初期研修医勉強会 担当:Y先生
「術後発熱について」
・大手術後数日は38℃を超す発熱がよくある
・ほとんどの場合は自然に解熱する
→しかし重篤な疾患が隠れていることもある
・発熱の原因
・Infection
・Surgical Site Infection
・Nosocomial Pneumonia・・・
・Non-Infection
・Suture Reaction
・DVT・・・
・術後反応熱のメカニズム
・侵襲により局所の炎症が起こりサイトカインが産生される
・侵襲が大きい程高熱を呈することが多い
・反応熱は術後2,3日で解熱することが多い
・発熱のタイミングにより鑑別
・薬剤熱
・定義:薬剤以外の原因が否定された発熱
・比較的徐脈は10%程度
・Antibiotics
・Anticonvulsant
・Flosemide
・Hydralazine
・Heparin・・・
・術後発熱の対応(IDSAガイドライン)
・術後48時間以内の発熱
→呼吸器症状がないならばCXRは不要(level3
・尿路症状がないならば尿定性、培養は不要。
・48時間以上経過し尿道バルーンが挿入されている時
→尿培養、定性提出(level3
・創部は毎日観察。感染を疑う徴候がなければ培養は不要
・常にDVT、PEの可能性を考慮する。
(特に鎮静下、足が動かせない、悪性腫瘍の患者(level2
・血液培養は取るべき?
→術後48時間は血液培養陽性率が低い。
→医療経済的にも、労働力的にも省略してよい
・Surgical site infection(SSI)
・周術期感染症の38%を占める
・術後48時間以内の発熱はSSIは疑いにくい
・局所所見が最も有効
・創部周囲は1週間程度発赤するが抗菌薬等の治療なしに治癒する
・ほとんどのSSIは5日以内に症状が出ない
・部位による分類
・Superficial
・Deep incisional
・Organ/Space
・予防的抗菌薬投与
・抗菌薬の開始は術前60分以内
・半減期の2倍の時間経過
or大量出血(>1500ml)でrepeat dosing
・Clean-contaminated, Contamitatedで最も効果がある
・バンコマイシンの使用は?
・RoutineのVancomycinの使用はSSIのリスクを上昇
・使う場面
・MRSAが施設にて培養された時
・MRSAが患者より培養された時
・施設入所、透析患者などMRSA感染のリスクが高い時
・手術終了24時間以上の抗菌薬投与はSSIを減少させない
・耐性菌を増加させるかもしれない
・その他の感染防止
・Skin antisepsis
→Chlorhexidine-alcohol>Popidon-iodine
・Hair removal
・ただし前日の剃毛はリスク上昇
・shaving<clipping< use of depilatory creams
・S.aureus decolonization
・S.aureus感染による入院期間の延長、医療費は膨大
・S.aureus感染
→大部分がcross-infectionではなくpatient own flora
・鼻腔内S.aureus保菌
→術後感染・透析患者・肝硬変患者における感染率を上昇
→鼻腔内の除菌で感染率減少??