2012年2月16日木曜日
周術期の低体温
初期研修医勉強会 担当:K先生
「周術期の低体温」
・術中低体温:核心温35℃以下の状態
・体温の調節中枢は視床下部前・中部にあり37±0.2℃に調節されている。
・全身麻酔による体温分布の変化
→皮膚の血管収縮による熱の再分布
→震えによらない熱産生
→シバリングによる熱産生
・術中は核心温変化に対する反応閾値が変化する。
→第一相:熱の再分布。導入後30分で0.5-1.5℃低下する。
→第二相:血管収縮閾値温度の下方偏移
→体温調節反応の定常化・・・33-35℃に落ち着く。
・低体温に伴う生理学的変化
→基礎代謝の増加
→シバリング、運動失調、構音障害の出現
→不整脈、心拍数低下、呼吸回数低下
→VF、心拍出量低下、反射抑制
→心停止
・低体温の合併症
→不安感、創部痛の増強、内因性カテコラミン増加、不整脈、
酸素消費量増加、薬物代謝低下、感染の増加、
抜糸時期の遅れ、入院期間の延長、出血増加、免疫能低下、・・・
・シバリングについて
→酸素消費量増加
→主要臓器の虚血に。
→CO2が貯まるため、呼吸状態が悪い人は要注意。
・低体温のいいこと
→代謝率低下、虚血臓器の保護、循環停止期間の延長、・・・
・低体温の予防
→室温を上げる、先に温めてから入室、血管拡張薬の使用など
・加温の方法
→電気毛布、ウォームタッチ、温水浴、赤外線、加温輸液、加温洗浄など
【ブレイク】
・国家試験の勉強で12kg太りました。
・救急部をローテートすると痩せるはずなのに、太りました。
・山崎邦正に似ていると言われます。
・いいダイエット方法があれば教えてください。
・輸血の加温について
・過剰加温により赤血球の破壊をきたす恐れがある。
→溶血、腎機能障害、血圧低下など
・46℃以上に加温すると赤血球が変化する。
・4℃の製剤を未加温のまま12単位投与
→体重60kgの人で体温1℃低下する。
・輸血の加温が必要な状況
・100ml/分の急速輸血
・30分以上にわたり50ml/分の輸血が必要な場合
・CBP復温時
・新生児の交換輸血
・重症寒冷性自己免疫性貧血
・体位は関係ある?
→載石位は体温が低下しやすいらしい
→PEEPをかけると体温低下が減る。
・アミノ酸輸液は?
→正常な人に輸液したら体温が上がった。
→術前アミノ酸輸液で術中体温低下が減った。
→アミノ酸輸液はストレス反応を増強させない?
→急速輸液で静脈炎、悪心嘔吐、電解質異常をきたす。注意。