ICU勉強会 担当:S先生
「深在性真菌感染症の治療」
・抗真菌薬の種類
・ポリエン系
→アムホテリシンB
・細胞膜に作用
・細胞膜の透過性亢進+フリーラジカル産生
・殺菌的作用
・アゾール系
→フルコナゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾール
・細胞膜に作用
・細胞膜成分合成酵素阻害
・静菌的作用
・エキノキャンディン系
→ミカファンギン、カスポファンギン
・細胞壁に作用
・βDグルカン合成酵素阻害
・殺菌的作用
・抗真菌薬各論
・ポリエン系
・アムホテリシンB(ファンギゾン、アムビゾーム)
・効かない真菌を覚える。
→C.lusitaniae, A.terreus, Scedosporium spp., Fusarium spp.
・腎毒性、発熱、ふるえ、頻脈
・リポソーム製剤登場で腎毒性は半減した。
・アゾール系
①フルコナゾール(ジフルカン、プロジフ)
・非重症のカンジダ血症に
・Aspergillus spp.に無効
・P450系と干渉:相互作用注意
→ワーファリン、シクロスポリン、タクロリムス、フェニトイン
②ボリコナゾール(ブイフェンド)
・侵襲性アスペルギルスの第一選択薬
→アムホテリシンBとの成績比較に勝利。 ・
・Scedosporium spp., Fusarium spp.,Trichosporon spp.などにも。
③ポサコナゾール(日本未発売)
・Zygomycetesのサルベージ治療で生存率良好
・免疫不全患者などへの予防薬として定着
・エキノキャンディン系
①ミカファンギン(ファンギゾン)
・Candida疑い例に。
・glabrata, kruseiに感受性
・Trichosporonのブレークスルーに注意
・肝排泄。腎毒性なし。
ブレイク
「西市民病院周辺エリア情報」
・真菌感染症の診断
・β-Dグルカンと各真菌
・Aspergillus, Candida, Fusarium, Trichosporonで陽性
・Cryptococcus, Zygomycetesでは陰性
・βDグルカン試薬はカブトガニの血清から作られる。
・β-Dグルカンの偽陽性
・透析でのセルロース膜使用者
・アルブミン製剤やグロブリン製剤使用者
・多発性骨髄腫・サルファ剤・ピシバニール・溶血
・レンチナン、シゾフィランなどのグルカン抗悪性腫瘍薬
・アガリクスなどのキノコ類大量摂取
・カンジダ症のリスクと治療。
・リスク
→広域抗菌薬、長期入院(平均22日)、ICU滞在、
免疫抑制、悪性腫瘍、DM、HIV、栄養不良、
(腸管・心臓)術後、熱傷、カテーテル使用、
TPN、Candida定着状態など。
・内科領域での治療法
・血液内科領域(好中球減少患者)での治療法。
・アスペルギルス症のリスクと治療
・リスク
→長期の重篤な顆粒球減少症、臓器移植(特に肺)、
骨髄移植患者、ステロイド、その他免疫抑制剤など。
・治療
・ムコール症のリスクと治療
・リスク
→DM、代謝性アシドーシス、ステロイド剤、血液悪性腫瘍、
固形癌移植、AIDS、外傷・熱傷、栄養障害など。
・臨床型
→鼻腔~脳、肺、皮膚、腸管、中枢神経系、その他
・治療
→AMPHが標準。PSCZが有効との報告あり。