ICU勉強会 担当:M先生
「プエルトリコ学会参加報告」
・SCCM 42nd Critical Care Congress
・プエルトリコ:Puerto Rico
・米国自治連邦区(common wealth)
・人口:約370万人
・首都:サンファン
・通貨:USドル
・公用語:英語、スペイン語
・時差:日本-13時間
・いくつかのレクチャーなど
・Post-ICU Syndrome(PICS, PICS-F)
・免疫不全とその修飾について
・Telemedicine やってるところの報告
・ラテンアメリカでの集中治療とは?
・限られた予算でリサーチをしていくには
・自施設の発表について
・誰も来なかった。
・Case reportはラウンドもなく、拍子抜け
・褒められると、うれしい
・日本人はいっぱい来ている印象。
→特に救急関係者が多い?
・印象に残ったことなど
・流行と不変のはざまで。
・80-90年代は暗黒時代だった?!
・倫理、経済、公共政策はますます重要。
・観光も悪くない、しかし遠すぎる。
・来年はサンフランシスコ(ちょっと近い)
コンベンションセンター
Old San Juan(世界遺産)
2013年1月31日木曜日
術後呼吸不全とNIV
初期研修医勉強会 担当:H先生
「術後呼吸不全とNIV」
・術後呼吸器合併症
→Postoperative Pulmonary Complications:PPC
・術後呼吸不全(Postoperative Respiratory Failure:PRF)
→術後48時間以上にわたり人工呼吸器管理が必要なもの
→抜管後に再挿管が必要になったもの。
(Arouzullah et al. Ann Surg 2000;232:242-53)
・肺炎、sepsis、心停止の併発リスクが高く、予後不良。
・PRFをいかに予防・治療するかが周術期管理の重要な課題。
・術後呼吸機能低下
・機能的残気量の低下
・無気肺の形成
←横隔膜機能不全:麻酔、手術、術後疼痛の影響
←胸郭コンプライアンスの低下
→換気血流不均衡により低酸素血症を来しやすい
・リスク因子
・患者因子
・年齢 (60歳より高齢ほどriskが上昇)
・ASA-PS分類
・COPD
・OSAS
・喫煙者
・低栄養 (Abl <3.0g/dl)
・手術因子
・胸部手術、腹部大動脈瘤、上腹部手術、
頭頸部手術、長時間(3時間以上)、緊急手術
・PPCの予防
・術前
・禁煙指導
・COPD、喘息のコントロール
・呼吸筋トレーニング
・術中
・硬膜外麻酔による十分な鎮痛
・術中PEEP
・術後
・肺拡張法(深呼吸訓練、理学療法、NIV)
・NIVについて
・非侵襲的換気療法
・陽圧式、陰圧式を含む。
・気管挿管に伴う合併症がない。
・早期導入、早期離脱が可能。
・陰圧式呼吸器
・19世紀~20世紀の中頃までは陰圧式が主流
・1930- 「鉄の肺」
→低い救命率
・現代の鉄の肺
→陽陰圧式体外式人工呼吸器
・BCV RTX (IMI株式会社)
・陽圧式呼吸器
・NPPV: non-invasive positive pressure ventilation
・マスクにより非侵襲的に陽圧を用いて換気
・生理学的効果
・陽圧効果
→肺胞を開存、上気道開大・虚脱を防止
・補助効果
→呼吸仕事量、呼吸出力を減少
・推奨度A
・COPDの急性増悪
・急性心原性肺水腫
・免疫不全患者の呼吸不全
・NPPVの禁忌
・心停止、呼吸停止
・肺以外の重篤な呼吸不全
・顔面手術後、外傷、奇形
・上気道閉塞
・気道確保が困難
・気胸
・非協力的、不穏、意識障害
・誤嚥のリスク大
・痰の排出が困難
・Curative NIV
・術後呼吸不全の治療の有効性の報告
・肺切除後 (Am J Respir Crit Care Med 2001;164:1231-5)
・肺移植後(Intensive Care Med 2001;27:1622-6)
・臓器移植後 (JAMA 2000;283:235-41)
・腹部手術後 (JAMA 2005;293:589-95)
・胸腹部大動脈瘤手術後 (Chest 2005;128:821-8)
→NIVの使用は再挿管率、死亡率を有意に減少させた。
・Priventive NIV
・術後呼吸不全の発症前にNIVを使用
→PPCの予防や抜管後の再挿管回避を目的とする。
・予防的なNIV使用の十分なevidenceはない。
・リスク因子の高い症例(COPDなど)で
低換気が予想される症例に対しNIVの導入を考慮する。
・論文読んできました。
Prophylactic nasal continuous positive airway pressure following cardiac surgery protects from postoperative pulmonary complications: a prospective, randomized, controlled trial in 500 patients.
Chest. 2009 May;135(5):1252-9.PMID:19017864
「術後呼吸不全とNIV」
・術後呼吸器合併症
→Postoperative Pulmonary Complications:PPC
・術後呼吸不全(Postoperative Respiratory Failure:PRF)
→術後48時間以上にわたり人工呼吸器管理が必要なもの
→抜管後に再挿管が必要になったもの。
(Arouzullah et al. Ann Surg 2000;232:242-53)
・肺炎、sepsis、心停止の併発リスクが高く、予後不良。
・PRFをいかに予防・治療するかが周術期管理の重要な課題。
・術後呼吸機能低下
・機能的残気量の低下
・無気肺の形成
←横隔膜機能不全:麻酔、手術、術後疼痛の影響
←胸郭コンプライアンスの低下
→換気血流不均衡により低酸素血症を来しやすい
・リスク因子
・患者因子
・年齢 (60歳より高齢ほどriskが上昇)
・ASA-PS分類
・COPD
・OSAS
・喫煙者
・低栄養 (Abl <3.0g/dl)
・手術因子
・胸部手術、腹部大動脈瘤、上腹部手術、
頭頸部手術、長時間(3時間以上)、緊急手術
・PPCの予防
・術前
・禁煙指導
・COPD、喘息のコントロール
・呼吸筋トレーニング
・術中
・硬膜外麻酔による十分な鎮痛
・術中PEEP
・術後
・肺拡張法(深呼吸訓練、理学療法、NIV)
・NIVについて
・非侵襲的換気療法
・陽圧式、陰圧式を含む。
・気管挿管に伴う合併症がない。
・早期導入、早期離脱が可能。
・陰圧式呼吸器
・19世紀~20世紀の中頃までは陰圧式が主流
・1930- 「鉄の肺」
→低い救命率
・現代の鉄の肺
→陽陰圧式体外式人工呼吸器
・BCV RTX (IMI株式会社)
・陽圧式呼吸器
・NPPV: non-invasive positive pressure ventilation
・マスクにより非侵襲的に陽圧を用いて換気
・生理学的効果
・陽圧効果
→肺胞を開存、上気道開大・虚脱を防止
・補助効果
→呼吸仕事量、呼吸出力を減少
・推奨度A
・COPDの急性増悪
・急性心原性肺水腫
・免疫不全患者の呼吸不全
・NPPVの禁忌
・心停止、呼吸停止
・肺以外の重篤な呼吸不全
・顔面手術後、外傷、奇形
・上気道閉塞
・気道確保が困難
・気胸
・非協力的、不穏、意識障害
・誤嚥のリスク大
・痰の排出が困難
・Curative NIV
・術後呼吸不全の治療の有効性の報告
・肺切除後 (Am J Respir Crit Care Med 2001;164:1231-5)
・肺移植後(Intensive Care Med 2001;27:1622-6)
・臓器移植後 (JAMA 2000;283:235-41)
・腹部手術後 (JAMA 2005;293:589-95)
・胸腹部大動脈瘤手術後 (Chest 2005;128:821-8)
→NIVの使用は再挿管率、死亡率を有意に減少させた。
・Priventive NIV
・術後呼吸不全の発症前にNIVを使用
→PPCの予防や抜管後の再挿管回避を目的とする。
・予防的なNIV使用の十分なevidenceはない。
・リスク因子の高い症例(COPDなど)で
低換気が予想される症例に対しNIVの導入を考慮する。
・論文読んできました。
Prophylactic nasal continuous positive airway pressure following cardiac surgery protects from postoperative pulmonary complications: a prospective, randomized, controlled trial in 500 patients.
Chest. 2009 May;135(5):1252-9.PMID:19017864
感染性動脈瘤
ICU勉強会 担当:S先生
「感染性動脈瘤」
・1885年にOslerがIEから生じた症例を初報告
・全大動脈瘤の0.5~1.3%
・主な原因
→かつてはIEからの細菌塞栓が多かった。
→近年は動脈硬化・医源性動脈損傷が増えている。
・部位
→胸部32%、腹部26%、腎動脈下42%
・起因菌
・GPC(ブドウ球菌・連鎖球菌):50%、
・GNR(サルモネラ・大腸菌):35%
・死亡率は23.5~37%(瘤破裂やsepsis)
・診断
・発熱・痛みなどの自覚症状and/or血液検査での炎症所見
・Echo・CTが有用
・急速な拡大傾向
・血培はIEに準じて複数回採取
・内科的治療と手術時期
・感受性のある抗生剤
・可能であれば炎症反応が陰転化してからOpe
・抗生剤治療にもかかわらず…
・瘤の増大傾向が見られる
・感染制御不能
→外科的治療へ。
・外科的治療
・人工血管周囲に大網充填
・抗生剤浸漬人工血管の優位性は不明
・ステントグラフト+抗生剤で治療したとの報告も。
→しかし救命困難な事が多い
・術後抗生剤は最低4~8週間(IEに準じる)
・治療法まとめ
・Class Ⅰ
感受性のある抗生剤投与 (Level B)
・Class Ⅱa
1.人工血管感染に対する大網充填 (Level B)
2.同種大動脈の使用 (Level C)
・Class Ⅱb
1.in-situ人工血管置換術 (Level B)
2.抗生物質浸漬人工血管の使用 (Level C)
・Class Ⅲ
根治を目的としたステントグラフト治療 (Level C)
「感染性動脈瘤」
・1885年にOslerがIEから生じた症例を初報告
・全大動脈瘤の0.5~1.3%
・主な原因
→かつてはIEからの細菌塞栓が多かった。
→近年は動脈硬化・医源性動脈損傷が増えている。
・部位
→胸部32%、腹部26%、腎動脈下42%
・起因菌
・GPC(ブドウ球菌・連鎖球菌):50%、
・GNR(サルモネラ・大腸菌):35%
・死亡率は23.5~37%(瘤破裂やsepsis)
・診断
・発熱・痛みなどの自覚症状and/or血液検査での炎症所見
・Echo・CTが有用
・急速な拡大傾向
・血培はIEに準じて複数回採取
・内科的治療と手術時期
・感受性のある抗生剤
・可能であれば炎症反応が陰転化してからOpe
・抗生剤治療にもかかわらず…
・瘤の増大傾向が見られる
・感染制御不能
→外科的治療へ。
・外科的治療
・人工血管周囲に大網充填
・抗生剤浸漬人工血管の優位性は不明
・ステントグラフト+抗生剤で治療したとの報告も。
→しかし救命困難な事が多い
・術後抗生剤は最低4~8週間(IEに準じる)
・治療法まとめ
・Class Ⅰ
感受性のある抗生剤投与 (Level B)
・Class Ⅱa
1.人工血管感染に対する大網充填 (Level B)
2.同種大動脈の使用 (Level C)
・Class Ⅱb
1.in-situ人工血管置換術 (Level B)
2.抗生物質浸漬人工血管の使用 (Level C)
・Class Ⅲ
根治を目的としたステントグラフト治療 (Level C)
2013年1月29日火曜日
心臓血管麻酔専門医試験より
麻酔科勉強会 担当:M先生
「心臓血管麻酔専門医試験より」
・試験概要
・80問120分
・知識問題55〜60問
・臨床問題20〜25問
・CBTによる
・試験範囲
→知っておくべき各種ガイドラインやkaplanといった教科書
・印象
・奇をてらった問題ではない。
・細かい所まで正確な知識が必要。
・うろ覚えな所が試験問題をとくキーポイントとなっている。
・こんな問題があった。
・圧容量曲線
→EDV:前負荷、ESP:後負荷、ESPVRの傾き:収縮性など
・刺激伝導系と解剖
・洞結節
→上大静脈と右房の境界領域
・房室結節
→冠状静脈洞付近
・His束
→心室中隔
・左脚、右脚
・心臓手術と刺激伝導路
・三尖弁
・Kochの三角
→冠状脈洞を底辺としてTodaro束、
三尖弁中隔側に囲まれた部位
→房室伝導系の心房部分は全てこの部位を通る
→三尖弁手術時、中隔尖運針時に注意
・大動脈弁
・右冠尖と無冠尖の交連部下にHis束
・Maze手術
・房室中隔欠損症
・抗凝固について
・ヘパリンの作用機序
・血液凝固のモニター
・ACT、ソノクロット、トロンボエラストグラムの利点と欠点
・PT-INRについて
・計算方法
・患者血漿のPT/正常血漿のPT*試薬の国際感度指数
・ACT
・簡便
・セライト、カオリン
・凝固活性添加剤からフィブリン形成までで
血小板や線溶系関与は不明
・ソノクロット
・血液凝固から線溶系まで
・トロンボエラスとグラム
・血液凝固から線溶系まで、特に線溶系
・時間がかかる
・輸血について
・ガイドラインで推奨されている事。
・例:小児の開心術で修正限外濾過(MUF)を行う事は
術後出血に対し有効である
→誤り
・心筋保護液のカリウム濃度は通常60から80mEq/Lである
→誤り
→心停止に必要なカリウムは15から30mEq/L
・送血感から空気混入、さあどうする?
→体循環停止、送血管抜去
→Trendelenburg体位
→人工心肺を補液してみたし送血回路の空気抜き
→サクションから脱血
→冷却しながら脱血回路から順行の5分の1程度で
逆行送血( CVP<25mmHgを維持)
→送血管抜去部位から気泡を排出、サクションで血液を心肺へ
→患者をゆらして気泡排出(特に頭部)
→気泡がなくなったら大動脈に送血管再挿入
→順行性体外循環
→しばらく低体温体外循環を維持し気泡の吸収をまつ
・SSIについて
・CDCのガイドラインで勧告されている事
・SSIの予防として手術患者への必要な
血液製剤の投与は差し控えるべきである。
→誤り
・SSI予防
・感染は治療しておく
・除毛はできる限りしない
・する時はクリッパーで
・血糖コントロール
・禁煙
・手術前夜の入浴、シャワー
・皮膚消毒前に大きな汚れを除く
・皮膚消毒は基準にあった消毒薬
・中心から同心円を描いて外へ、範囲は広く
・術前の入院期間はできるだけ短く
・術前のステロイドの漸減や中止は勧告しない
・ただSSI予防のために、栄養量法は勧告しない
・SSI予防のためにムピロシンを使うことは勧告しない
・SSI予防のために創部腔の酸素化を強化しない
・EOAとPPM
・EOA-effective regurigitant orfice area(有効弁口面積)
・PPM-patient prosthesis mismatch
・EOAI-EOA/BSA
・EOAI > 0.85cm2/m2 推奨されるEOAが確保
・EOAI≦0.85cm2/m2 中等度PPM
・EOAI≦0.65cm2/m2 高度PPM
・手術適応について
・大動脈二尖弁では上行大動脈最大径5cm以上で
上行大動脈拡張術を考える。
→誤り
・上行大動脈最大径が5cm以上(クラスI)
・上行大動脈最大径が4.5cm以上の
二尖弁に伴う大動脈疾患(クラスI)
・ARが上行大動脈近位部の拡大に起因する場合
・上行大動脈最大径が4.0cm以上のマルファン症候群
・LVADの適応
・INTERMACS
・NYHA分類III及びIV、特にIVを細分化したもの
・最も重症で数時間のうちにVADを装着しなければならない
profile1から最も軽症でadvanced NYHAIIIに相当する
profile 7まで
・その他臨床問題
・弓部置換でF-Fバイパス開始後に左手の血圧がでなくなった
・小柄な女性の MVR後ICUで血圧が下がった
・過去にPCIをした人が外科手術を受ける
・アンギオ所見からつなぐべき冠動脈を選択
「心臓血管麻酔専門医試験より」
・試験概要
・80問120分
・知識問題55〜60問
・臨床問題20〜25問
・CBTによる
・試験範囲
→知っておくべき各種ガイドラインやkaplanといった教科書
・印象
・奇をてらった問題ではない。
・細かい所まで正確な知識が必要。
・うろ覚えな所が試験問題をとくキーポイントとなっている。
・こんな問題があった。
・圧容量曲線
→EDV:前負荷、ESP:後負荷、ESPVRの傾き:収縮性など
・刺激伝導系と解剖
・洞結節
→上大静脈と右房の境界領域
・房室結節
→冠状静脈洞付近
・His束
→心室中隔
・左脚、右脚
・心臓手術と刺激伝導路
・三尖弁
・Kochの三角
→冠状脈洞を底辺としてTodaro束、
三尖弁中隔側に囲まれた部位
→房室伝導系の心房部分は全てこの部位を通る
→三尖弁手術時、中隔尖運針時に注意
・大動脈弁
・右冠尖と無冠尖の交連部下にHis束
・Maze手術
・房室中隔欠損症
・抗凝固について
・ヘパリンの作用機序
・血液凝固のモニター
・ACT、ソノクロット、トロンボエラストグラムの利点と欠点
・PT-INRについて
・計算方法
・患者血漿のPT/正常血漿のPT*試薬の国際感度指数
・ACT
・簡便
・セライト、カオリン
・凝固活性添加剤からフィブリン形成までで
血小板や線溶系関与は不明
・ソノクロット
・血液凝固から線溶系まで
・トロンボエラスとグラム
・血液凝固から線溶系まで、特に線溶系
・時間がかかる
・輸血について
・ガイドラインで推奨されている事。
・例:小児の開心術で修正限外濾過(MUF)を行う事は
術後出血に対し有効である
→誤り
・心筋保護液のカリウム濃度は通常60から80mEq/Lである
→誤り
→心停止に必要なカリウムは15から30mEq/L
・送血感から空気混入、さあどうする?
→体循環停止、送血管抜去
→Trendelenburg体位
→人工心肺を補液してみたし送血回路の空気抜き
→サクションから脱血
→冷却しながら脱血回路から順行の5分の1程度で
逆行送血( CVP<25mmHgを維持)
→送血管抜去部位から気泡を排出、サクションで血液を心肺へ
→患者をゆらして気泡排出(特に頭部)
→気泡がなくなったら大動脈に送血管再挿入
→順行性体外循環
→しばらく低体温体外循環を維持し気泡の吸収をまつ
・SSIについて
・CDCのガイドラインで勧告されている事
・SSIの予防として手術患者への必要な
血液製剤の投与は差し控えるべきである。
→誤り
・SSI予防
・感染は治療しておく
・除毛はできる限りしない
・する時はクリッパーで
・血糖コントロール
・禁煙
・手術前夜の入浴、シャワー
・皮膚消毒前に大きな汚れを除く
・皮膚消毒は基準にあった消毒薬
・中心から同心円を描いて外へ、範囲は広く
・術前の入院期間はできるだけ短く
・術前のステロイドの漸減や中止は勧告しない
・ただSSI予防のために、栄養量法は勧告しない
・SSI予防のためにムピロシンを使うことは勧告しない
・SSI予防のために創部腔の酸素化を強化しない
・EOAとPPM
・EOA-effective regurigitant orfice area(有効弁口面積)
・PPM-patient prosthesis mismatch
・EOAI-EOA/BSA
・EOAI > 0.85cm2/m2 推奨されるEOAが確保
・EOAI≦0.85cm2/m2 中等度PPM
・EOAI≦0.65cm2/m2 高度PPM
・手術適応について
・大動脈二尖弁では上行大動脈最大径5cm以上で
上行大動脈拡張術を考える。
→誤り
・上行大動脈最大径が5cm以上(クラスI)
・上行大動脈最大径が4.5cm以上の
二尖弁に伴う大動脈疾患(クラスI)
・ARが上行大動脈近位部の拡大に起因する場合
・上行大動脈最大径が4.0cm以上のマルファン症候群
・LVADの適応
・INTERMACS
・NYHA分類III及びIV、特にIVを細分化したもの
・最も重症で数時間のうちにVADを装着しなければならない
profile1から最も軽症でadvanced NYHAIIIに相当する
profile 7まで
・その他臨床問題
・弓部置換でF-Fバイパス開始後に左手の血圧がでなくなった
・小柄な女性の MVR後ICUで血圧が下がった
・過去にPCIをした人が外科手術を受ける
・アンギオ所見からつなぐべき冠動脈を選択
2013年1月24日木曜日
Journal超ななめ読み
麻酔科勉強会 担当:Y先生
「麻酔・集中治療&関連領域Journal超ななめ読み」
以下の13文献の概要をざっと紹介。
The use of end-tidal carbon dioxide monitoring in patients with hypotension in the emergency department.
救急外来における低血圧患者に対するEtCO2モニタリング
Int J Emerg Med. 2012 Jul 24;5(1):31.
End-tidal carbon dioxide is better than arterial pressure for predicting volume responsiveness by the passive leg raising test.
Fluid Challengeが必要な患者において、下肢挙上によるEtCO2の変化により輸液反応性は予測できる。(血圧変化は有用ではない)
Intensive Care Med. 2013 Jan;39(1):93-100. Epub 2012 Sep 19.
Comparison between respiratory variations in pulse oximetry plethysmographic waveform amplitude and arterial pulse pressure during major abdominal surgery.
開腹術中における、脈圧とSpO2波形強度の呼吸性変動の比較。
Anesthesiology. 2012 Nov;117(5):973-80
Selective antegrade cerebral perfusion and mild (28°C-30°C) systemic hypothermic circulatory arrest for aortic arch replacement: results from 1002 patients.
弓部置換術における選択的順行性脳灌流と軽度低体温の使用。
J Thorac Cardiovasc Surg. 2012 Nov;144(5):1042-49.
Impact of acute kidney injury on one-year survival after surgery for aortic dissection.
大動脈解離術後1年生存に対するAKIの影響
Ann Thorac Surg. 2012 Nov;94(5):1407-12.
Ultrafiltration in decompensated heart failure with cardiorenal syndrome.
心腎症候群を合併した非代償性心不全における限外濾過
N Engl J Med. 2012 Dec 13;367(24):2296-304.
Sternotomy versus nonsternotomy LIMA-LAD grafting for single-vessel disease.
1枝病変のLITA-LADバイパスに対する胸骨正中切開と非胸骨切開の比較
Ann Thorac Surg. 2012 Nov;94(5):1469-77.
Intraoperative cardiac arrests in adults undergoing noncardiac surgery: incidence, risk factors, and survival outcome.
成人非心臓手術における術中心停止
Anesthesiology. 2012 Nov;117(5):1018-26
Dexamethasone to prevent postoperative nausea and vomiting: an updated meta-analysis of randomized controlled trials.
PONV予防のためのデキサメタゾン
Anesth Analg. 2013 Jan;116(1):58-74.
Intraoperative high-dose dexamethasone for cardiac surgery: a randomized controlled trial.
心臓手術における術中高用量デキサメタゾン
JAMA. 2012 Nov 7;308(17):1761-7.
Case records of the Massachusetts General Hospital. Case 38-2012. A 60-year-old man with abdominal pain and aortic aneurysms.
腹痛と大動脈瘤を合併した60歳男性の1例
N Engl J Med. 2012 Dec 13;367(24):2335-46.
Rate or rhythm control for atrial fibrillation: update and controversies.
A-fibに対するレートコントロールとリズムコントロールに関するレビュー。
Am J Med. 2012 Nov;125(11):1049-56Rate
Counterpoint: should an anesthesiologist be the specialist of choice in managing the difficult airway in the ICU? Not necessarily.
Chest. 2012 Dec;142(6):1375-7. PMID:23208330
Point: should an anesthesiologist be the specialist of choice in managing the difficult airway in the ICU? Yes.
Chest. 2012 Dec;142(6):1372-4.PMID: 23208329
ICUの気道確保困難のマネジメントにおいて、麻酔科医はcallされるべきspecialistであるべきか。
まとめ。
・救外のshockではEtCO2低いと予後不良。
・日本の低分子HESは術後AKI発症と関連しない。
・開腹術でSpO2の呼吸性変動と輸液反応性の関連は微妙。
・28-30℃での順行性脳灌流は安全。
・大動脈解離で術後腎不全合併は予後が悪い。
・腎機能悪化した非代償性心不全においては限外濾過をしないほうがいい。
・LITA-LAD1枝バイパスでMIDCABは胸骨正中切開と比較して
合併症、生存率共に変わらない(時間はかかる)。
・術中心停止はやはり出血が多い。
・PONV予防のデキサメタゾンは4-5mgがよさそう。
・心臓手術での高用量デキサメタゾンは術後合併症を減らさない可能性。
・大動脈瘤をきたす疾患の鑑別としてIgG4関連疾患。
・慢性期A-fibではアブレーション含めたリズムコントロールも見直すべき。
・ICUの気道トラブル、麻酔科医は必要・・・だと信じたい。
「麻酔・集中治療&関連領域Journal超ななめ読み」
以下の13文献の概要をざっと紹介。
The use of end-tidal carbon dioxide monitoring in patients with hypotension in the emergency department.
救急外来における低血圧患者に対するEtCO2モニタリング
Int J Emerg Med. 2012 Jul 24;5(1):31.
End-tidal carbon dioxide is better than arterial pressure for predicting volume responsiveness by the passive leg raising test.
Fluid Challengeが必要な患者において、下肢挙上によるEtCO2の変化により輸液反応性は予測できる。(血圧変化は有用ではない)
Intensive Care Med. 2013 Jan;39(1):93-100. Epub 2012 Sep 19.
Comparison between respiratory variations in pulse oximetry plethysmographic waveform amplitude and arterial pulse pressure during major abdominal surgery.
開腹術中における、脈圧とSpO2波形強度の呼吸性変動の比較。
Anesthesiology. 2012 Nov;117(5):973-80
Selective antegrade cerebral perfusion and mild (28°C-30°C) systemic hypothermic circulatory arrest for aortic arch replacement: results from 1002 patients.
弓部置換術における選択的順行性脳灌流と軽度低体温の使用。
J Thorac Cardiovasc Surg. 2012 Nov;144(5):1042-49.
Impact of acute kidney injury on one-year survival after surgery for aortic dissection.
大動脈解離術後1年生存に対するAKIの影響
Ann Thorac Surg. 2012 Nov;94(5):1407-12.
Ultrafiltration in decompensated heart failure with cardiorenal syndrome.
心腎症候群を合併した非代償性心不全における限外濾過
N Engl J Med. 2012 Dec 13;367(24):2296-304.
Sternotomy versus nonsternotomy LIMA-LAD grafting for single-vessel disease.
1枝病変のLITA-LADバイパスに対する胸骨正中切開と非胸骨切開の比較
Ann Thorac Surg. 2012 Nov;94(5):1469-77.
Intraoperative cardiac arrests in adults undergoing noncardiac surgery: incidence, risk factors, and survival outcome.
成人非心臓手術における術中心停止
Anesthesiology. 2012 Nov;117(5):1018-26
Dexamethasone to prevent postoperative nausea and vomiting: an updated meta-analysis of randomized controlled trials.
PONV予防のためのデキサメタゾン
Anesth Analg. 2013 Jan;116(1):58-74.
Intraoperative high-dose dexamethasone for cardiac surgery: a randomized controlled trial.
心臓手術における術中高用量デキサメタゾン
JAMA. 2012 Nov 7;308(17):1761-7.
Case records of the Massachusetts General Hospital. Case 38-2012. A 60-year-old man with abdominal pain and aortic aneurysms.
腹痛と大動脈瘤を合併した60歳男性の1例
N Engl J Med. 2012 Dec 13;367(24):2335-46.
Rate or rhythm control for atrial fibrillation: update and controversies.
A-fibに対するレートコントロールとリズムコントロールに関するレビュー。
Am J Med. 2012 Nov;125(11):1049-56Rate
Counterpoint: should an anesthesiologist be the specialist of choice in managing the difficult airway in the ICU? Not necessarily.
Chest. 2012 Dec;142(6):1375-7. PMID:23208330
Point: should an anesthesiologist be the specialist of choice in managing the difficult airway in the ICU? Yes.
Chest. 2012 Dec;142(6):1372-4.PMID: 23208329
ICUの気道確保困難のマネジメントにおいて、麻酔科医はcallされるべきspecialistであるべきか。
まとめ。
・救外のshockではEtCO2低いと予後不良。
・日本の低分子HESは術後AKI発症と関連しない。
・開腹術でSpO2の呼吸性変動と輸液反応性の関連は微妙。
・28-30℃での順行性脳灌流は安全。
・大動脈解離で術後腎不全合併は予後が悪い。
・腎機能悪化した非代償性心不全においては限外濾過をしないほうがいい。
・LITA-LAD1枝バイパスでMIDCABは胸骨正中切開と比較して
合併症、生存率共に変わらない(時間はかかる)。
・術中心停止はやはり出血が多い。
・PONV予防のデキサメタゾンは4-5mgがよさそう。
・心臓手術での高用量デキサメタゾンは術後合併症を減らさない可能性。
・大動脈瘤をきたす疾患の鑑別としてIgG4関連疾患。
・慢性期A-fibではアブレーション含めたリズムコントロールも見直すべき。
・ICUの気道トラブル、麻酔科医は必要・・・だと信じたい。
2013年1月20日日曜日
冠血流と各種凝固検査とヘパリン
麻酔の問題集 担当:T先生
問題1:心筋虚血を起こしやすい部位についての問題
問題2:心内膜下虚血に関する問題
・coronary flowについて
・冠血流の決定因子
1.灌流圧
2.血管張度
3.灌流時間(心拍依存)
4.内腔の狭窄度合
5.コラテの発達度合い
1.灌流圧:
・オートレギュレーションあり。
・体血圧50-150mmHgの範囲内で冠血流量は一定。
・その範囲を超えると冠血流量は灌流圧に比例する
4. 冠動脈狭窄
・冠動脈の自動能が破綻、冠血流量は灌流圧に依存
・正常な冠血流:75~80ml/100g/分、COの4-5%
・酸素消費量は全身の10%
・冠静脈血の酸素飽和度は30%:摂取率高い
・左冠動脈では血流の85%が拡張期に供給される。
問題3:CPB中の凝固検査に関する問題
・組織因子(tissue factor)による方法
→外因系凝固活性化機序:PT
・異物による方法(陰性荷電による方法)
→内因系凝固活性化機序:APPT
・PT
・血漿にカルシウムと組織トロンボプラスチンを添加。
→このときの凝固時間を測定する。
・正常では11-13秒(PT-INRで0.80-1.20)
・PTが延長する(=INRが上昇する)病態
・ワーファリン内服中(ビタミンK欠乏症)
・肝不全(肝硬変、劇症肝炎、慢性肝炎など)
・第VII、X、V、Ⅱ、Ⅰ因子の欠損症・凝固因子に対するインヒビター。
・APTT
・内因系
→血管内皮細胞が壊されてコラーゲンが露出
→凝固へ
・血漿に部分トロンボプラスチン試薬とCaCl混合液を加える。
→血液が固まるまでの時間を測定
・正常値は30~40秒位(用いる試薬機器により異なる)
・ACT
・要は「血の固まりやすさ」を調べる検査
・セライト、カオリン、ガラス粒、シリカなどの活性化剤
+全血試料を混合して凝固を活性化させる検査法。
・活性化剤と全血試料が接触
→内因系凝固因子である第XII因子が活性化。
→第XI因子,第IX因子,第X因子,第II因子などが活性化。
→クロット形成するまでの時間を表示。
・Hemochron使用、2mlの採血で計測。
・正常値は120~130秒。
・人工心肺を使う手術では400秒以上(480秒)
・ヘパリンの感受性には12倍もの個人差あり。
→コントロール値を測定してから投与後の値を測定する。
・ヘパリンの半減期を見越して30分毎に測定するのが望ましい。
・ACTが延長しない
・アンチトロンビンIIIの減少
・不十分な活性化剤との混合
・プロタミンの誤投与
・ACTが過度に延長する
・プライミング液による血液希釈
・低体温体外循環による凝固因子の不活性化
・低血小板数(5 万以下)
・ワルファリン服用者
・抗リン脂質抗体症候群
・接触因子(XII因子など)低下症
・磁場の影響
問題4,5:ヘパリンの薬理学的性質に関する問題
・ヘパリン
・1916年ジョンズ・ホプキンス大学の医学生マクリーンが発見。
・イヌの肝臓から。
・アンチトロンビン(ATⅢ)を活性化
→抗凝血作用能の賦活を通して凝固系を抑制する。
・多イオン性ムコ多糖
・5分以内で効果発現する
・ATⅢの活性増強で効果を発現する
・半減期は90分、低温で半減期が伸びる
G-ICU朝のラウンド
問題1:心筋虚血を起こしやすい部位についての問題
問題2:心内膜下虚血に関する問題
・coronary flowについて
・冠血流の決定因子
1.灌流圧
2.血管張度
3.灌流時間(心拍依存)
4.内腔の狭窄度合
5.コラテの発達度合い
1.灌流圧:
・オートレギュレーションあり。
・体血圧50-150mmHgの範囲内で冠血流量は一定。
・その範囲を超えると冠血流量は灌流圧に比例する
4. 冠動脈狭窄
・冠動脈の自動能が破綻、冠血流量は灌流圧に依存
・正常な冠血流:75~80ml/100g/分、COの4-5%
・酸素消費量は全身の10%
・冠静脈血の酸素飽和度は30%:摂取率高い
・左冠動脈では血流の85%が拡張期に供給される。
問題3:CPB中の凝固検査に関する問題
・組織因子(tissue factor)による方法
→外因系凝固活性化機序:PT
・異物による方法(陰性荷電による方法)
→内因系凝固活性化機序:APPT
・PT
・血漿にカルシウムと組織トロンボプラスチンを添加。
→このときの凝固時間を測定する。
・正常では11-13秒(PT-INRで0.80-1.20)
・PTが延長する(=INRが上昇する)病態
・ワーファリン内服中(ビタミンK欠乏症)
・肝不全(肝硬変、劇症肝炎、慢性肝炎など)
・第VII、X、V、Ⅱ、Ⅰ因子の欠損症・凝固因子に対するインヒビター。
・APTT
・内因系
→血管内皮細胞が壊されてコラーゲンが露出
→凝固へ
・血漿に部分トロンボプラスチン試薬とCaCl混合液を加える。
→血液が固まるまでの時間を測定
・正常値は30~40秒位(用いる試薬機器により異なる)
・ACT
・要は「血の固まりやすさ」を調べる検査
・セライト、カオリン、ガラス粒、シリカなどの活性化剤
+全血試料を混合して凝固を活性化させる検査法。
・活性化剤と全血試料が接触
→内因系凝固因子である第XII因子が活性化。
→第XI因子,第IX因子,第X因子,第II因子などが活性化。
→クロット形成するまでの時間を表示。
・Hemochron使用、2mlの採血で計測。
・正常値は120~130秒。
・人工心肺を使う手術では400秒以上(480秒)
・ヘパリンの感受性には12倍もの個人差あり。
→コントロール値を測定してから投与後の値を測定する。
・ヘパリンの半減期を見越して30分毎に測定するのが望ましい。
・ACTが延長しない
・アンチトロンビンIIIの減少
・不十分な活性化剤との混合
・プロタミンの誤投与
・ACTが過度に延長する
・プライミング液による血液希釈
・低体温体外循環による凝固因子の不活性化
・低血小板数(5 万以下)
・ワルファリン服用者
・抗リン脂質抗体症候群
・接触因子(XII因子など)低下症
・磁場の影響
問題4,5:ヘパリンの薬理学的性質に関する問題
・ヘパリン
・1916年ジョンズ・ホプキンス大学の医学生マクリーンが発見。
・イヌの肝臓から。
・アンチトロンビン(ATⅢ)を活性化
→抗凝血作用能の賦活を通して凝固系を抑制する。
・多イオン性ムコ多糖
・5分以内で効果発現する
・ATⅢの活性増強で効果を発現する
・半減期は90分、低温で半減期が伸びる
G-ICU朝のラウンド
ヘスパンダー
初期研修医勉強会 担当:N先生
「ヘスパンダー」
・ヘスパンダーの構造式
・歴史
・特徴を決める因子
・6% HES ( 70 / 0.5 / 3 ) ならば
・[濃度]HES(分子量/置換度/[C2/C6 Ratio])
・濃度:浸透圧に影響
・分子量:大きいほど長く血管内に留まる
・置換度:高いほど分解が遅く、体内に留まる
・C2/C6:高いほど粘度が高く、血管内に留まる
・各国で使用されている製剤。
・SepsisにおけるHESの使用は?
Intensive Insulin Therapy and Pentastarch Resuscitation in Severe Sepsis
N Engl J Med 2008;358:125-39.
・Design / Setting: 多施設, RCT, Open-label
・Patients: Severe sepsis 患者 537人 (18 施設)
・乳酸リンゲル: 275人 HES: 262人
・Primary endpoint: 28日間の死亡とSOFA score
・Secondary endpoint: ARFの発生
・結果
・使えば使うだけ生存率は下がる。
・使えば使うだけAKIは増える。
→Sepsisでの輸液療法で、HESの出番は無い
・術中の大量出血では?
Fluid therapy with hydroxyethyl starch for massive blood loss during surgery
J Anesth 2010; 24:418–425
・Design: single center, uncontrolled retrospective
・Patient: 術中出血>5,000mlの31人
・AKI 13人 non-AKI 18人
・Outcome
・輸液バランス
・術前-直後のCr変化
・1か月後のCr変化
・AKI/non-AKIに分け比較検討
・AKI群をロジスティック回帰分析
・結果
・6%HES70/0.55
→大量(平均3,065ml)に用いても腎機能障害は起こらない。
・nが少ない
・20,875例の手術症例から31例
・単一施設
・後ろ向き研究
・出血と共にヘスパンダーも血管外へ
→何かを言うのは難しそうな印象
・ブレイク
・自己紹介。富山県について。
・術中HES使用とAKI
Intraoperative Hydroxyethyl Starch 70/0.5 Is Not Related to Acute Kidney Injury in Surgical Patients: Retrospective Cohort Study
Anesth Analg 2012;115:1309–14
・Design: single center, uncontrolled retrospective
・Patient: 術中出血>1,000mlの846 人
・HES使用: 635人 HES非使用:211人
・Primary endpoint: AKIの発生
・Secondary endpoint: 腎代替療法、ICU入室、入院期間、入院中死亡
・propensity score matchingを使用して解析
・生データ結果、HES使用群の方が、
・高血圧の既往が多い
・Alb、RCCを多く要した
・Pltは少なく済んだ
・出血量が多かった
・入院期間が長くなった
・腎代替療法を要することは少なかった
→AKI発生率や死亡率に差はない
・matchedデータ結果、HES使用群の方が
・高血圧の既往が多い
・Alb、RCCを多く要した
・Pltは少なく済んだ
・出血量が多かった
・入院期間が長くなった
・腎代替療法を要することは少なかった
→AKI発生率や死亡率に差はない
・常用量であれば、AKIのリスクは他の輸液製剤と変わらない
・Alb使用量、出血量、入院期間の増加
→原因なのか結果なのかは不明
・単一施設、後ろ向き、観察研究
・propensity scoreを用い、選択バイアスを避けた
・そもそもAKIリスクが低い患者群かもしれない
・70%以上はASA PS1
・情報不足
・術後尿量情報が無く、CreのみでAKIを評価している
・まとめ
・HES製剤は組成により特徴が異なる
・Sepsisではもはや誰も使う気が起きない
・術中使用において常用量であればAKIの可能性は少ない。
「ヘスパンダー」
・ヘスパンダーの構造式
・歴史
・特徴を決める因子
・6% HES ( 70 / 0.5 / 3 ) ならば
・[濃度]HES(分子量/置換度/[C2/C6 Ratio])
・濃度:浸透圧に影響
・分子量:大きいほど長く血管内に留まる
・置換度:高いほど分解が遅く、体内に留まる
・C2/C6:高いほど粘度が高く、血管内に留まる
・各国で使用されている製剤。
・SepsisにおけるHESの使用は?
Intensive Insulin Therapy and Pentastarch Resuscitation in Severe Sepsis
N Engl J Med 2008;358:125-39.
・Design / Setting: 多施設, RCT, Open-label
・Patients: Severe sepsis 患者 537人 (18 施設)
・乳酸リンゲル: 275人 HES: 262人
・Primary endpoint: 28日間の死亡とSOFA score
・Secondary endpoint: ARFの発生
・結果
・使えば使うだけ生存率は下がる。
・使えば使うだけAKIは増える。
→Sepsisでの輸液療法で、HESの出番は無い
・術中の大量出血では?
Fluid therapy with hydroxyethyl starch for massive blood loss during surgery
J Anesth 2010; 24:418–425
・Design: single center, uncontrolled retrospective
・Patient: 術中出血>5,000mlの31人
・AKI 13人 non-AKI 18人
・Outcome
・輸液バランス
・術前-直後のCr変化
・1か月後のCr変化
・AKI/non-AKIに分け比較検討
・AKI群をロジスティック回帰分析
・結果
・6%HES70/0.55
→大量(平均3,065ml)に用いても腎機能障害は起こらない。
・nが少ない
・20,875例の手術症例から31例
・単一施設
・後ろ向き研究
・出血と共にヘスパンダーも血管外へ
→何かを言うのは難しそうな印象
・ブレイク
・自己紹介。富山県について。
・術中HES使用とAKI
Intraoperative Hydroxyethyl Starch 70/0.5 Is Not Related to Acute Kidney Injury in Surgical Patients: Retrospective Cohort Study
Anesth Analg 2012;115:1309–14
・Design: single center, uncontrolled retrospective
・Patient: 術中出血>1,000mlの846 人
・HES使用: 635人 HES非使用:211人
・Primary endpoint: AKIの発生
・Secondary endpoint: 腎代替療法、ICU入室、入院期間、入院中死亡
・propensity score matchingを使用して解析
・生データ結果、HES使用群の方が、
・高血圧の既往が多い
・Alb、RCCを多く要した
・Pltは少なく済んだ
・出血量が多かった
・入院期間が長くなった
・腎代替療法を要することは少なかった
→AKI発生率や死亡率に差はない
・matchedデータ結果、HES使用群の方が
・高血圧の既往が多い
・Alb、RCCを多く要した
・Pltは少なく済んだ
・出血量が多かった
・入院期間が長くなった
・腎代替療法を要することは少なかった
→AKI発生率や死亡率に差はない
・常用量であれば、AKIのリスクは他の輸液製剤と変わらない
・Alb使用量、出血量、入院期間の増加
→原因なのか結果なのかは不明
・単一施設、後ろ向き、観察研究
・propensity scoreを用い、選択バイアスを避けた
・そもそもAKIリスクが低い患者群かもしれない
・70%以上はASA PS1
・情報不足
・術後尿量情報が無く、CreのみでAKIを評価している
・まとめ
・HES製剤は組成により特徴が異なる
・Sepsisではもはや誰も使う気が起きない
・術中使用において常用量であればAKIの可能性は少ない。
2013年1月11日金曜日
2013年1月10日木曜日
BJA January 2013
「ジャーナルざっと読み」
BJA January 2013 110 (1)
REVIEW ARTICLES
The first intravenous anaesthetic: how well was it managed and its potential realized?
最初の静脈麻酔薬:いかに管理され、いかにその可能性が理解されたか。
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 7-12
Editor's choice: Patients with end-stage renal disease admitted to the intensive care unit: systematic review
ICU入室となった末期腎不全患者:システマティックレビュー
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 13-20
Efficacy of adding clonidine to intrathecal morphine in acute postoperative pain: meta-analysis
術後疼痛において、くも膜下モルヒネにクロニジンを添加する効果:メタ分析
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 21-27
CARDIOVASCULAR
Ability of stroke volume variation measured by oesophageal Doppler monitoring to predict fluid responsiveness during surgery
経食道ドップラーモニタリングにより計測されたSVVにより術中輸液反応性を予測できる可能性がある。
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 28-33
Moderate dosage of tranexamic acid during cardiac surgery with cardiopulmonary bypass and convulsive seizures: incidence and clinical outcome
人工心肺使用の心臓手術における中等量トラネキサム酸と痙攣:発症率と臨床的予後
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 34-40
Influence of increased left ventricular myocardial mass on early and late mortality after cardiac surgery
心臓手術後早期、および晩期死亡率に対する左室心筋重量の増加の影響
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 41-46
Myocardial protection by glucose–insulin–potassium in acute coronary syndrome patients undergoing urgent multivessel off-pump coronary artery bypass surgery
多枝病変に対する緊急OPCABGを施行された急性冠症候群患者におけるGIK療法による心筋保護
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 47-53
CLINICAL PRACTICE
Role of the Internet as an information resource for surgical patients: a survey of 877 patients
外科患者の情報源としてのインターネットの役割:877例の調査
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 54-58
Randomized comparison of closed-loop feedback computer-controlled with manual-controlled infusion of phenylephrine for maintaining arterial pressure during spinal anaesthesia for Caesarean delivery
帝王切開の脊髄くも膜下麻酔中の動脈圧維持のためのフェニレフリン投与において、閉鎖式フィードバック方式のコンピューター管理型投与とマニュアル投与のランダム比較
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 59-65
Effect of high-dose preoperative methylprednisolone on recovery after total hip arthroplasty: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial
術前高用量メチルプレドニゾロン投与が人工股関節置換術術後の回復に与える影響:ランダム化、二重盲検化、プラセボ対照試験
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 66-73
OBSTETRICS
Failed tracheal intubation in obstetric anaesthesia: 2 yr national case–control study in the UK
産科麻酔における気管挿管の失敗:英国における2年間の全国的症例対照研究
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 74-80
PAEDIATRICS
Single-breath vital capacity high concentration sevoflurane induction in children: with or without nitrous oxide?
小児における高濃度セボフルランによるワンブレス導入:笑気は必要か否か。
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 81-86
PAIN
Implementation of the quality management system improves postoperative pain treatment: a prospective pre-/post-interventional questionnaire study
品質マネジメントシステムの実行により術後疼痛の管理が向上する:前向き介入前/介入後質問形式の研究
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 87-95
Undertreatment of acute pain (oligoanalgesia) and medical practice variation in prehospital analgesia of adult trauma patients: a 10 yr retrospective study
外傷患者の病院前鎮痛について、鎮痛不全と医療行為の種類との関係:10年間の後ろ向き研究
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 96-106
QUALITY AND PATIENT SAFETY
Perception of patient safety differs by clinical area and discipline
臨床分野と訓練によって、患者安全の認識は異なる。
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 107-114
How excellent anaesthetists perform in the operating theatre: a qualitative study on non-technical skills
手術室において麻酔科医がいかに上手に立ちまわるか:技量的な点以外についての質的研究
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 115-121
TRANSLATIONAL RESEARCH
Sequence capture and massively parallel sequencing to detect mutations associated with malignant hyperthermia
悪性高熱症に関連した遺伝子変異を検知するためのシーケンスキャプチャーと超並列シーケンス
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 122-127
Pharmacokinetics of intravenous emulsified isoflurane in beagle dogs
ビーグル犬における経静脈的乳剤化イソフルランの薬物動態
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 128-136
BJA January 2013 110 (1)
REVIEW ARTICLES
The first intravenous anaesthetic: how well was it managed and its potential realized?
最初の静脈麻酔薬:いかに管理され、いかにその可能性が理解されたか。
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 7-12
Editor's choice: Patients with end-stage renal disease admitted to the intensive care unit: systematic review
ICU入室となった末期腎不全患者:システマティックレビュー
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 13-20
Efficacy of adding clonidine to intrathecal morphine in acute postoperative pain: meta-analysis
術後疼痛において、くも膜下モルヒネにクロニジンを添加する効果:メタ分析
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 21-27
CARDIOVASCULAR
Ability of stroke volume variation measured by oesophageal Doppler monitoring to predict fluid responsiveness during surgery
経食道ドップラーモニタリングにより計測されたSVVにより術中輸液反応性を予測できる可能性がある。
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 28-33
Moderate dosage of tranexamic acid during cardiac surgery with cardiopulmonary bypass and convulsive seizures: incidence and clinical outcome
人工心肺使用の心臓手術における中等量トラネキサム酸と痙攣:発症率と臨床的予後
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 34-40
Influence of increased left ventricular myocardial mass on early and late mortality after cardiac surgery
心臓手術後早期、および晩期死亡率に対する左室心筋重量の増加の影響
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 41-46
Myocardial protection by glucose–insulin–potassium in acute coronary syndrome patients undergoing urgent multivessel off-pump coronary artery bypass surgery
多枝病変に対する緊急OPCABGを施行された急性冠症候群患者におけるGIK療法による心筋保護
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 47-53
CLINICAL PRACTICE
Role of the Internet as an information resource for surgical patients: a survey of 877 patients
外科患者の情報源としてのインターネットの役割:877例の調査
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 54-58
Randomized comparison of closed-loop feedback computer-controlled with manual-controlled infusion of phenylephrine for maintaining arterial pressure during spinal anaesthesia for Caesarean delivery
帝王切開の脊髄くも膜下麻酔中の動脈圧維持のためのフェニレフリン投与において、閉鎖式フィードバック方式のコンピューター管理型投与とマニュアル投与のランダム比較
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 59-65
Effect of high-dose preoperative methylprednisolone on recovery after total hip arthroplasty: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial
術前高用量メチルプレドニゾロン投与が人工股関節置換術術後の回復に与える影響:ランダム化、二重盲検化、プラセボ対照試験
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 66-73
OBSTETRICS
Failed tracheal intubation in obstetric anaesthesia: 2 yr national case–control study in the UK
産科麻酔における気管挿管の失敗:英国における2年間の全国的症例対照研究
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 74-80
PAEDIATRICS
Single-breath vital capacity high concentration sevoflurane induction in children: with or without nitrous oxide?
小児における高濃度セボフルランによるワンブレス導入:笑気は必要か否か。
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 81-86
PAIN
Implementation of the quality management system improves postoperative pain treatment: a prospective pre-/post-interventional questionnaire study
品質マネジメントシステムの実行により術後疼痛の管理が向上する:前向き介入前/介入後質問形式の研究
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 87-95
Undertreatment of acute pain (oligoanalgesia) and medical practice variation in prehospital analgesia of adult trauma patients: a 10 yr retrospective study
外傷患者の病院前鎮痛について、鎮痛不全と医療行為の種類との関係:10年間の後ろ向き研究
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 96-106
QUALITY AND PATIENT SAFETY
Perception of patient safety differs by clinical area and discipline
臨床分野と訓練によって、患者安全の認識は異なる。
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 107-114
How excellent anaesthetists perform in the operating theatre: a qualitative study on non-technical skills
手術室において麻酔科医がいかに上手に立ちまわるか:技量的な点以外についての質的研究
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 115-121
TRANSLATIONAL RESEARCH
Sequence capture and massively parallel sequencing to detect mutations associated with malignant hyperthermia
悪性高熱症に関連した遺伝子変異を検知するためのシーケンスキャプチャーと超並列シーケンス
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 122-127
Pharmacokinetics of intravenous emulsified isoflurane in beagle dogs
ビーグル犬における経静脈的乳剤化イソフルランの薬物動態
Br. J. Anaesth. (2013) 110(1): 128-136
POAF
初期研修医勉強会 担当:N先生
「POAF:Post Operative A-Fib」
・POAFの頻度
・冠動脈バイパス術:15~40%
・弁膜症手術:37~50%
・冠動脈バイパス術+弁膜症手術:60%
・心臓手術以外:4.1%
・POAFの自然歴
・多くは術後5日以内に発症
・発症ピークは術後2日目
・2時間以内に15~30%は自然消失
・24時間以内に80%は自然消失
・6~8週間以内に90%以上は自然消失
・POAFの影響
・脳梗塞のリスク増加:3.5倍
・入院中の死亡率が増加(7.4% vs 3.4%)
・入院期間が延長:中央値の差2日間
・長期死亡率も増加(4年間;26% vs 13%)
・POAFの危険因子
・高齢
・AFの既往
・心臓手術の既往
・弁膜症の既往
・末梢動脈疾患の既往
・左房径
・心膜の炎症
・慢性呼吸器疾患
・β遮断薬の中断
・交感神経の緊張状態
などなど…
・POAFの予防は?
・薬剤
・β遮断薬
・アミオダロン
・ソタロール
・その他
・ペーシング
・β遮断薬
・ACCF/AHA/HRS2011ガイドライン
→推奨レベル:ClassⅠ/A
・効果は最もエビデンスあり
・使いやすい(副作用少ない)
・しかも安い
・アミオダロン
・ACCF/AHA/HRS2011ガイドライン
→推奨レベル:ClassⅡa/A
・Ⅲ群抗不整脈薬
・効果は証明されている
・β遮断薬より徐脈とQT延長の可能性が上がる
・ソタロール
・ACCF/AHA/HRS2011ガイドライン
→推奨レベル:ClassⅡb/B
・Ⅲ群抗不整脈薬
・一部の研究ではβ遮断薬より効果あり
・徐脈とtorsade de pointesのリスクあり
・その他の薬剤
・マグネシウム
・あるメタ解析でPOAF発症率を減少
・しかし入院期間や死亡率には影響なし
・Ca拮抗薬:予防効果はない
・ジゴキシン:予防効果はない
・Naチャネル拮抗薬:データが少ない
・ペーシング
・あるRCT:両心房ペーシングで有意にPOAF減少
・あるメタ解析でも両心房ペーシングで有意にPOAF減少
・ただエビデンスがまだ少ない…
・予防は結局どうする?
・まずはβ遮断薬を選択
・β遮断薬の禁忌があればアミオダロンやソタロールを考慮
・あれば心房ペーシングも活用
・低カリウム血症・低マグネシウム血症があれば補正
・POAFになってしまったら?
・まずは誘発因子の対処を
・次に薬剤・除細動・抗凝固を考慮
・薬剤を選ぶ前に
・Rate control vs Rhythm control
・心臓手術後にAF発症した50人の患者を対象
・レートコントロール(23人)
・電気的除細動(27人)
・洞調律に戻るまでの時間を比較
→(11.8h vs 11.2h)で有意差なし
・レートコントロールなら
→静注の短時間作用β遮断薬が便利
→徐脈、低血圧、気管支攣縮には注意!
・非ジヒドロピリジン系のCa拮抗薬も使用可能
・除細動のタイミングは
・症状がある場合
・レートコントロールが困難な場合
・無症状でもAFが24時間以上続いている場合
→抗凝固療法を避けられる
・アミオダロンなどの抗不整脈薬の使用もあり
・抗凝固を始めるタイミングは
・術後出血のリスクも考えて
・24~48時間AFが続く場合は内服抗凝固薬を開始
・ワーファリンならINR2.0~3.0を目標
・洞調律復帰後も4週間続ける
・AFが4週間後もあれば長期的な抗凝固療法を検討
「POAF:Post Operative A-Fib」
・POAFの頻度
・冠動脈バイパス術:15~40%
・弁膜症手術:37~50%
・冠動脈バイパス術+弁膜症手術:60%
・心臓手術以外:4.1%
・POAFの自然歴
・多くは術後5日以内に発症
・発症ピークは術後2日目
・2時間以内に15~30%は自然消失
・24時間以内に80%は自然消失
・6~8週間以内に90%以上は自然消失
・POAFの影響
・脳梗塞のリスク増加:3.5倍
・入院中の死亡率が増加(7.4% vs 3.4%)
・入院期間が延長:中央値の差2日間
・長期死亡率も増加(4年間;26% vs 13%)
・POAFの危険因子
・高齢
・AFの既往
・心臓手術の既往
・弁膜症の既往
・末梢動脈疾患の既往
・左房径
・心膜の炎症
・慢性呼吸器疾患
・β遮断薬の中断
・交感神経の緊張状態
などなど…
・POAFの予防は?
・薬剤
・β遮断薬
・アミオダロン
・ソタロール
・その他
・ペーシング
・β遮断薬
・ACCF/AHA/HRS2011ガイドライン
→推奨レベル:ClassⅠ/A
・効果は最もエビデンスあり
・使いやすい(副作用少ない)
・しかも安い
・アミオダロン
・ACCF/AHA/HRS2011ガイドライン
→推奨レベル:ClassⅡa/A
・Ⅲ群抗不整脈薬
・効果は証明されている
・β遮断薬より徐脈とQT延長の可能性が上がる
・ソタロール
・ACCF/AHA/HRS2011ガイドライン
→推奨レベル:ClassⅡb/B
・Ⅲ群抗不整脈薬
・一部の研究ではβ遮断薬より効果あり
・徐脈とtorsade de pointesのリスクあり
・その他の薬剤
・マグネシウム
・あるメタ解析でPOAF発症率を減少
・しかし入院期間や死亡率には影響なし
・Ca拮抗薬:予防効果はない
・ジゴキシン:予防効果はない
・Naチャネル拮抗薬:データが少ない
・ペーシング
・あるRCT:両心房ペーシングで有意にPOAF減少
・あるメタ解析でも両心房ペーシングで有意にPOAF減少
・ただエビデンスがまだ少ない…
・予防は結局どうする?
・まずはβ遮断薬を選択
・β遮断薬の禁忌があればアミオダロンやソタロールを考慮
・あれば心房ペーシングも活用
・低カリウム血症・低マグネシウム血症があれば補正
・POAFになってしまったら?
・まずは誘発因子の対処を
・次に薬剤・除細動・抗凝固を考慮
・薬剤を選ぶ前に
・Rate control vs Rhythm control
・心臓手術後にAF発症した50人の患者を対象
・レートコントロール(23人)
・電気的除細動(27人)
・洞調律に戻るまでの時間を比較
→(11.8h vs 11.2h)で有意差なし
・レートコントロールなら
→静注の短時間作用β遮断薬が便利
→徐脈、低血圧、気管支攣縮には注意!
・非ジヒドロピリジン系のCa拮抗薬も使用可能
・除細動のタイミングは
・症状がある場合
・レートコントロールが困難な場合
・無症状でもAFが24時間以上続いている場合
→抗凝固療法を避けられる
・アミオダロンなどの抗不整脈薬の使用もあり
・抗凝固を始めるタイミングは
・術後出血のリスクも考えて
・24~48時間AFが続く場合は内服抗凝固薬を開始
・ワーファリンならINR2.0~3.0を目標
・洞調律復帰後も4週間続ける
・AFが4週間後もあれば長期的な抗凝固療法を検討
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