2014年1月18日土曜日

観血的動脈圧測定

麻酔科勉強会  担当:W先生


「観血的動脈圧測定」


・血圧測定の歴史
・1733年、馬の動脈にカニュレーション
   →血液柱が上下することや約2.5mの高さに上昇することを発見
・動脈圧ラインの仕組み
  ・圧力センター部がホイットストーンブリッジ回路に接続
・加圧バッグにヘパリンを入れるべきか?
  ・挿入期間の中央値、必要とした処置、抜去理由、カテーテル機能
   ヘパリン添加溶液(1U/ml)と生食はすべてにおいて有意差なし
  ・血管閉塞率も有意差なし
  ・4日以内の使用であればヘパ生(2U/mL)と生食の開存性に有意差なし
・導入前の動脈ライン確保
  ・リドカインテープは穿刺6〜8時間前に貼り付けると良い
・動脈ラインは何Gを使う?
  ・20Gと18Gの4種類のカニューレを挿入し、
   アレンテスト、超音波、動脈造影で評価
     →血管充填率と動脈閉塞の発生率は正の相関関係あり。
  ・体格や年齢が同じでも女より男の方が動脈径は太い
     →撓骨動脈カニュレーションが女性で難しい原因
  ・20G vs 22G
        ・20G針では血管径が有意に増加(P=0.02)
     ・背景として穿刺回数に有意差あり(P=0.02)
・動脈ライン採血は?
  ・最低限、死腔の2倍以上は吸引するべき
  ・凝固(APTT)検査時は6倍以上吸引するべき
・ABP?NIBP?
  ・それぞれの誤差要因について
  ・NIBPは血流・血圧変化の双方を反映する
    →臨床的信頼度が高い?
  ・ABPは圧波を直接観察でき経時的変化を追求できる
    →臨床的価値は高い?
  ・ある研究
    ・sABP<111mmHgのとき、NIBP>ABP
    ・sABP>111mmHgのとき、NIBP<ABP
      →麻酔科医にとってNIBPは都合が良い?
    ・ABPのみで管理した方が、     輸血量・昇圧剤・降圧剤の使用が多かった
     ただし短期予後は変わらず
・人工心肺後の撓骨動脈圧偽性低下
  ・偽性低下
    →中枢・末梢間に圧較差が生じた状態
    →72%の症例で発生したという報告あり。
      ・末梢血管収縮、末梢血管拡張、循環血液量減少、
       血管弾性率の変化、・・・
      ・人工心肺中の再加温による動脈シャント説
        →盗血現象を起こすため