「ICU勉強会」 担当:F薬剤師さん
「医薬品添付文書の読み方」
・医薬品添付文書とは
・薬事法第52条に従って記載された公的文書
・原則A4用紙4枚まで
・最近は添付文書の改訂の頻度が高くなっている。
→改訂年月が古い添付文書は改訂されていないか注意
・日本標準商品分類番号
→5-6桁の数字
・医薬品の場合は最初の2桁が87
・3-5桁目は薬効分類番号
・新規薬価収載された医薬品は注意!
・薬価収載の属する月の翌月から1年を経過していない場合
→投与期間は14日間が限度となる。
・貯法、使用期限
・使用期限が3年以上の薬品
→使用期限の表示義務なし。
→使用期限表示がある薬品は不安定な薬剤と考える。
・薬効分類名
→表示が統一されていない。
・適応疾患名で記載される「疾患派」
ex)「高血圧・狭心症治療剤」
・作用機序を記載する「機序派」
ex)持続性Ca拮抗剤
・両方書いてあるものも。
・処方箋なしでも買えるOTC
・OTC:Over the Counter:薬局、ドラッグストアで買えるお薬。
・医療用医薬品がOTC化することを「スイッチOTC」と呼ぶ。
→最近はロキソニンのスイッチOTCが話題に。
・エパデールのスイッチOTCには厳しい制約がついた。
・名称
→販売名、一般名、欧文名の3つがある。
・警告
→警告がある添付文書は、用紙の右肩が赤く塗ってある。
・不思議な警告
「ペンタジン錠25mg」には「静注しないこと」との記載が??
→麻薬依存患者の乱用を防ぐ目的。
・ペンタジン錠25mgにはナロキソンが入ってる。
・経口摂取した場合
→ナロキソンは初回肝通過効果を受ける。
→ナロキソンの効果は消失。
→ペンタジンの効果だけが残る。
・無理やり溶かして静注した場合
→ナロキソンも同時に静注される。
→ペンタジンは拮抗されて効果なし。
・禁忌
→治療上必要であれば医師の判断で投与可能。
→ただし薬剤師からは確認の連絡が入る。
・製剤によっても禁忌が変わる場合がある。
・フェノバール散は妊婦には有益性投与。
・ワコビタール坐剤は妊婦には禁忌
・薬剤の組成はよく見てみよう。
・アリナミンF50mg
→1A中にブドウ糖4g入ってる。
→ウェルニッケ脳症の時などアリナミンF大量投与すると・・・
→知らないうちに糖負荷してることに。
・用法及び容量
・適宜増減:適宜増減の範囲は明示されている。
・製剤形態によっても変わる併用禁忌
・フェノバール
→原末、散、錠、エリキシルの形態が。
・エリキシルはエタノールを含む。
→ジスルフィラムやシアナミドと併用禁忌となる。
・ちょっとここで薬物動態学
・分布容積
→数値が大きいほど体内に薬剤が分布していることに。
・半減期とクリアランス
・クリアランスが大きければ体内から早く消失?
→分布容積が大きければそうとも限らない。
→消失速度定数を見る。
・肝代謝か、腎代謝か?
・添付文書に直接記載がない場合はどこを見たらいい?
→「有効成分に関する理化学的所見」
→「分配係数」or logPを見る。
・分配係数が1以下なら腎排泄、1以上なら肝代謝
・logPがマイナスなら腎排泄、プラスなら肝代謝