麻酔科勉強会 担当:T先生
「周術期輸血について」
・輸血準備
・血液型不規則抗体スクリーニング法:T&S
・最大手術血液準備量:MS-BOS
・手術血液準備量計算法:SBOE
・Type&Screen
・待機手術を含めて直ちに輸血が必要でない場合。
・患者のABO血液型、不規則抗体の陰性を確認。
・輸血が必要となったらオモテ検査でABOを確認。
・MSBOS
・確実に輸血が必要となる予定手術
・過去の例から準備輸血量/輸血量<1.5となるよう交差して準備。
・SBOE
・術前Hb、許容出来るHb、術式別平均出血量。
・上記から患者固有の準備料を決定。
・出血患者における輸血・成分輸血療法の適応。
出血量に応じて・・・
①細胞外液を出血量の2-3倍程度
②人工膠質液、RCC投与。
③等張アルブミン投与。
④FFP、PC投与。
・人工膠質液
・出血傾向や腎機能障害の報告。
・一回の手術では1,000mlまで。
・大量出血時はその限りではない。
・アルブミン製剤
・循環血液量の50%以上の出血で使用を考慮。
・4本1,000mlまでは保険で削られない。
・RCC輸血
・組織への酸素供給を維持するために行う。
・酸素運搬料の式。
・組織への酸素供給は心拍出量とHb濃度で決まる。
・FFP輸血
・使用するのは…
・凝固異常。
・大量出血時。
・DIC、肝障害合併時。
・低Fib血症。
・WFの緊急補正。
・生理的な止血効果
→凝固因子の最小活性は正常の20-30%程度。
・凝固因子活性20-30%の上昇
→FFP 400-600ml程度の投与が必要。
・PC輸血
・大量輸血では血小板の希釈性減少&機能低下。
・活動性出血では血小板50,000を保つ。
・輸血の合併症
・急性溶血性反応
・アレルギー反応
・非溶血性発熱
・急性肺傷害:TRALI
・輸血の際に注意すること
・低体温
→急速輸血では加温ラインを用いる。
・代謝性アシドーシス
・低Ca血症
・アレルギー反応。
→PC、FFPで多い。
・凝固異常
・FFPを溶かして放置してしまう。
・輸血基準
・Hb 7.0 g/dl程度までは我慢できる。
→不安定狭心症、心筋梗塞などは除く。
・TRICC trial
・TRACS study
・FOCUS trial
・TRICC trial
・ICU入室患者838人
・Hb 7-9g/dl目標群 vs Hb 10-12 g/dl目標群
・いずれもoutcomeに有意差なし。
・TRACS study
→心臓手術患者でHct 24の輸血閾値はHct 30と比較して非劣勢。
・FOCUS trial
→心血管リスクのある患者
→Hb 10はHb 8と比較して有意な結果をもたらさず。
・AABBガイドライン