ICU勉強会 担当:K先生
「Abdominal Compartment Syndrome」
・Intraavdominal pressure(IAP)
・Normal:5〜7mmHg
・BMIと相関し、病的肥満患者や妊娠中で
・10〜15mmHg程度
・Abdominal perfusion pressure(AAP)
・APP=MAP-IAP
・APPは腹腔内臓器灌流の最も良い指標(pHや乳酸値、尿量より)
・APPを60mmHg以上に保つことがIAH、ACSの予後と相関
・primary:
→腹部骨盤の疾患による(腹部外傷や膵炎、術後など)
・secondary:
→腹部以外の原因(大量輸液)
・外傷:ショックで大量輸液をするとリスク高い
・熱傷
・腹腔内の疾患
→大量腹水、腸管拡張、腹部手術、腹腔内出血
・後腹膜の疾患
→AAA破裂、骨盤骨折、膵炎
・大量輸液が必要なsepsisや3rdスペースに漏れる疾患
→術後患者など
・腹腔内圧と症状
・10mmHgでも横隔膜の上昇が起こる。
・15mmHg〜乏尿、30mmHg〜無尿
・肝でのLactateクリアランス低下は10mmHgでも起こる。
・20mmHgで腸管粘膜灌流の低下(J trauma 1994;37:488)
・40mmHgでceliac、SMAの血流低下を起こし、
Lactate上昇やbacterial translocationを起こす。
・腹部症状からの>15mmHgの予測:感度56%、特異度87%
・治療
・支持療法が基本(輸液は入れざるを得ない)
・熱傷瘢痕の場合は切開、腹水があれば抜く
・外科的減圧術について明確な手術適応は定まっていない
→IAP>25mmHgで手術すべき
(Surg Clin North Am 1996; 76:833)
→臓器灌流を改善し、ACSを防ぐために
<25mmHgでも手術すべきという意見も多い
→APP<50mmHgでは死亡率が上昇する(J Trauma 2000;69:78)
ため、APPを指標にすべきという意見もある
・一時的な減圧開腹術では改善しないと判断した場合
→応急的な閉腹法を行う