麻酔科勉強会 担当:M先生
「心臓血管麻酔専門医試験より」
・試験概要
・80問120分
・知識問題55〜60問
・臨床問題20〜25問
・CBTによる
・試験範囲
→知っておくべき各種ガイドラインやkaplanといった教科書
・印象
・奇をてらった問題ではない。
・細かい所まで正確な知識が必要。
・うろ覚えな所が試験問題をとくキーポイントとなっている。
・こんな問題があった。
・圧容量曲線
→EDV:前負荷、ESP:後負荷、ESPVRの傾き:収縮性など
・刺激伝導系と解剖
・洞結節
→上大静脈と右房の境界領域
・房室結節
→冠状静脈洞付近
・His束
→心室中隔
・左脚、右脚
・心臓手術と刺激伝導路
・三尖弁
・Kochの三角
→冠状脈洞を底辺としてTodaro束、
三尖弁中隔側に囲まれた部位
→房室伝導系の心房部分は全てこの部位を通る
→三尖弁手術時、中隔尖運針時に注意
・大動脈弁
・右冠尖と無冠尖の交連部下にHis束
・Maze手術
・房室中隔欠損症
・抗凝固について
・ヘパリンの作用機序
・血液凝固のモニター
・ACT、ソノクロット、トロンボエラストグラムの利点と欠点
・PT-INRについて
・計算方法
・患者血漿のPT/正常血漿のPT*試薬の国際感度指数
・ACT
・簡便
・セライト、カオリン
・凝固活性添加剤からフィブリン形成までで
血小板や線溶系関与は不明
・ソノクロット
・血液凝固から線溶系まで
・トロンボエラスとグラム
・血液凝固から線溶系まで、特に線溶系
・時間がかかる
・輸血について
・ガイドラインで推奨されている事。
・例:小児の開心術で修正限外濾過(MUF)を行う事は
術後出血に対し有効である
→誤り
・心筋保護液のカリウム濃度は通常60から80mEq/Lである
→誤り
→心停止に必要なカリウムは15から30mEq/L
・送血感から空気混入、さあどうする?
→体循環停止、送血管抜去
→Trendelenburg体位
→人工心肺を補液してみたし送血回路の空気抜き
→サクションから脱血
→冷却しながら脱血回路から順行の5分の1程度で
逆行送血( CVP<25mmHgを維持)
→送血管抜去部位から気泡を排出、サクションで血液を心肺へ
→患者をゆらして気泡排出(特に頭部)
→気泡がなくなったら大動脈に送血管再挿入
→順行性体外循環
→しばらく低体温体外循環を維持し気泡の吸収をまつ
・SSIについて
・CDCのガイドラインで勧告されている事
・SSIの予防として手術患者への必要な
血液製剤の投与は差し控えるべきである。
→誤り
・SSI予防
・感染は治療しておく
・除毛はできる限りしない
・する時はクリッパーで
・血糖コントロール
・禁煙
・手術前夜の入浴、シャワー
・皮膚消毒前に大きな汚れを除く
・皮膚消毒は基準にあった消毒薬
・中心から同心円を描いて外へ、範囲は広く
・術前の入院期間はできるだけ短く
・術前のステロイドの漸減や中止は勧告しない
・ただSSI予防のために、栄養量法は勧告しない
・SSI予防のためにムピロシンを使うことは勧告しない
・SSI予防のために創部腔の酸素化を強化しない
・EOAとPPM
・EOA-effective regurigitant orfice area(有効弁口面積)
・PPM-patient prosthesis mismatch
・EOAI-EOA/BSA
・EOAI > 0.85cm2/m2 推奨されるEOAが確保
・EOAI≦0.85cm2/m2 中等度PPM
・EOAI≦0.65cm2/m2 高度PPM
・手術適応について
・大動脈二尖弁では上行大動脈最大径5cm以上で
上行大動脈拡張術を考える。
→誤り
・上行大動脈最大径が5cm以上(クラスI)
・上行大動脈最大径が4.5cm以上の
二尖弁に伴う大動脈疾患(クラスI)
・ARが上行大動脈近位部の拡大に起因する場合
・上行大動脈最大径が4.0cm以上のマルファン症候群
・LVADの適応
・INTERMACS
・NYHA分類III及びIV、特にIVを細分化したもの
・最も重症で数時間のうちにVADを装着しなければならない
profile1から最も軽症でadvanced NYHAIIIに相当する
profile 7まで
・その他臨床問題
・弓部置換でF-Fバイパス開始後に左手の血圧がでなくなった
・小柄な女性の MVR後ICUで血圧が下がった
・過去にPCIをした人が外科手術を受ける
・アンギオ所見からつなぐべき冠動脈を選択