初期研修医勉強会 担当:U先生
「麻酔器いろいろ」
・麻酔器の歴史
1867 鼻と口を覆う笑気ガス吸入器
クロロホルムと空気の%を調節できる吸入器
1872 笑気を鉄筒に詰めることに成功
1877 エーテル濃度を調節する携帯式麻酔器
1882 エーテルクロロホルム麻酔器
1887 笑気・酸素の混合吸入器
1898 濃度調節可能な麻酔器
1910 間欠的流量調節可能な笑気酸素麻酔器
1912 麻酔器に流量計がつく
1924 ソーダライムが取り付けられる
麻酔バッグの圧による作動開閉弁
1926 循環式麻酔呼吸回路、二酸化炭素吸収装置
日本にも麻酔器導入
・麻酔器ははじめから小型だった
・ちなみに初期の心電図は2部屋使うほど大きかった
・麻酔器の構成
・ガス供給源(中央配管、個別供給)
・ガス流量計
・気化器
・麻酔回路
・二酸化炭素吸収装置
・人工呼吸器
・警報装置
・ガス供給源
・中央配管方式
・酸素→液化ガス(-150℃~175℃)in大容量ボンベ
・亜酸化窒素→高圧ボンベ内で液体として保存
・治療用空気→圧縮ガス、合成空気
・供給圧は3-5気圧、流量計では2気圧
・ボンベ方式
・ガス供給間違え防止
・中央配管アウトレット、麻酔ガスホース接続
→ピンインデックス方式、カラーインデックス方式
・配管
→酸素:緑、空気:黄色、亜酸化窒素:青
・ボンベ
→酸素:黒、二酸化炭素:緑、亜酸化窒素:ねずみ色
・流量計
・ニードル弁、浮子、ノブ、バルブ止め
・ロタメーター型の浮子→上端
・球形の浮子→中央
・気化器
・回路内気化器、回路外気化器がある
・回路外気化器が現在主流
・流入する新鮮ガスは80%以上がバイパス
・気化室には20%以下が分配される
・呼吸回路
・半閉鎖循環式麻酔回路
・閉鎖循環式麻酔回路
・部分的再呼吸法
・非再呼吸法
→半閉鎖循環式麻酔回路が多く用いられている
・循環式麻酔回路
・吸気弁・呼気弁
・二酸化炭素吸収装置
・蛇管
・Yピース
・呼吸バッグ
・ポップオフバルブ
・余剰ガス排出装置
・酸素フラッシュ回路
・多量の100%酸素(35-70L/分)を呼吸回路へ
・流量計や気化器は通らない
→吸入麻酔薬濃度は希釈される
・緊急的に加圧バックを膨らますときに使用する
・フラッシュを使用したリークテスト
→通常回路のリークは検知できない。注意。
ブレイク
「鳩の撃退法」
・麻酔器の大手メーカー・販売元
・ドレーゲル
・GE
・アコマ医科工業
・アイ・エム・アイ
・木村医科器械
・アネス
・当院手術室は?
→18室、Datex-Omeda社のAestivaで統一。
・救急外来には?
→3次救急初療室
・2番:Datex ohmeda aestiva 5
・3番:Drager Fabius GS
・4番:Drager Fabius Tiro
・人工呼吸器の問題点・危険性
・回路のはずれ
→もっともはずれやすいのはYピース
・そこに対するモニター
・カプノグラフィー
・上降式べローズ(回路が外れると上がらない)
・胸部の運動と心窩部の観察
・回路内圧モニター
・換気量モニター
・呼吸回路の閉塞
→肺・気道の圧外傷の原因となる!!
・チューブトラブル(折れ曲がり、噛まれる、分泌物など)
・不適切な機器が回路内にある
・人工呼吸器のべローズのリーク
・人工呼吸器の余剰ガス開放弁の故障
・バルブの開放が不十分
・人工呼吸中の急変(DOPE)
・Displacement:チューブの位置の異常
・Obstruction:挿管チューブの閉塞
・Pneumothorax:緊張性気胸
・Equipment failure:人工呼吸器の異常
→私は「いきつめ」で覚えています。
・い(位置の異常)
・き(気胸)
・つ(詰まった)
・め(メカの異常)
・急変時には?
・指導医を呼ぶ!!
・用手換気に切り替える
・呼吸音を聴取する
・気管内チューブから吸引してみる
・喉頭鏡直視下に確認・再挿管