初期研修医勉強会 担当:K先生
「周術期の輸液と出血」
・維持量+
①術前の脱水
②麻酔薬による血管拡張
③サードスペースへの移動
④出血
・4-2-1のルール
・維持量に加えて・・・
①術前の脱水補正
→はじめの500mlは早めのスピードで
②麻酔薬による血管拡張
→麻酔方法、使用薬剤でも異なる
③サードスペースへの移動
→侵襲に応じて
④出血
・Fixed Volume Therapy
→体液の移行、不感蒸泄、尿量による喪失を見越して輸液負荷
・小さな手術→6ml/kg/hr
・中等度の手術→8ml/kg/hr
・大きな手術→10ml/kg/hr
→過剰輸液になりやすい
・過剰輸液の悪影響
・肺水腫の増悪
・呼吸不全および肺炎
・消化管浮腫、消化管吻合不全
・腹水、abdominal compartmet syndrome
・創傷治癒の遅延
・希釈による凝固障害
・Restrictive Fluid Therapy
・Goal Directed Fluid Therapy
・輸液管理のパラメータ
・静的パラメータ
→有効性は証明されていない
・動的パラメータ
→各種循環モニタリング値の呼吸に伴う変動
→輸液反応性の指標となりうる
・自発呼吸のある人、不整脈では不可能
・輸液反応性の予測には静的パラメータの有用性は限定的
・動的パラメータなども併用すべき
ブレイク
「お月見と和菓子」
・出血と重症度
・クラスⅠ:全血液量の15%未満
→臨床所見は軽微もしくはみられない
・クラスⅡ:全血液量の15%~30%
→起立時に血圧低下、心拍数上昇
・クラスⅢ:全血液量の30%~40%
→非代償性の循環血液量減少性ショック
・クラスⅣ:40%を超す出血
→低血圧、乏尿
・輸液について
→組織酸素摂取量を維持、好気性代謝を継続させる
・心拍出量、ヘモグロビン濃度が重要
・心拍出量→補充輸液
・ヘモグロビン濃度→輸血
・膠質液vs晶質液
・膠質液→75%~80%が血管内に=血漿量を増加
・晶質液→20%のみが血管内に=間質液を増加
→心拍出量を増加させるには膠質液が有効
・赤血球濃厚液は粘度の増加により、心拍出量は増加しにくい
・血流、酸素運搬、組織の酸素化を正常化
→心係数、D02、Vo2、 乳酸値など
ハイブリッド手術