2013年1月31日木曜日

感染性動脈瘤

ICU勉強会  担当:S先生

「感染性動脈瘤」

・1885年にOslerがIEから生じた症例を初報告
・全大動脈瘤の0.5~1.3%
・主な原因
  →かつてはIEからの細菌塞栓が多かった。
  →近年は動脈硬化・医源性動脈損傷が増えている。
・部位
  →胸部32%、腹部26%、腎動脈下42%
・起因菌
  ・GPC(ブドウ球菌・連鎖球菌):50%、
  ・GNR(サルモネラ・大腸菌):35%
  ・死亡率は23.5~37%(瘤破裂やsepsis)
・診断
  ・発熱・痛みなどの自覚症状and/or血液検査での炎症所見
  ・Echo・CTが有用
  ・急速な拡大傾向
  ・血培はIEに準じて複数回採取
・内科的治療と手術時期
  ・感受性のある抗生剤
  ・可能であれば炎症反応が陰転化してからOpe
  ・抗生剤治療にもかかわらず…
    ・瘤の増大傾向が見られる
    ・感染制御不能
       →外科的治療へ。
・外科的治療
  ・人工血管周囲に大網充填
  ・抗生剤浸漬人工血管の優位性は不明
  ・ステントグラフト+抗生剤で治療したとの報告も。
    →しかし救命困難な事が多い
  ・術後抗生剤は最低4~8週間(IEに準じる)

・治療法まとめ
  ・Class Ⅰ 
    感受性のある抗生剤投与 (Level B)
  ・Class Ⅱa
       1.人工血管感染に対する大網充填 (Level B)
       2.同種大動脈の使用 (Level C)
  ・Class Ⅱb
    1.in-situ人工血管置換術 (Level B)
    2.抗生物質浸漬人工血管の使用 (Level C)
  ・Class Ⅲ 
    根治を目的としたステントグラフト治療 (Level C)