2013年2月28日木曜日

周術期末梢神経障害

初期研修医勉強会  担当:N先生

「周術期末梢神経障害」

・380,680例の麻酔で、112例の末梢神経障害 (0.03%)
・高血圧、喫煙、糖尿病が有意なリスク
・全身麻酔・硬膜外麻酔での頻度が高かった。
・脳外科・心臓血管外科・一般外科・整形外科で神経障害の頻度高い。
・砕石位では?
  ・991例で15例の下肢末梢神経障害(1.5%; 95% CI, 0.8–2.5%)
  ・閉鎖神経5例
  ・大腿神経4例
  ・坐骨神経3例
  ・腓骨神経3例
  ・14例が知覚異常、4例が灼熱痛、筋力低下は無し
  ・手術終了後4時間以内に症状出現
  ・リスクは2時間以上手術(P=0.0006)
  ・糖尿病と喫煙はリスクは有意なリスクにならず
  ・14例では4ヶ月以内に回復した
・神経伝導速度検査
  ・軸索障害→振幅低下→Waller変性
  ・ミエリン鞘障害→伝導遅延
  ・受傷後も繰り返しの検査が必要
  ・直後の検査のみでは軸索障害を見逃す恐れ
  ・神経障害からの回復の推移を観察
・総腓骨神経について
  ・運動:足関節背屈
  ・感覚:下腿外側〜足背面
  ・体位
    ・切石位での腓骨神経の圧迫により生じる(category B)
    ・腓骨頭部を守ることが肝要
    ・リスク因子は?
      ・ベッド
      ・足台
      ・離被架・腹壁鉤引っ掛ける棒などの金属
      ・弾性ストッキング
      ・フットポンプ
      ・膝関節屈曲
・大腿神経
  ・運動:股関節屈曲、膝関節伸展
  ・感覚:大腿前面
  ・体位
  ・症例報告レベルでは切石位での股関節外転・外旋による牽引
                   (category B3 evidence).
  ・エキスパートオピニオンでは、
    ・仰臥位での股関節伸展
    ・切石位では、股関節屈曲は何度でもリスク