「麻酔科EBM勉強会」 担当:O先生
「頭蓋内圧亢進患者の管理」
・ICP:頭蓋内圧 CCP:脳灌流圧
・ICPとCCPに影響を与える因子
・麻酔
・過換気
・人工呼吸管理
・高浸透圧製剤の使用
・体位
・減圧術
・CCP=MAPーICP
・ICPとCCPはどの程度に管理すべきか。
・ICPは20mmHg以下にすべき。
・CCPは70mmHg以上にすべきではない。
・麻酔の影響
・吸入麻酔薬
・CMRO2(cerebral metablolic rate of oxygen)下げる。
・脳血管を直接拡張させる
→脳血流量は増やし、ICPは上昇
・CMRO2減少による脳血管収縮作用 vs 血管拡張作用
→CBFは変化しないかむしろ減少との報告も
・steal phenomenon
・吸入麻酔薬による血管拡張と血流増加
→正常脳血管のみで生じる
→虚血脳組織への血流がさらに低下してしまう
・2MACまでのsevflurane
→脳血流速度には変化がないという報告も。
・静脈麻酔薬(propofolとかetomidateとか)
・脳血管を収縮させる
→CBF↓、CBV↓、ICP↓
→CMRO2↓
・ただし正常脳組織ならoutoregulationは保たれる。
・プロポフォール麻酔+過換気の併用
→SjO2値が脳虚血レベルの50%を切る頻度が増加する。
・オピオイド
・オピオイドガICPに与える影響はcontroversial
・remifentanylはICP、CBF共に変化させないという報告
・過換気の影響
・動脈血低CO2血症は脳血管を収縮させる
→脳血管抵抗↑
→CBF↓、CBV↓、ICP↓
・病変部位では酸素とグルコースの運搬に影響をあたえる可能性。
・一時的効果はあるが長期間では悪影響
・人工呼吸(+PEEP)の影響
・胸腔内圧の上昇
→静脈灌流の阻害によりICP↑
→血圧低下によりCPP↓
・高浸透圧療法
・マンニトール
・マンニトール(0.25-1.0g/kg)がICP上昇の治療薬の基本
・マンニトールの予防投与はすべきでない。
・高張食塩水
・有効である可能性。
→大きな合併症なくICPを下げる。
・副作用に注意。
・血小板凝集障害による出血
・PT、APTT延長
・高クロール性アシドーシス
・橋中心髄鞘崩壊症
→頭部外傷では極めて稀だが。。。
・体位
・MAPが維持されている限り・・・
→30-40度のヘッドアップはICPを下げる。
・開頭減圧術
・内科的治療と比較したstudy
→人工呼吸器装着、ICU滞在は開頭術のほうが短かったとの報告。