麻酔科勉強会 担当:Y先生
「癒着胎盤の麻酔管理」
・癒着胎盤の定義
→胎盤の絨毛組織が筋層内に侵入し、胎盤剥離が困難なもの。
・1/2000~1/533という報告。
・浸潤層によって3つのタイプに分かれる。
→Placenta
・accreta:絨毛が筋層には侵入していないもの。75-78%
・incerta:絨毛が筋層内に侵入したもの。5%くらい。
・percreta:絨毛が漿膜まで達するもの。少ない。
・癒着胎盤の診断はMRIで。
・どのくらい出血する?
→56例の報告あり。46例では2000、9例で5000、4例で10000出血。
・何を準備すべきか。
→輸血準備、総腸骨動脈バルン、自己血回収装置など。
・自己血回収装置は使っていい?
→羊水塞栓のリスクあり。
→十数例使ってみて羊水塞栓はなかったとの報告も。
・総腸骨動脈バルンは出血量を減らす。
→安全で低侵襲。
→しかし血栓、動脈閉塞のリスクあり。
・ATにするか、子宮温存にするか。。。
・全身麻酔にするか、区域麻酔にするか。
→全身麻酔は術後出血のリスクを増やす。
→吸入麻酔薬の子宮弛緩作用によるものか。
→区域麻酔でやった報告がA&Aの2006;102:585-7に。
・全身麻酔になった場合、レミフェンタニルは使っていい?
→ショットで使ったら、新生児の呼吸抑制を起こしたという報告あり。
→やや過投与だったかも。
・持続レミフェンタニルは?
→母体の血圧は低くなる、HRも低くなる。
→新生児のApgarには有意差なし。