄後角では神経伝達物質の放出抑制。
       →中脳水道周囲灰白質・延髄網様体では下行性抑制系を賦活化。
・モルヒネ
  ・長時間作用型(4~6時間)
  ・筋注、経口、座薬、硬膜外、くも膜下と、投与経路が多彩。
  ・静注で作用発現まで15分。
  ・肝代謝、親水性
  ・くも膜下投与の場合、遅発性呼吸抑制に注意。
・フェンタニル
  ・力価はモルヒネの100倍。
  ・作用時間は中時間(30-60分)
  ・5分で効果発現。
  ・蓄積効果がある。
・レミフェンタニル
  ・超短時間作用型
  ・非特異的エステラーゼで速やかに分解。
  ・力価はフェンタニルとほぼ同じ。
  ・蓄積性なし。
  ・CSHTは3分。持続静注に適する。
  ・高濃度での使用も可能。
・術後鎮痛はしっかりしましょう。
   →合併症発生率↓、死亡率↓、入院期間↓、患者満足度↑。
・PCAについて
   →鎮痛control良好、患者満足度↑、オピオイド使用量↑、掻痒感↑
   →副作用や在院日数は同じという報告あり。
・コカインについて
  ・コカの木は南米産。
  ・日本への持ち込みは禁止されている。
  ・末梢の感覚神経Naチャネルに作用。
  ・中枢ではモノアミントランスポーターの阻害。覚せい剤的な。
・コカコーラについて
  ・昔はコカの葉を実際に使っていたらしい。
  ・1903年まではコカの成分が入っていた。
  ・レシピは非公開。
・ジャンクフードについて
  ・ファミマの商品、単価当たりのカロリーが高いのは牛肉コロッケ。
  ・「俺のチョコケーキシュー」は471kcalもある。注意。




  PCPSスタンバイで手術開始。