2012年6月18日月曜日

周術期アナフィラキシー

初期研修医勉強会  担当:O先生

「周術期アナフィラキシー」

・アナフィラキシーの発症機序
  ・IgE介在型
    ・感作・IgE産生→再曝露→アナフィラキシー
    ・アレルゲンに反応したリンパ球によるIgE産生
       →IgE抗体によるMast cell、好塩基球の脱顆粒
       →Chemicalmediatorの放出
       →炎症性細胞の活性化、Chemicalmediator作用
       →アナフィラキシー
    ・「茶のしずく」事件
      ・2005~2011年、4650万個販売された石鹸(1個1050円)
      ・アレルギー発症者約1500人
      ・救急搬送や入院が必要だった重症者172人
      ・小麦加水分解物(グルパール19S)による感作
      ・分子量大きく免疫反応誘発させやすい?
         →天然小麦、加水分解小麦に対するIgE抗体産生
  ・IgE非介在型
    ・アナフィラキシー様反応(臨床的には区別不可)
     ①補体を活性化する反応
     ②直接mast cellを脱顆粒化
      →Mast cellからのchemicalmediatorの放出
      →IgE介在型と同様の反応
    ・造影剤、抗生物質、NSAIDsなどの初回投与
・臨床症状
  ・皮膚症状
    血管性浮腫→全身性蕁麻疹、紅斑、掻痒感
  ・呼吸器
    気管支攣縮→呼吸不全、頻呼吸、チアノーゼ、stridor,wheezes
  ・循環器
    末梢血管拡張、水の間質への移動、心筋抑制
     →血圧低下、頻脈、distributive shock
  ・消化器
    下痢、悪心嘔吐、腹痛
  ・その他
    頭痛、鼻汁、結膜充血、活動低下、不安感
・二相性アナフィラキシー
  ・数時間から数日後(平均7.6時間)に2回目の症状発症
  ・アナフィラキシー症例の10%程度
  ・症状は初回よりも重篤のこともあり、死亡例もある
  ・初期反応後少なくとも8時間は経過観察
  ・ステロイドが発症予防に有効?
・臨床検査
  ・血中ヒスタミン濃度測定
  ・血中半減期20分
  ・発症1時間以内に行う必要あり
  ・血中トリプターゼ濃度測定
  ・肥満細胞に特異的、肥満細胞の活性化の証明
  ・症状発現後3時間前後に行うのが最適
  ・補体活性の検査

ブレイク
「おすすめアニメ」

・周術期アナフィラキシー
  ・疫学:全麻酔件数の1/1万~2万
  ・フランスでは麻酔関連死亡の3%
  ・多くは麻酔導入後数分に発症
・原因物質
  ・筋弛緩薬、抗菌薬、ラテックス、輸液、輸血製剤、
   局所麻酔薬、鎮静薬、オピオイドなど
・アナフィラキシーの判断
  →麻酔中であれば・・・
    ・皮膚所見
    ・顔面・口唇腫脹
      →ドレープがかかっていれば発見困難?
    ・呼吸器系
      →気道内圧上昇、EtCO2の閉塞性パターン
    ・循環器
      →血圧低下、頻脈、徐脈
    ・薬剤投与直後
・治療
  ・軽症には抗ヒスタミン薬
  ・エピネフリン
    →GradeⅡ 10~20μg
    →GradeⅢ 100~200μg
    →Grade Ⅳ 1mgに加えてCPR(CPRのアルゴリズム)
  ・原因薬剤の投与中止
  ・原因物質特定は困難
  ・大量輸液
  ・500~2000mlの細胞外液
  ・麻酔・手術の中止