2013年5月28日火曜日

胸腹部大動脈瘤手術における脊髄保護

ICU勉強会  担当:K先生

「胸腹部大動脈瘤手術における脊髄保護」

・胸腹部瘤手術における脊髄合併症に関わる因子
  ・Adamkiewicz動脈の再建の有無
  ・術中の動脈遮断時間
  ・術中灌流方法
  ・脊髄血流動態の個人差(前脊髄動脈の連続性)
  ・上半身の高血圧
  ・下半身低血圧
  ・脳脊髄圧の上昇
・脊髄保護について
  ・mPSL、ナロキソンが効果あり?
  ・CCBは効果ありといわれていたが無効?
・脊髄灌流圧(SCPP)=MAP-CSFP
  ・MAP↑、CSFP<10?は合理的?
  ・MAP>90・・・これも症例報告レベル
・オピオイドは悪か、ナロキソンは善か。
  ・脳虚血患者のモルヒネ投与で麻痺の悪化、
   ノロキソン静注で改善
              Lancet. 1981; 2: 272-275
  ・高用量ナロキソンには脊髄保護作用あり(ウサギ)
              Eur J Pharmacol. 1984; 103: 115-120
  ・胸腹部大動脈瘤患者の麻酔導入前
     ~術後48時間低用量ナロキソン(1μg/kg/hr)投与
   →対麻痺発生率低下(historical control)
              J Vasc Surg. 1994; 19:236-248
  ・脊髄ドレナージ単独群11例 vs
        ドレナージ+ナロキソン(1μg/kg/hr)併用群16例
   →脊髄障害の発生に差なし
              J Vasc Surg. 2004; 40: 681-690
  ・頚髄損傷患者に対するナロキソン投与のRCT
   受傷8時間以内にナロキソン5.4mg静注+4mg/kg/hで23時間投与
   →脊髄保護効果なし
              NEJM. 1990; 322: 1405-1411
  ・オピオイドはかなり高用量のオピオイドで
   脊髄障害起こったり起こらなかったり・・・(動物)
   →通常使用量なら問題ない?