2014年1月22日水曜日

大人になった先天性心疾患

麻酔科勉強会  担当:M先生

「大人になった先天性心疾患」

・先天性心疾患(CHD)
  ・内科的、外科的治療の進歩で90%が成人期を迎えている
  ・毎年約9000人のCHD患者が成人(ACHD)
  ・30~40年前のACHDはASD、VSD、PDAなどの軽症例がほとんど
  ・最近の10数年でTOFや単心室といった複雑ACHDが増加
・手術既往による分類
  ・手術既往あり
    ・最終修復を受けたもの
      a.単純心疾患
      b.複雑心疾患
    ・姑息術
  ・手術なし
    ・軽症
    ・手術拒否
    ・手術困難
・姑息的手術
  ・Blalock-Taussig手術
  ・PA絞扼術
  ・Glenn手術
・某レビューより
  ・CHDで生存している人数は成人>小児
    →成人期に追加の姑息術や根治術や非心臓手術が必要
  ・ACHDは合併症率や死亡率が高い
    →2013年に初めて報告がでた
  ・ガイドラインはない
    →CHD専門の循環器内科医や麻酔科医のいる
     adult CHD centerに相談する事を勧めている
・代表する病態
  ・左-右シャント
    肺が受ける血流
     ・全身からの非酸素化血液+酸素化されたシャント血
    →全身の血流と体血圧が肺血管床にかかる。
    →非可逆的変化がおこり肺高血圧になる
    →体血圧=肺血圧
    →Eisenmenger syndorome
  ・右-左シャント
    ・SVR低下やPVR増加で増える
    ・SPO2 ↑には吸入酸素濃度上昇は効果は少ない
       →フェニレフリンの方が効果的
    ・効果発現
       →静脈麻酔薬は早い、吸入麻酔薬は遅い
・チアノーゼ心疾患
  ・肺血流減少し酸素化と非酸素化血液の混合でおこる
  ・成人までに成人期までに1から数回の手術を受けている
・長期生存の影響
  ・心臓合併症
   ・肺高血圧
   ・心室性不整脈、伝導障害
   ・残存シャント
   ・弁疾患
   ・高血圧
   ・大動脈瘤
  ・非心臓合併症
   ・非心臓合併症
   ・二次的赤血球増多症
   ・胆石、尿路結石
   ・発達障害
   ・以前の塞栓や脳血管障害による痙攣などの中枢神経系異常
   ・視力障害、聴力障害
   ・閉塞性または拘束性肺疾患
・肺高血圧症
  ・長期開存の大きな欠損孔
     →血流増加と圧負荷による肺血管床の変化
     →早期から起こり徐々に非可逆的に
  ・Eisenmenger化すると周術期死亡率増加
     →非心臓手術は絶対に必要なときのみ
  ・死亡率予測因子
     →失神、症状出現の年齢、上室性不整脈、
      右心房圧上昇、SPO2低下(<85%)、
      腎不全、右心不全、trisomy21
・肺高血圧症と麻酔
  ・肺血管抵抗を上昇させない
  ・肺血管抵抗の急激な上昇
    →右心不全と心拍出量低下
  ・徐脈から心停止
  ・対処
    ・FiO2 1.0での過換気
    ・アシドーシス補正
    ・交感神経刺激をさける
    ・体温補正
    ・胸腔内圧を最低へ
    ・強心薬
    ・NO吸入
  ・Eisenmenger症例
    →鉄欠乏の赤血球増多が血栓の予測因子となる
    ・術前の絶飲食により粘稠度増加
      →脳血管の血栓症の危険性上昇
      →適切な輸液が重要
    ・Ht>65%の時は術前の瀉血も有用
    ・Hb上昇と血漿量低下の状態
      →通常のPT-INRはあてにならない
・心不全
  ・ANP、レニン、アルドステロン、ノルエピネフリン
    →修復後も何年間も高い
  ・心臓の自律神経系の異常による
  ・左心不全→利尿薬、ジゴキシン、ACE阻害薬、βブロッカー
  ・右心不全に対する明確なガイドラインはない
・不整脈
・出血
  ・二次的な血小板数と機能低下(末梢での消費などによる)
  ・凝固系の異常
     →原因不明 VitK依存因子、V因子、
      von Willebland因子の低下によるPT-INR延長
  ・出血時間は、末梢の粘調度増加のため延長しない
  ・細動脈拡張と組織の血管増生による出血

・麻酔方法
  ・伝達麻酔は適応
  ・脊椎麻酔、硬膜麻酔
    →大きな心内シャントがある時、
     末梢血管抵抗がさがると右左シャント増加
  ・全身麻酔
    →換気コントロールが可能
    →high risk患者には適している
・麻酔管理
  ・多岐の専門性が必要
  ・機能低下症例、肺高血圧、うっ血性心不全、
   肺高血圧、チアノーゼ症例
  ・体位変換が必要な手術もリスク
    →Major surgery, 分離換気、腹臥位など
  ・解剖と生理を術前のエコーやカテーテル所見で知っておく
  ・術前エコーは必要

・具体的な麻酔方法など