初期研修医勉強会 担当:O先生
「周術期アナフィラキシー」
・アナフィラキシーの発症機序
・IgE介在型
・感作・IgE産生→再曝露→アナフィラキシー
・アレルゲンに反応したリンパ球によるIgE産生
→IgE抗体によるMast cell、好塩基球の脱顆粒
→Chemicalmediatorの放出
→炎症性細胞の活性化、Chemicalmediator作用
→アナフィラキシー
・「茶のしずく」事件
・2005~2011年、4650万個販売された石鹸(1個1050円)
・アレルギー発症者約1500人
・救急搬送や入院が必要だった重症者172人
・小麦加水分解物(グルパール19S)による感作
・分子量大きく免疫反応誘発させやすい?
→天然小麦、加水分解小麦に対するIgE抗体産生
・IgE非介在型
・アナフィラキシー様反応(臨床的には区別不可)
①補体を活性化する反応
②直接mast cellを脱顆粒化
→Mast cellからのchemicalmediatorの放出
→IgE介在型と同様の反応
・造影剤、抗生物質、NSAIDsなどの初回投与
・臨床症状
・皮膚症状
血管性浮腫→全身性蕁麻疹、紅斑、掻痒感
・呼吸器
気管支攣縮→呼吸不全、頻呼吸、チアノーゼ、stridor,wheezes
・循環器
末梢血管拡張、水の間質への移動、心筋抑制
→血圧低下、頻脈、distributive shock
・消化器
下痢、悪心嘔吐、腹痛
・その他
頭痛、鼻汁、結膜充血、活動低下、不安感
・二相性アナフィラキシー
・数時間から数日後(平均7.6時間)に2回目の症状発症
・アナフィラキシー症例の10%程度
・症状は初回よりも重篤のこともあり、死亡例もある
・初期反応後少なくとも8時間は経過観察
・ステロイドが発症予防に有効?
・臨床検査
・血中ヒスタミン濃度測定
・血中半減期20分
・発症1時間以内に行う必要あり
・血中トリプターゼ濃度測定
・肥満細胞に特異的、肥満細胞の活性化の証明
・症状発現後3時間前後に行うのが最適
・補体活性の検査
ブレイク
「おすすめアニメ」
・周術期アナフィラキシー
・疫学:全麻酔件数の1/1万~2万
・フランスでは麻酔関連死亡の3%
・多くは麻酔導入後数分に発症
・原因物質
・筋弛緩薬、抗菌薬、ラテックス、輸液、輸血製剤、
局所麻酔薬、鎮静薬、オピオイドなど
・アナフィラキシーの判断
→麻酔中であれば・・・
・皮膚所見
・顔面・口唇腫脹
→ドレープがかかっていれば発見困難?
・呼吸器系
→気道内圧上昇、EtCO2の閉塞性パターン
・循環器
→血圧低下、頻脈、徐脈
・薬剤投与直後
・治療
・軽症には抗ヒスタミン薬
・エピネフリン
→GradeⅡ 10~20μg
→GradeⅢ 100~200μg
→Grade Ⅳ 1mgに加えてCPR(CPRのアルゴリズム)
・原因薬剤の投与中止
・原因物質特定は困難
・大量輸液
・500~2000mlの細胞外液
・麻酔・手術の中止