2013年2月2日土曜日

周術期輸血について

麻酔科勉強会 担当:T先生

「周術期輸血について」

・輸血準備
  ・血液型不規則抗体スクリーニング法:T&S
  ・最大手術血液準備量:MS-BOS
  ・手術血液準備量計算法:SBOE
・Type&Screen
  ・待機手術を含めて直ちに輸血が必要でない場合。
  ・患者のABO血液型、不規則抗体の陰性を確認。
  ・輸血が必要となったらオモテ検査でABOを確認。
・MSBOS
  ・確実に輸血が必要となる予定手術
  ・過去の例から準備輸血量/輸血量<1.5となるよう交差して準備。
・SBOE
  ・術前Hb、許容出来るHb、術式別平均出血量。
  ・上記から患者固有の準備料を決定。
・出血患者における輸血・成分輸血療法の適応。
 出血量に応じて・・・
  ①細胞外液を出血量の2-3倍程度
  ②人工膠質液、RCC投与。
  ③等張アルブミン投与。
  ④FFP、PC投与。
・人工膠質液
  ・出血傾向や腎機能障害の報告。
  ・一回の手術では1,000mlまで。
  ・大量出血時はその限りではない。
・アルブミン製剤
  ・循環血液量の50%以上の出血で使用を考慮。
  ・4本1,000mlまでは保険で削られない。
・RCC輸血
  ・組織への酸素供給を維持するために行う。
  ・酸素運搬料の式。
  ・組織への酸素供給は心拍出量とHb濃度で決まる。
・FFP輸血
  ・使用するのは…
   ・凝固異常。
   ・大量出血時。
   ・DIC、肝障害合併時。
   ・低Fib血症。
   ・WFの緊急補正。
  ・生理的な止血効果
    →凝固因子の最小活性は正常の20-30%程度。
  ・凝固因子活性20-30%の上昇
    →FFP 400-600ml程度の投与が必要。
・PC輸血
  ・大量輸血では血小板の希釈性減少&機能低下。
  ・活動性出血では血小板50,000を保つ。
・輸血の合併症
  ・急性溶血性反応
  ・アレルギー反応
  ・非溶血性発熱
  ・急性肺傷害:TRALI
・輸血の際に注意すること
  ・低体温
    →急速輸血では加温ラインを用いる。
  ・代謝性アシドーシス
  ・低Ca血症
  ・アレルギー反応。
    →PC、FFPで多い。
  ・凝固異常
  ・FFPを溶かして放置してしまう。
・輸血基準
  ・Hb 7.0 g/dl程度までは我慢できる。
    →不安定狭心症、心筋梗塞などは除く。
  ・TRICC trial
  ・TRACS study
  ・FOCUS trial
・TRICC trial
  ・ICU入室患者838人
  ・Hb 7-9g/dl目標群 vs Hb 10-12 g/dl目標群
  ・いずれもoutcomeに有意差なし。
・TRACS study
  →心臓手術患者でHct 24の輸血閾値はHct 30と比較して非劣勢。
・FOCUS trial
  →心血管リスクのある患者
  →Hb 10はHb 8と比較して有意な結果をもたらさず。
・AABBガイドライン