「麻酔科EBM勉強会」 担当:M先生
「局所麻酔薬と術中出血」
・周術期の輸血
→ウイルス感染、細菌混入、TRALIなどのリスク
→免疫抑制の可能性、癌の再発リスク、創部感染リスク
・最近はChagas病の話題が。
・Chagas病の豆知識
→もともとバチスタ手術はChagas病による
心肥大を縮小する目的で考案された
・周術期の輸血予防策
・薬剤
→エリスロポエチン、アミノカプロン酸、代用血液
・テクニカル
→低侵襲手術、自己血輸血、希釈式自己血輸血法
・デバイス
→セルセーバー
・局所麻酔
・整形外科領域
・THAと局所麻酔
・1966年以降少なくとも29のRCT
→局所麻酔での手術により有意に出血量が減少
・脊椎固定術においても出血量、輸血患者の減少効果
・TKAと局所麻酔
・術後痛、オピオイド関連有害事象、モルヒネ使用量、在院日数
→局所麻酔群で有意に改善を認めた
・死亡率、心血管合併症、DVT・PE、手術時間、認知機能障害
→有意差はなかった
・泌尿器科と局所麻酔
・TURPでは脊髄くも膜下麻酔は出血量を減少する
・前立腺手術
・麻酔法(脊麻、全麻)による出血量の差はない
・出血量は切除した前立腺組織量に相関がある
・切除量の多い患者→無症候性の血管内凝固障害あり。
・根治的恥骨後式前立腺摘除術
・出血量は脊麻群で有意に少なかった
・消化器外科と局所麻酔
・結腸手術
・出血量は両群で有意差を認めなかった
・術後24時間の痛みは全硬麻群で有意差に小さかった
・術後の排ガスの早さも全硬麻群で有意差をもって早かった
・血管外科領域
・AAA
・出血量に関しては全麻群と全硬麻群で有意差を認めず。
・局所麻酔が出血量を減少させる機序
・動脈血圧を下げる?
・末梢静脈圧を下げる?
・自発呼吸だと出血量が減る?
2013年8月19日月曜日
医薬品添付文書の読み方
「ICU勉強会」 担当:F薬剤師さん
「医薬品添付文書の読み方」
・医薬品添付文書とは
・薬事法第52条に従って記載された公的文書
・原則A4用紙4枚まで
・最近は添付文書の改訂の頻度が高くなっている。
→改訂年月が古い添付文書は改訂されていないか注意
・日本標準商品分類番号
→5-6桁の数字
・医薬品の場合は最初の2桁が87
・3-5桁目は薬効分類番号
・新規薬価収載された医薬品は注意!
・薬価収載の属する月の翌月から1年を経過していない場合
→投与期間は14日間が限度となる。
・貯法、使用期限
・使用期限が3年以上の薬品
→使用期限の表示義務なし。
→使用期限表示がある薬品は不安定な薬剤と考える。
・薬効分類名
→表示が統一されていない。
・適応疾患名で記載される「疾患派」
ex)「高血圧・狭心症治療剤」
・作用機序を記載する「機序派」
ex)持続性Ca拮抗剤
・両方書いてあるものも。
・処方箋なしでも買えるOTC
・OTC:Over the Counter:薬局、ドラッグストアで買えるお薬。
・医療用医薬品がOTC化することを「スイッチOTC」と呼ぶ。
→最近はロキソニンのスイッチOTCが話題に。
・エパデールのスイッチOTCには厳しい制約がついた。
・名称
→販売名、一般名、欧文名の3つがある。
・警告
→警告がある添付文書は、用紙の右肩が赤く塗ってある。
・不思議な警告
「ペンタジン錠25mg」には「静注しないこと」との記載が??
→麻薬依存患者の乱用を防ぐ目的。
・ペンタジン錠25mgにはナロキソンが入ってる。
・経口摂取した場合
→ナロキソンは初回肝通過効果を受ける。
→ナロキソンの効果は消失。
→ペンタジンの効果だけが残る。
・無理やり溶かして静注した場合
→ナロキソンも同時に静注される。
→ペンタジンは拮抗されて効果なし。
・禁忌
→治療上必要であれば医師の判断で投与可能。
→ただし薬剤師からは確認の連絡が入る。
・製剤によっても禁忌が変わる場合がある。
・フェノバール散は妊婦には有益性投与。
・ワコビタール坐剤は妊婦には禁忌
・薬剤の組成はよく見てみよう。
・アリナミンF50mg
→1A中にブドウ糖4g入ってる。
→ウェルニッケ脳症の時などアリナミンF大量投与すると・・・
→知らないうちに糖負荷してることに。
・用法及び容量
・適宜増減:適宜増減の範囲は明示されている。
・製剤形態によっても変わる併用禁忌
・フェノバール
→原末、散、錠、エリキシルの形態が。
・エリキシルはエタノールを含む。
→ジスルフィラムやシアナミドと併用禁忌となる。
・ちょっとここで薬物動態学
・分布容積
→数値が大きいほど体内に薬剤が分布していることに。
・半減期とクリアランス
・クリアランスが大きければ体内から早く消失?
→分布容積が大きければそうとも限らない。
→消失速度定数を見る。
・肝代謝か、腎代謝か?
・添付文書に直接記載がない場合はどこを見たらいい?
→「有効成分に関する理化学的所見」
→「分配係数」or logPを見る。
・分配係数が1以下なら腎排泄、1以上なら肝代謝
・logPがマイナスなら腎排泄、プラスなら肝代謝
「医薬品添付文書の読み方」
・医薬品添付文書とは
・薬事法第52条に従って記載された公的文書
・原則A4用紙4枚まで
・最近は添付文書の改訂の頻度が高くなっている。
→改訂年月が古い添付文書は改訂されていないか注意
・日本標準商品分類番号
→5-6桁の数字
・医薬品の場合は最初の2桁が87
・3-5桁目は薬効分類番号
・新規薬価収載された医薬品は注意!
・薬価収載の属する月の翌月から1年を経過していない場合
→投与期間は14日間が限度となる。
・貯法、使用期限
・使用期限が3年以上の薬品
→使用期限の表示義務なし。
→使用期限表示がある薬品は不安定な薬剤と考える。
・薬効分類名
→表示が統一されていない。
・適応疾患名で記載される「疾患派」
ex)「高血圧・狭心症治療剤」
・作用機序を記載する「機序派」
ex)持続性Ca拮抗剤
・両方書いてあるものも。
・処方箋なしでも買えるOTC
・OTC:Over the Counter:薬局、ドラッグストアで買えるお薬。
・医療用医薬品がOTC化することを「スイッチOTC」と呼ぶ。
→最近はロキソニンのスイッチOTCが話題に。
・エパデールのスイッチOTCには厳しい制約がついた。
・名称
→販売名、一般名、欧文名の3つがある。
・警告
→警告がある添付文書は、用紙の右肩が赤く塗ってある。
・不思議な警告
「ペンタジン錠25mg」には「静注しないこと」との記載が??
→麻薬依存患者の乱用を防ぐ目的。
・ペンタジン錠25mgにはナロキソンが入ってる。
・経口摂取した場合
→ナロキソンは初回肝通過効果を受ける。
→ナロキソンの効果は消失。
→ペンタジンの効果だけが残る。
・無理やり溶かして静注した場合
→ナロキソンも同時に静注される。
→ペンタジンは拮抗されて効果なし。
・禁忌
→治療上必要であれば医師の判断で投与可能。
→ただし薬剤師からは確認の連絡が入る。
・製剤によっても禁忌が変わる場合がある。
・フェノバール散は妊婦には有益性投与。
・ワコビタール坐剤は妊婦には禁忌
・薬剤の組成はよく見てみよう。
・アリナミンF50mg
→1A中にブドウ糖4g入ってる。
→ウェルニッケ脳症の時などアリナミンF大量投与すると・・・
→知らないうちに糖負荷してることに。
・用法及び容量
・適宜増減:適宜増減の範囲は明示されている。
・製剤形態によっても変わる併用禁忌
・フェノバール
→原末、散、錠、エリキシルの形態が。
・エリキシルはエタノールを含む。
→ジスルフィラムやシアナミドと併用禁忌となる。
・ちょっとここで薬物動態学
・分布容積
→数値が大きいほど体内に薬剤が分布していることに。
・半減期とクリアランス
・クリアランスが大きければ体内から早く消失?
→分布容積が大きければそうとも限らない。
→消失速度定数を見る。
・肝代謝か、腎代謝か?
・添付文書に直接記載がない場合はどこを見たらいい?
→「有効成分に関する理化学的所見」
→「分配係数」or logPを見る。
・分配係数が1以下なら腎排泄、1以上なら肝代謝
・logPがマイナスなら腎排泄、プラスなら肝代謝
2013年8月14日水曜日
頭蓋内圧亢進患者の管理
「麻酔科EBM勉強会」 担当:O先生
「頭蓋内圧亢進患者の管理」
・ICP:頭蓋内圧 CCP:脳灌流圧
・ICPとCCPに影響を与える因子
・麻酔
・過換気
・人工呼吸管理
・高浸透圧製剤の使用
・体位
・減圧術
・CCP=MAPーICP
・ICPとCCPはどの程度に管理すべきか。
・ICPは20mmHg以下にすべき。
・CCPは70mmHg以上にすべきではない。
・麻酔の影響
・吸入麻酔薬
・CMRO2(cerebral metablolic rate of oxygen)下げる。
・脳血管を直接拡張させる
→脳血流量は増やし、ICPは上昇
・CMRO2減少による脳血管収縮作用 vs 血管拡張作用
→CBFは変化しないかむしろ減少との報告も
・steal phenomenon
・吸入麻酔薬による血管拡張と血流増加
→正常脳血管のみで生じる
→虚血脳組織への血流がさらに低下してしまう
・2MACまでのsevflurane
→脳血流速度には変化がないという報告も。
・静脈麻酔薬(propofolとかetomidateとか)
・脳血管を収縮させる
→CBF↓、CBV↓、ICP↓
→CMRO2↓
・ただし正常脳組織ならoutoregulationは保たれる。
・プロポフォール麻酔+過換気の併用
→SjO2値が脳虚血レベルの50%を切る頻度が増加する。
・オピオイド
・オピオイドガICPに与える影響はcontroversial
・remifentanylはICP、CBF共に変化させないという報告
・過換気の影響
・動脈血低CO2血症は脳血管を収縮させる
→脳血管抵抗↑
→CBF↓、CBV↓、ICP↓
・病変部位では酸素とグルコースの運搬に影響をあたえる可能性。
・一時的効果はあるが長期間では悪影響
・人工呼吸(+PEEP)の影響
・胸腔内圧の上昇
→静脈灌流の阻害によりICP↑
→血圧低下によりCPP↓
・高浸透圧療法
・マンニトール
・マンニトール(0.25-1.0g/kg)がICP上昇の治療薬の基本
・マンニトールの予防投与はすべきでない。
・高張食塩水
・有効である可能性。
→大きな合併症なくICPを下げる。
・副作用に注意。
・血小板凝集障害による出血
・PT、APTT延長
・高クロール性アシドーシス
・橋中心髄鞘崩壊症
→頭部外傷では極めて稀だが。。。
・体位
・MAPが維持されている限り・・・
→30-40度のヘッドアップはICPを下げる。
・開頭減圧術
・内科的治療と比較したstudy
→人工呼吸器装着、ICU滞在は開頭術のほうが短かったとの報告。
「頭蓋内圧亢進患者の管理」
・ICP:頭蓋内圧 CCP:脳灌流圧
・ICPとCCPに影響を与える因子
・麻酔
・過換気
・人工呼吸管理
・高浸透圧製剤の使用
・体位
・減圧術
・CCP=MAPーICP
・ICPとCCPはどの程度に管理すべきか。
・ICPは20mmHg以下にすべき。
・CCPは70mmHg以上にすべきではない。
・麻酔の影響
・吸入麻酔薬
・CMRO2(cerebral metablolic rate of oxygen)下げる。
・脳血管を直接拡張させる
→脳血流量は増やし、ICPは上昇
・CMRO2減少による脳血管収縮作用 vs 血管拡張作用
→CBFは変化しないかむしろ減少との報告も
・steal phenomenon
・吸入麻酔薬による血管拡張と血流増加
→正常脳血管のみで生じる
→虚血脳組織への血流がさらに低下してしまう
・2MACまでのsevflurane
→脳血流速度には変化がないという報告も。
・静脈麻酔薬(propofolとかetomidateとか)
・脳血管を収縮させる
→CBF↓、CBV↓、ICP↓
→CMRO2↓
・ただし正常脳組織ならoutoregulationは保たれる。
・プロポフォール麻酔+過換気の併用
→SjO2値が脳虚血レベルの50%を切る頻度が増加する。
・オピオイド
・オピオイドガICPに与える影響はcontroversial
・remifentanylはICP、CBF共に変化させないという報告
・過換気の影響
・動脈血低CO2血症は脳血管を収縮させる
→脳血管抵抗↑
→CBF↓、CBV↓、ICP↓
・病変部位では酸素とグルコースの運搬に影響をあたえる可能性。
・一時的効果はあるが長期間では悪影響
・人工呼吸(+PEEP)の影響
・胸腔内圧の上昇
→静脈灌流の阻害によりICP↑
→血圧低下によりCPP↓
・高浸透圧療法
・マンニトール
・マンニトール(0.25-1.0g/kg)がICP上昇の治療薬の基本
・マンニトールの予防投与はすべきでない。
・高張食塩水
・有効である可能性。
→大きな合併症なくICPを下げる。
・副作用に注意。
・血小板凝集障害による出血
・PT、APTT延長
・高クロール性アシドーシス
・橋中心髄鞘崩壊症
→頭部外傷では極めて稀だが。。。
・体位
・MAPが維持されている限り・・・
→30-40度のヘッドアップはICPを下げる。
・開頭減圧術
・内科的治療と比較したstudy
→人工呼吸器装着、ICU滞在は開頭術のほうが短かったとの報告。
NAVAについて
「麻酔科勉強会」 担当:M先生
「NAVAについて」
・NAVA
・Neurally Adjusted Ventilatory Assist
→神経調節補助換気
・横隔膜の電気的活動を利用
・呼吸補助のタイミングや吸気圧、換気量を制御
・NIVでも使用可能、同調性が良い
・横隔膜電気的活動(Edi)
・Electrical activity of the diaphragm:Edi
・Edi測定用の電極のついた特殊な胃管を挿入し測定
・Ediカテーテル挿入方法
・身長、体重からチューブサイズを決める
・鼻梁、耳たぶ、剣状突起間距離を測定(NEX値)
・NEX値を基に挿入距離を決定
・Ediトリガーの設定
・換気補助開始のトリガーであるEdiトリガーを設定
・Ediトリガー:μV
(0.0~2.0μv、初期値0.5μv)
・NAVAlevelの設定
・換気補助の割合を決定する因子
・患者のEdi信号に比例して換気補助が行われるため生理的
・呼吸器疾患を持つ患者
→Ediは健常者よりも高値
・呼気トリガー
→Ediが最大値(Edi peak)の70%に低下すると呼気相となる
・患者呼吸器間の同調性
・過剰な補助しない
・Trigger delayが少ない
・Air trappingを防ぐ
・呼吸サイクルの非同期を防ぐ
→患者-呼吸器間の同調性が良い
・NIVでも良好な同調性との報告
・より生理的な呼吸との報告
・小児に対しては?
・小児、新生児でも同調性は良好
・エアーリークがあっても同調性は良好
・低出生体重児にも使える
・酸素化は改善したりしなかったり
・最大気道内圧も低下したり変わらなかったり
・呼吸vitalとしてのEdi
・最適なPEEP値を決定するのに有用
・呼吸器離脱の際にも参考になる
・他の換気モードで非同期を検出するのに有用
・再挿管した患者ではEdiが有意に高かった
・進行した筋ジストロフィ患者で横隔膜機能の評価に有用
「NAVAについて」
・NAVA
・Neurally Adjusted Ventilatory Assist
→神経調節補助換気
・横隔膜の電気的活動を利用
・呼吸補助のタイミングや吸気圧、換気量を制御
・NIVでも使用可能、同調性が良い
・横隔膜電気的活動(Edi)
・Electrical activity of the diaphragm:Edi
・Edi測定用の電極のついた特殊な胃管を挿入し測定
・Ediカテーテル挿入方法
・身長、体重からチューブサイズを決める
・鼻梁、耳たぶ、剣状突起間距離を測定(NEX値)
・NEX値を基に挿入距離を決定
・Ediトリガーの設定
・換気補助開始のトリガーであるEdiトリガーを設定
・Ediトリガー:μV
(0.0~2.0μv、初期値0.5μv)
・NAVAlevelの設定
・換気補助の割合を決定する因子
・患者のEdi信号に比例して換気補助が行われるため生理的
・呼吸器疾患を持つ患者
→Ediは健常者よりも高値
・呼気トリガー
→Ediが最大値(Edi peak)の70%に低下すると呼気相となる
・患者呼吸器間の同調性
・過剰な補助しない
・Trigger delayが少ない
・Air trappingを防ぐ
・呼吸サイクルの非同期を防ぐ
→患者-呼吸器間の同調性が良い
・NIVでも良好な同調性との報告
・より生理的な呼吸との報告
・小児に対しては?
・小児、新生児でも同調性は良好
・エアーリークがあっても同調性は良好
・低出生体重児にも使える
・酸素化は改善したりしなかったり
・最大気道内圧も低下したり変わらなかったり
・呼吸vitalとしてのEdi
・最適なPEEP値を決定するのに有用
・呼吸器離脱の際にも参考になる
・他の換気モードで非同期を検出するのに有用
・再挿管した患者ではEdiが有意に高かった
・進行した筋ジストロフィ患者で横隔膜機能の評価に有用
2013年8月10日土曜日
心臓手術とノボセブン
麻酔科勉強会 担当:H先生
「心臓手術とノボセブン」
・ノボセブン
→遺伝子組換え活性型血液凝固第VII因子製剤
・適応
・血液凝固第VIII因子又は第IX因子に対する
インヒビターを保有する先天性血友病患者の出血抑制
・後天性血友病患者の出血抑制
・先天性第VII因子欠乏症患者における出血傾向の抑制
・血小板に対する同種抗体を保有し、
血小板輸血不応状態が過去又は現在みられる
グランツマン血小板無力症患者の出血傾向の抑制
・止血メカニズム
・内因系凝固カスケードを介さず直接第Ⅹ因子を活性化
→トロンビン産生を促す。
・十分なフィブリノーゲンがないと凝固系は機能しない。
・もちろん正常機能を持つ血小板は不可欠。
・ノボセブンの適応外使用
・外傷
・血小板数・機能低下時の出血
・吐血、下血
・心臓大血管手術
・肝移植
・その他の大量出血手術など
・2000年、Al Douriら
→CPB離脱後の出血に対してrFⅦa 30μg/kgの投与
→出血量が劇的に減少した。
→ここから心臓血管手術におけるrFⅦaの使用報告が急増。
・米国での使用状況
・2008年には17813症例でrFⅦaが承認適応外使用
→全使用症例の97%
・心臓血管外科手術の使用が急激に増加
→適応外使用の1/4を占める。
・ノボセブンの安全性
Safety of Recombinant Activated Factor VII in Randomized Clinical Trials.
・rFⅦaにより血栓塞栓系の有害事象は増えそうである。
・特に動脈血栓塞栓が増えるらしい。
・動脈の中では冠動脈イベントがより増えるらしい。
・頭蓋内出血に対するrFⅦaの使用
→有意に有害事象を増やしそうである。
・有害事象はdose-dependentに増えていくのであろう。
・投与量
・最近の報告になるに従ってlow-doseになる傾向?
・10-20μg/kg程度のボーラス投与でも有効との報告も。
・心臓大血管手術におけるノボセブンの適応外使用
The role of recombinant factor VIIa in on-pump cardiac surgery: Proceedings of the Canadian Consensus Conference.
・(心臓手術における)prophylactic use
・人工心肺離脱し、プロタミンリバース後投与
・全例投与
or 大量出血が見込まれる、または輸血拒否患者
・輸血が遅れてしまう可能性あり。
・有害事象に有意差なし。
・全患者に投与することは避けるよう強く推奨。
・大量出血のリスクのある患者には有効かも。
The role of recombinant factor VIIa in on-pump cardiac surgery: Proceedings of the Canadian Consensus Conference.
・routine use
・凝固異常のある、または見込まれる出血患者
・通常の止血療法の併用または代替として行う
・有害事象の頻度に有意差は認めないが、
有意に良いエンドポイントが得られているわけでもなく、
今のところ推奨できるものではない。
The role of recombinant factor VIIa in on-pump cardiac surgery: Proceedings of the Canadian Consensus Conference.
・rescue use
・標準的な止血療法を最大限に行っても反応しない大量出血
・rescue useとしてのrFⅦaの使用
→ベネフィットがリスクを上回ると考えられるため推奨
→推奨度は弱く、制限もある。
・脳血管障害をもつ患者に使用すると有害事象が起こりやすい。
・“refractoriness”の判断
→できるだけ出血の早期に、アグレッシブに行う。
→rFⅦaの効果が最大限に出やすい。
・ノボセブンとPint of Care
The Utility of Thromboelastography for Guiding Recombinant Activated Factor Ⅶ Therapy for Refractory hemorrhage After cardiac Surgery.
・rFⅦaを投与した患者をresponder(28人)vs nonresponder(10人)で比較。
・投与前のTEGデータがresponderの予測因子となりうるか。
・rFⅦa投与前のTEGデータが4つ中2つで異常値
→nonresponderとなる確率が高い。
Change in Hemostatic Intervention After Implementation of Thromboelasto- metry.
・2008年12月にROTEMを導入した施設での研究。
・2008年の心臓手術(811件)と2009年(865件)で、
輸血必要量、rFⅦa使用量、フィブリノゲン製剤使用量を比較。
ちなみに2009年のうち146症例でROTEMを使用。
・結果、輸血量は有意差なし、rFⅦa使用量は有意に減少、
フィブリノゲン投与量は有意に増加した。
・まとめ
・ノボセブン使用前に確認すべきこと
・適正なHb
・適正な血小板数と機能
・適正な凝固機能(PTやAPTTよりもROTEMを使用した方が良い?)
・抗線溶薬の投与
・(術後ICUで・・・)術者に再開胸の意思確認
・CABGでは入れない方がいいかもしれない。
「心臓手術とノボセブン」
・ノボセブン
→遺伝子組換え活性型血液凝固第VII因子製剤
・適応
・血液凝固第VIII因子又は第IX因子に対する
インヒビターを保有する先天性血友病患者の出血抑制
・後天性血友病患者の出血抑制
・先天性第VII因子欠乏症患者における出血傾向の抑制
・血小板に対する同種抗体を保有し、
血小板輸血不応状態が過去又は現在みられる
グランツマン血小板無力症患者の出血傾向の抑制
・止血メカニズム
・内因系凝固カスケードを介さず直接第Ⅹ因子を活性化
→トロンビン産生を促す。
・十分なフィブリノーゲンがないと凝固系は機能しない。
・もちろん正常機能を持つ血小板は不可欠。
・ノボセブンの適応外使用
・外傷
・血小板数・機能低下時の出血
・吐血、下血
・心臓大血管手術
・肝移植
・その他の大量出血手術など
・2000年、Al Douriら
→CPB離脱後の出血に対してrFⅦa 30μg/kgの投与
→出血量が劇的に減少した。
→ここから心臓血管手術におけるrFⅦaの使用報告が急増。
・米国での使用状況
・2008年には17813症例でrFⅦaが承認適応外使用
→全使用症例の97%
・心臓血管外科手術の使用が急激に増加
→適応外使用の1/4を占める。
・ノボセブンの安全性
Safety of Recombinant Activated Factor VII in Randomized Clinical Trials.
・rFⅦaにより血栓塞栓系の有害事象は増えそうである。
・特に動脈血栓塞栓が増えるらしい。
・動脈の中では冠動脈イベントがより増えるらしい。
・頭蓋内出血に対するrFⅦaの使用
→有意に有害事象を増やしそうである。
・有害事象はdose-dependentに増えていくのであろう。
・投与量
・最近の報告になるに従ってlow-doseになる傾向?
・10-20μg/kg程度のボーラス投与でも有効との報告も。
・心臓大血管手術におけるノボセブンの適応外使用
The role of recombinant factor VIIa in on-pump cardiac surgery: Proceedings of the Canadian Consensus Conference.
・(心臓手術における)prophylactic use
・人工心肺離脱し、プロタミンリバース後投与
・全例投与
or 大量出血が見込まれる、または輸血拒否患者
・輸血が遅れてしまう可能性あり。
・有害事象に有意差なし。
・全患者に投与することは避けるよう強く推奨。
・大量出血のリスクのある患者には有効かも。
The role of recombinant factor VIIa in on-pump cardiac surgery: Proceedings of the Canadian Consensus Conference.
・routine use
・凝固異常のある、または見込まれる出血患者
・通常の止血療法の併用または代替として行う
・有害事象の頻度に有意差は認めないが、
有意に良いエンドポイントが得られているわけでもなく、
今のところ推奨できるものではない。
The role of recombinant factor VIIa in on-pump cardiac surgery: Proceedings of the Canadian Consensus Conference.
・rescue use
・標準的な止血療法を最大限に行っても反応しない大量出血
・rescue useとしてのrFⅦaの使用
→ベネフィットがリスクを上回ると考えられるため推奨
→推奨度は弱く、制限もある。
・脳血管障害をもつ患者に使用すると有害事象が起こりやすい。
・“refractoriness”の判断
→できるだけ出血の早期に、アグレッシブに行う。
→rFⅦaの効果が最大限に出やすい。
・ノボセブンとPint of Care
The Utility of Thromboelastography for Guiding Recombinant Activated Factor Ⅶ Therapy for Refractory hemorrhage After cardiac Surgery.
・rFⅦaを投与した患者をresponder(28人)vs nonresponder(10人)で比較。
・投与前のTEGデータがresponderの予測因子となりうるか。
・rFⅦa投与前のTEGデータが4つ中2つで異常値
→nonresponderとなる確率が高い。
Change in Hemostatic Intervention After Implementation of Thromboelasto- metry.
・2008年12月にROTEMを導入した施設での研究。
・2008年の心臓手術(811件)と2009年(865件)で、
輸血必要量、rFⅦa使用量、フィブリノゲン製剤使用量を比較。
ちなみに2009年のうち146症例でROTEMを使用。
・結果、輸血量は有意差なし、rFⅦa使用量は有意に減少、
フィブリノゲン投与量は有意に増加した。
・まとめ
・ノボセブン使用前に確認すべきこと
・適正なHb
・適正な血小板数と機能
・適正な凝固機能(PTやAPTTよりもROTEMを使用した方が良い?)
・抗線溶薬の投与
・(術後ICUで・・・)術者に再開胸の意思確認
・CABGでは入れない方がいいかもしれない。
2013年8月8日木曜日
感染性心内膜炎
ICU勉強会 担当:N先生
「感染性心内膜炎」
・感染性心内膜炎(IE)とは
・弁膜、心内膜に細菌集蔟を含む疣腫(vegetation)を形成
→菌血症、血管塞栓、心障害など
多彩な臨床症状を呈する全身性敗血症性疾患
・IE発症の流れ
・異常血流の影響:弁膜症、先天性心疾患など
・異物の影響:人工弁など
→NBTE(nonbacterial thrombogenic endocarditis)
→菌血症
→vegetationの形成
・症状・身体所見
・発熱:80~85%で認める
・心雑音:80~85%で聴取
・末梢血管病変:点状出血、Osler結節、Janeway発疹、Roth班
・関節痛、筋肉痛:全体の15~50%
・全身性塞栓症:脳・腎・脾・心筋梗塞、腸管虚血など
・神経学的症状:脳塞栓・頭蓋内出血
・うっ血性心不全
・腎不全:糸球体腎炎・血行動態の障害・抗菌薬の腎毒性
・DUKE基準について
・治療方針
・心内膜、弁に形成された疣腫から
原因となった病原微生物を死滅させる
・原因菌が判明しているかが重要。
・菌が分離されたらMICを測定する
・streptococci:ペニシリンG感受性連鎖球菌
・静脈炎を合併する場合ABPCに変更
・ペニシリンアレルギーでは即時型でなければCEZやCTRXの投与も可
・病状の進行は数週間~数か月
・PVEでは腸球菌(後述)と同様4~6週の治療期間
・streptococci:ペニシリンG低感受性連鎖球菌
・基本的にPCGとGMの併用療法
・VCMを使用する場合GMの併用はなくてもよい
・PVEでは腸球菌(後述)に準じた治療
・Enterococci:腸球菌
・60歳以上の高齢者に多い
・脳合併症を除けば臨床的には亜急性の経過をとる
・併用療法が原則
・ペニシリンアレルギーではVCMかTEICを使用
・GMの併用を4週間。PVEでは4~6週間併用
・Staphylococci:メチシリン感受性ブドウ球菌
・急性の経過をとる
・PCGやABPCは多くの場合無効
・PVEの場合、治療期間は6~8週でGM併用期間を2週間。
・RFP併用することもある
・Staphylococci:メチシリン耐性ブドウ球菌
・代表的菌種はMRSA
・MRSEもMRSAに準じて治療する
・PVEの場合、VCMの投与は6~8週、
アミノグリコシド系を2週間併用。
さらにRFPを2~6週間併用することもある
・グラム陰性菌(HACEK群を含む)
・頻度は数%~10%程度
・CTRXまたはCTMを4~6週間投与
(その他の第3・4世代セフェム系も可)
・腸内細菌や緑膿菌では感受性のある第3・4世代セフェム系と
アミノグリコシド系の併用
・Fungi:真菌
・カンジダ属が大部分を占める
・抗真菌活性の高いリポソームアムホテリシンBが選択される
・フルシトシン(5-FC)を併用することもある
・ミカファンギンも今後の検討が待たれる
・真菌性IE
→まず外科的治療を考慮したうえで抗真菌薬投与を行うべき
・外科的治療の適応
・うっ血性心不全
・NYHA分類Ⅲ~Ⅳ度の心不全、Ⅱ度でも心不全・肺高血圧がある
・抵抗性感染
・適切な抗生剤の投与後も感染所見が持続する
・薬物治療が奏功しがたい真菌・グラム陰性菌・MRSAなど
・弁輪膿瘍・房室ブロックなど感染巣の弁輪への波及
・感染性塞栓症
・可動性のある10㎜以上の疣腫が増大傾向にある
・重篤な心不全を認める脳合併症患者
・外科手技
・僧帽弁置換術
・僧帽弁形成術
・弁輪部再建
・基部置換術(ホモグラフトが推奨される)
・合併症
・うっ血性心不全
・IEの最大の予後規定因子
・炎症による弁破壊による弁閉鎖不全の増悪が原因
→弁尖の穿孔、腱索断裂、
弁周囲感染からの裂開・シャントなど
・自己弁IEの場合の発症率
・大動脈弁29% 僧帽弁20% 三尖弁8%
・頻度の高い起因菌
・Staphylococcus aureus が最多
・Enterococci, S,pneumoniae, なども合併率高い
・基本的には外科手術が必要
・活動性IE時の置換弁再発率は2~3%
・弁周囲感染
・感染が弁輪部を超えて周囲組織に広がり、膿瘍を形成
・瘻孔、心内シャント
→血行動態の突然の悪化もの可能性
・自己弁IEの10~14%
・大動脈弁IEに多い → AVblock・LBBBが続発
・人工弁IEの45~60%に合併
・僧帽弁IEにも高率に生じる
・機械弁では初期感染巣は弁輪部が多い(56~100%)
・診断にはTEEが有用(感度87% 特異度95%)
・うっ血性心不全の合併に関わらず、基本的に外科手術の適応
・塞栓症
・IEに全身性塞栓症を発症する頻度は27~45%
・中枢神経系が60~70%の頻度
その他、脾臓・腎臓・肺・冠動脈・
肝臓・腸管膜動脈・末梢動脈など
・疣腫>10mm(odds比 2.80)、可動性が大きい と頻度が高くなる
・塞栓発症の予測にTEEが有用
・脳合併症
・頻度は20~40%
・64.6% 脳梗塞
・31.5% 脳出血(出血性梗塞・感染瘤破裂によるクモ膜下出血)
・2.8% 脳膿瘍
・1.1% 髄膜炎
・神経系合併症の原因菌はStaphylococcus aureusが多い
「感染性心内膜炎」
・感染性心内膜炎(IE)とは
・弁膜、心内膜に細菌集蔟を含む疣腫(vegetation)を形成
→菌血症、血管塞栓、心障害など
多彩な臨床症状を呈する全身性敗血症性疾患
・IE発症の流れ
・異常血流の影響:弁膜症、先天性心疾患など
・異物の影響:人工弁など
→NBTE(nonbacterial thrombogenic endocarditis)
→菌血症
→vegetationの形成
・症状・身体所見
・発熱:80~85%で認める
・心雑音:80~85%で聴取
・末梢血管病変:点状出血、Osler結節、Janeway発疹、Roth班
・関節痛、筋肉痛:全体の15~50%
・全身性塞栓症:脳・腎・脾・心筋梗塞、腸管虚血など
・神経学的症状:脳塞栓・頭蓋内出血
・うっ血性心不全
・腎不全:糸球体腎炎・血行動態の障害・抗菌薬の腎毒性
・DUKE基準について
・治療方針
・心内膜、弁に形成された疣腫から
原因となった病原微生物を死滅させる
・原因菌が判明しているかが重要。
・菌が分離されたらMICを測定する
・streptococci:ペニシリンG感受性連鎖球菌
・静脈炎を合併する場合ABPCに変更
・ペニシリンアレルギーでは即時型でなければCEZやCTRXの投与も可
・病状の進行は数週間~数か月
・PVEでは腸球菌(後述)と同様4~6週の治療期間
・streptococci:ペニシリンG低感受性連鎖球菌
・基本的にPCGとGMの併用療法
・VCMを使用する場合GMの併用はなくてもよい
・PVEでは腸球菌(後述)に準じた治療
・Enterococci:腸球菌
・60歳以上の高齢者に多い
・脳合併症を除けば臨床的には亜急性の経過をとる
・併用療法が原則
・ペニシリンアレルギーではVCMかTEICを使用
・GMの併用を4週間。PVEでは4~6週間併用
・Staphylococci:メチシリン感受性ブドウ球菌
・急性の経過をとる
・PCGやABPCは多くの場合無効
・PVEの場合、治療期間は6~8週でGM併用期間を2週間。
・RFP併用することもある
・Staphylococci:メチシリン耐性ブドウ球菌
・代表的菌種はMRSA
・MRSEもMRSAに準じて治療する
・PVEの場合、VCMの投与は6~8週、
アミノグリコシド系を2週間併用。
さらにRFPを2~6週間併用することもある
・グラム陰性菌(HACEK群を含む)
・頻度は数%~10%程度
・CTRXまたはCTMを4~6週間投与
(その他の第3・4世代セフェム系も可)
・腸内細菌や緑膿菌では感受性のある第3・4世代セフェム系と
アミノグリコシド系の併用
・Fungi:真菌
・カンジダ属が大部分を占める
・抗真菌活性の高いリポソームアムホテリシンBが選択される
・フルシトシン(5-FC)を併用することもある
・ミカファンギンも今後の検討が待たれる
・真菌性IE
→まず外科的治療を考慮したうえで抗真菌薬投与を行うべき
・外科的治療の適応
・うっ血性心不全
・NYHA分類Ⅲ~Ⅳ度の心不全、Ⅱ度でも心不全・肺高血圧がある
・抵抗性感染
・適切な抗生剤の投与後も感染所見が持続する
・薬物治療が奏功しがたい真菌・グラム陰性菌・MRSAなど
・弁輪膿瘍・房室ブロックなど感染巣の弁輪への波及
・感染性塞栓症
・可動性のある10㎜以上の疣腫が増大傾向にある
・重篤な心不全を認める脳合併症患者
・外科手技
・僧帽弁置換術
・僧帽弁形成術
・弁輪部再建
・基部置換術(ホモグラフトが推奨される)
・合併症
・うっ血性心不全
・IEの最大の予後規定因子
・炎症による弁破壊による弁閉鎖不全の増悪が原因
→弁尖の穿孔、腱索断裂、
弁周囲感染からの裂開・シャントなど
・自己弁IEの場合の発症率
・大動脈弁29% 僧帽弁20% 三尖弁8%
・頻度の高い起因菌
・Staphylococcus aureus が最多
・Enterococci, S,pneumoniae, なども合併率高い
・基本的には外科手術が必要
・活動性IE時の置換弁再発率は2~3%
・弁周囲感染
・感染が弁輪部を超えて周囲組織に広がり、膿瘍を形成
・瘻孔、心内シャント
→血行動態の突然の悪化もの可能性
・自己弁IEの10~14%
・大動脈弁IEに多い → AVblock・LBBBが続発
・人工弁IEの45~60%に合併
・僧帽弁IEにも高率に生じる
・機械弁では初期感染巣は弁輪部が多い(56~100%)
・診断にはTEEが有用(感度87% 特異度95%)
・うっ血性心不全の合併に関わらず、基本的に外科手術の適応
・塞栓症
・IEに全身性塞栓症を発症する頻度は27~45%
・中枢神経系が60~70%の頻度
その他、脾臓・腎臓・肺・冠動脈・
肝臓・腸管膜動脈・末梢動脈など
・疣腫>10mm(odds比 2.80)、可動性が大きい と頻度が高くなる
・塞栓発症の予測にTEEが有用
・脳合併症
・頻度は20~40%
・64.6% 脳梗塞
・31.5% 脳出血(出血性梗塞・感染瘤破裂によるクモ膜下出血)
・2.8% 脳膿瘍
・1.1% 髄膜炎
・神経系合併症の原因菌はStaphylococcus aureusが多い
Journal超ななめ読み7月
「Journal超ななめ読み7月」
Effects of patient-directed music intervention on anxiety and sedative exposure in critically ill patients receiving mechanical ventilatory support: a randomized clinical trial.
音楽がICU人工呼吸患者の不安と鎮静薬使用に与える影響についてのRCT
JAMA. 2013 Jun 12;309(22):2335-44.
Trendelenburg Position Does Not Increase Cross-Sectional Area of the Internal Jugular Vein Predictably.
頭低位にしても内頸静脈径は変わらない。
Chest. 2013 Feb 7. doi: 10.1378/chest.11-2462.
Symptomatic local anaesthetic toxicity and plasma ropivacaine concentrations after transversus abdominis plane block for Caesarean section.
帝王切開術に対するTAPブロック後の症候性局所麻酔薬中毒と血中局所麻酔薬濃度
Br J Anaesth. 2013 Jun;110(6):996-1000.
A salty taste to autoimmunity.
塩分と自己免疫疾患
N Engl J Med. 2013 Jun 27;368(26):2520-1
Outcomes of Morbidly Obese Patients Receiving Invasive Mechanical Ventilation: A Nationwide Analysis.
人工呼吸を受ける病的肥満患者のアウトカム
Chest. 2013 Jan 24. doi: 10.1378/chest.12-2310
Targeted versus universal decolonization to prevent ICU infection.
ICUでの感染予防における標的除菌vs全例除菌
N Engl J Med. 2013 Jun 13;368(24):2255-65.
Rapid blood-pressure lowering in patients with acute intracerebral hemorrhage.
急性期脳出血患者に対する急速降圧療法
N Engl J Med. 2013 Jun 20;368(25):2355-65.
Protective mechanical ventilation during general anesthesia for open abdominal surgery improves postoperative pulmonary function.
全身麻酔開腹手術における肺保護換気は術後呼吸機能を改善させる
Anesthesiology. 2013 Jun;118(6):1307-21.
Prone positioning in severe acute respiratory distress syndrome.
重症ARDSに対する腹臥位療法
N Engl J Med. 2013 Jun 6;368(23):2159-68.
・音楽聴かせると不安と鎮静薬使用頻度、使用量が減らせる可能性。
・頭低位にしても内頸静脈径は大して変わらず、むしろ減る人も。
・妊婦のTAPブロックでは30分後に血中局所麻酔薬濃度が最高値になる。
・塩分誘発のTh17発現を抑えれば自己免疫疾患の増悪を防げるかも。
・病的肥満患者も非肥満患者も病院死亡率は変わらなかった。
・全例除菌は血流感染症の減少およびMRSA株分離に有効。
・脳出血患者に対する急速降圧療法はoutcomeを変えなかった。
・やや低tidal+PEEPで術後呼吸機能上昇、合併症低下する。
・重症ARDS、早期に腹臥位で生存率が上がる。
Effects of patient-directed music intervention on anxiety and sedative exposure in critically ill patients receiving mechanical ventilatory support: a randomized clinical trial.
音楽がICU人工呼吸患者の不安と鎮静薬使用に与える影響についてのRCT
JAMA. 2013 Jun 12;309(22):2335-44.
Trendelenburg Position Does Not Increase Cross-Sectional Area of the Internal Jugular Vein Predictably.
頭低位にしても内頸静脈径は変わらない。
Chest. 2013 Feb 7. doi: 10.1378/chest.11-2462.
Symptomatic local anaesthetic toxicity and plasma ropivacaine concentrations after transversus abdominis plane block for Caesarean section.
帝王切開術に対するTAPブロック後の症候性局所麻酔薬中毒と血中局所麻酔薬濃度
Br J Anaesth. 2013 Jun;110(6):996-1000.
A salty taste to autoimmunity.
塩分と自己免疫疾患
N Engl J Med. 2013 Jun 27;368(26):2520-1
Outcomes of Morbidly Obese Patients Receiving Invasive Mechanical Ventilation: A Nationwide Analysis.
人工呼吸を受ける病的肥満患者のアウトカム
Chest. 2013 Jan 24. doi: 10.1378/chest.12-2310
Targeted versus universal decolonization to prevent ICU infection.
ICUでの感染予防における標的除菌vs全例除菌
N Engl J Med. 2013 Jun 13;368(24):2255-65.
Rapid blood-pressure lowering in patients with acute intracerebral hemorrhage.
急性期脳出血患者に対する急速降圧療法
N Engl J Med. 2013 Jun 20;368(25):2355-65.
Protective mechanical ventilation during general anesthesia for open abdominal surgery improves postoperative pulmonary function.
全身麻酔開腹手術における肺保護換気は術後呼吸機能を改善させる
Anesthesiology. 2013 Jun;118(6):1307-21.
Prone positioning in severe acute respiratory distress syndrome.
重症ARDSに対する腹臥位療法
N Engl J Med. 2013 Jun 6;368(23):2159-68.
・音楽聴かせると不安と鎮静薬使用頻度、使用量が減らせる可能性。
・頭低位にしても内頸静脈径は大して変わらず、むしろ減る人も。
・妊婦のTAPブロックでは30分後に血中局所麻酔薬濃度が最高値になる。
・塩分誘発のTh17発現を抑えれば自己免疫疾患の増悪を防げるかも。
・病的肥満患者も非肥満患者も病院死亡率は変わらなかった。
・全例除菌は血流感染症の減少およびMRSA株分離に有効。
・脳出血患者に対する急速降圧療法はoutcomeを変えなかった。
・やや低tidal+PEEPで術後呼吸機能上昇、合併症低下する。
・重症ARDS、早期に腹臥位で生存率が上がる。
登録:
投稿 (Atom)