麻酔科勉強会 担当:W先生
「観血的動脈圧測定」
・血圧測定の歴史
・1733年、馬の動脈にカニュレーション
→血液柱が上下することや約2.5mの高さに上昇することを発見
・動脈圧ラインの仕組み
・圧力センター部がホイットストーンブリッジ回路に接続
・加圧バッグにヘパリンを入れるべきか?
・挿入期間の中央値、必要とした処置、抜去理由、カテーテル機能
ヘパリン添加溶液(1U/ml)と生食はすべてにおいて有意差なし
・血管閉塞率も有意差なし
・4日以内の使用であればヘパ生(2U/mL)と生食の開存性に有意差なし
・導入前の動脈ライン確保
・リドカインテープは穿刺6〜8時間前に貼り付けると良い
・動脈ラインは何Gを使う?
・20Gと18Gの4種類のカニューレを挿入し、
アレンテスト、超音波、動脈造影で評価
→血管充填率と動脈閉塞の発生率は正の相関関係あり。
・体格や年齢が同じでも女より男の方が動脈径は太い
→撓骨動脈カニュレーションが女性で難しい原因
・20G vs 22G
・20G針では血管径が有意に増加(P=0.02)
・背景として穿刺回数に有意差あり(P=0.02)
・動脈ライン採血は?
・最低限、死腔の2倍以上は吸引するべき
・凝固(APTT)検査時は6倍以上吸引するべき
・ABP?NIBP?
・それぞれの誤差要因について
・NIBPは血流・血圧変化の双方を反映する
→臨床的信頼度が高い?
・ABPは圧波を直接観察でき経時的変化を追求できる
→臨床的価値は高い?
・ある研究
・sABP<111mmHgのとき、NIBP>ABP
・sABP>111mmHgのとき、NIBP<ABP
→麻酔科医にとってNIBPは都合が良い?
・ABPのみで管理した方が、 輸血量・昇圧剤・降圧剤の使用が多かった
ただし短期予後は変わらず
・人工心肺後の撓骨動脈圧偽性低下
・偽性低下
→中枢・末梢間に圧較差が生じた状態
→72%の症例で発生したという報告あり。
・末梢血管収縮、末梢血管拡張、循環血液量減少、
血管弾性率の変化、・・・
・人工心肺中の再加温による動脈シャント説
→盗血現象を起こすため