2013年8月22日木曜日

局所麻酔と術中出血

「麻酔科EBM勉強会」 担当:M先生

「局所麻酔薬と術中出血」

・周術期の輸血
  →ウイルス感染、細菌混入、TRALIなどのリスク
  →免疫抑制の可能性、癌の再発リスク、創部感染リスク
・最近はChagas病の話題が。
  ・Chagas病の豆知識
     →もともとバチスタ手術はChagas病による
      心肥大を縮小する目的で考案された
・周術期の輸血予防策
  ・薬剤
    →エリスロポエチン、アミノカプロン酸、代用血液
  ・テクニカル
    →低侵襲手術、自己血輸血、希釈式自己血輸血法
  ・デバイス
    →セルセーバー
  ・局所麻酔
・整形外科領域
  ・THAと局所麻酔
    ・1966年以降少なくとも29のRCT
      →局所麻酔での手術により有意に出血量が減少
  ・脊椎固定術においても出血量、輸血患者の減少効果
  ・TKAと局所麻酔
    ・術後痛、オピオイド関連有害事象、モルヒネ使用量、在院日数
     →局所麻酔群で有意に改善を認めた
    ・死亡率、心血管合併症、DVT・PE、手術時間、認知機能障害
     →有意差はなかった
・泌尿器科と局所麻酔
  ・TURPでは脊髄くも膜下麻酔は出血量を減少する
  ・前立腺手術
    ・麻酔法(脊麻、全麻)による出血量の差はない
    ・出血量は切除した前立腺組織量に相関がある
    ・切除量の多い患者→無症候性の血管内凝固障害あり。
  ・根治的恥骨後式前立腺摘除術
    ・出血量は脊麻群で有意に少なかった
・消化器外科と局所麻酔
  ・結腸手術
    ・出血量は両群で有意差を認めなかった
    ・術後24時間の痛みは全硬麻群で有意差に小さかった
    ・術後の排ガスの早さも全硬麻群で有意差をもって早かった
・血管外科領域
  ・AAA 
    ・出血量に関しては全麻群と全硬麻群で有意差を認めず。
・局所麻酔が出血量を減少させる機序
  ・動脈血圧を下げる?
  ・末梢静脈圧を下げる?
  ・自発呼吸だと出血量が減る?