2012年10月5日金曜日

周術期の輸液と出血

初期研修医勉強会  担当:K先生

「周術期の輸液と出血」

・維持量+
 ①術前の脱水
 ②麻酔薬による血管拡張
 ③サードスペースへの移動
 ④出血
・4-2-1のルール
・維持量に加えて・・・
   ①術前の脱水補正
     →はじめの500mlは早めのスピードで
   ②麻酔薬による血管拡張
     →麻酔方法、使用薬剤でも異なる
   ③サードスペースへの移動
     →侵襲に応じて
   ④出血
・Fixed Volume Therapy
   →体液の移行、不感蒸泄、尿量による喪失を見越して輸液負荷
 ・小さな手術→6ml/kg/hr
 ・中等度の手術→8ml/kg/hr
 ・大きな手術→10ml/kg/hr
    →過剰輸液になりやすい
・過剰輸液の悪影響
  ・肺水腫の増悪
  ・呼吸不全および肺炎
  ・消化管浮腫、消化管吻合不全
  ・腹水、abdominal compartmet syndrome
  ・創傷治癒の遅延
  ・希釈による凝固障害
・Restrictive Fluid Therapy
・Goal Directed Fluid Therapy
・輸液管理のパラメータ
  ・静的パラメータ
    →有効性は証明されていない
  ・動的パラメータ
    →各種循環モニタリング値の呼吸に伴う変動
    →輸液反応性の指標となりうる
    ・自発呼吸のある人、不整脈では不可能    
  ・輸液反応性の予測には静的パラメータの有用性は限定的
  ・動的パラメータなども併用すべき

ブレイク
「お月見と和菓子」

・出血と重症度
  ・クラスⅠ:全血液量の15%未満
    →臨床所見は軽微もしくはみられない
  ・クラスⅡ:全血液量の15%~30%
    →起立時に血圧低下、心拍数上昇
  ・クラスⅢ:全血液量の30%~40%
    →非代償性の循環血液量減少性ショック
  ・クラスⅣ:40%を超す出血
    →低血圧、乏尿
・輸液について
  →組織酸素摂取量を維持、好気性代謝を継続させる
・心拍出量、ヘモグロビン濃度が重要
  ・心拍出量→補充輸液
  ・ヘモグロビン濃度→輸血
・膠質液vs晶質液
  ・膠質液→75%~80%が血管内に=血漿量を増加
  ・晶質液→20%のみが血管内に=間質液を増加
  →心拍出量を増加させるには膠質液が有効
・赤血球濃厚液は粘度の増加により、心拍出量は増加しにくい
・血流、酸素運搬、組織の酸素化を正常化
   →心係数、D02、Vo2、 乳酸値など



         ハイブリッド手術