初期研修医勉強会 担当:O先生
「周術期の体温調節とシバリング」
・末梢温
・皮膚温、約31~36℃に設定、外気温に大きく影響
・中枢温
・37±0.2℃に設定
・食道、肺動脈、鼻咽頭、鼓膜、直腸、膀胱
・食道温:大血管に近く、変化に敏感
→開胸、上腹部開腹では外気温の影響
・直腸温
→簡便で最も利用されるモニター
→他のモニターより高温、消化管の熱孤立、
→下腹部、骨盤内臓器手術では不向き
・閾値間域(interthreshold range)
・自律性体温調節の作動しない中枢温(セットポイント)
・37℃付近
・体温上昇
→発汗、血管拡張→熱放散
・体温低下
・血管収縮→熱放散抑制
・非ふるえ熱産生
→褐色脂肪細胞・骨格筋での熱産生
・シバリング→熱産生
・麻酔中の中枢温の低下
・第1相
・再分布性低体温
・血管拡張による熱容量の中枢から末梢への移動
・導入から1時間以内に0.5~1℃低下
・第2相
・熱放散>熱産生
・1~4時間、直線的に低下
・第3相
・血管収縮閾値温度より低くなる
→血管収縮、
→熱産生=熱放散
・麻酔中
・麻酔薬の作用
①発汗、血管拡張閾値温度の上昇
②血管収縮、シバリング閾値温度の低下
→閾値間域の拡大
→体温調節反応の抑制
→体温の低下
・術後
・麻酔薬の投与終了
→閾値間域の狭小化
・炎症性サイトカイン(IL-6,IFN)の血中濃度上昇
→閾値間域の上昇
→シバリング閾値の上昇
ブレイク
「アメコミのヒーロー」
・低体温による影響
・患者の不快感、寒気
・シバリング
・酸素消費量3~6倍に増加、心肺合併症患者ではリスク
・覚醒遅延
・筋弛緩薬の作用延長
・創感染、創離開
・創部組織への酸素供給低下
・凝固障害、術中出血量、輸血量の増加
・術後心合併症の頻度増加
・心筋虚血の発生頻度の増加
・代謝の亢進によりアシドーシス
・周術期シバリングのリスク
・低体温
→シバリングの閾値温度以下の体温
・疼痛刺激をはじめとするストレス
→シバリング閾値温度の上昇
・侵襲の強い手術
→開胸、開腹、長時間手術
・レミフェンタニルの使用
・他のオピオイドの2倍のリスク
・μオピオイドの抗シバリング効果の消失
・シバリングの予防
・体温保持
→温風式加温装置、タオルケット、輸液の加温
・transitional opioidの投与
・NSAIDs
→鎮痛、セットポイント上昇の抑制
・アミノ酸製剤
→代謝に影響を与え、熱産生効果を高める
・シバリングの治療
・酸素投与
→冠虚血や末梢酸素供給低下を避ける
・温風式加温装置による加熱
・ペチジン(0.5-1.0mg/kg程度)
・Κ親和性のある弱オピオイド
→抗シバリング効果強い
・マグネシウム投与
・デクスメデトミジン(α2作動薬)
・降圧薬とβ遮断薬を投与
N病院から研修に来てくれたS先生。大変助かりました。
2012年6月29日金曜日
2012年6月26日火曜日
深在性真菌感染症の治療
ICU勉強会 担当:S先生
「深在性真菌感染症の治療」
・抗真菌薬の種類
・ポリエン系
→アムホテリシンB
・細胞膜に作用
・細胞膜の透過性亢進+フリーラジカル産生
・殺菌的作用
・アゾール系
→フルコナゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾール
・細胞膜に作用
・細胞膜成分合成酵素阻害
・静菌的作用
・エキノキャンディン系
→ミカファンギン、カスポファンギン
・細胞壁に作用
・βDグルカン合成酵素阻害
・殺菌的作用
・抗真菌薬各論
・ポリエン系
・アムホテリシンB(ファンギゾン、アムビゾーム)
・効かない真菌を覚える。
→C.lusitaniae, A.terreus, Scedosporium spp., Fusarium spp.
・腎毒性、発熱、ふるえ、頻脈
・リポソーム製剤登場で腎毒性は半減した。
・アゾール系
①フルコナゾール(ジフルカン、プロジフ)
・非重症のカンジダ血症に
・Aspergillus spp.に無効
・P450系と干渉:相互作用注意
→ワーファリン、シクロスポリン、タクロリムス、フェニトイン
②ボリコナゾール(ブイフェンド)
・侵襲性アスペルギルスの第一選択薬
→アムホテリシンBとの成績比較に勝利。 ・
・Scedosporium spp., Fusarium spp.,Trichosporon spp.などにも。
③ポサコナゾール(日本未発売)
・Zygomycetesのサルベージ治療で生存率良好
・免疫不全患者などへの予防薬として定着
・エキノキャンディン系
①ミカファンギン(ファンギゾン)
・Candida疑い例に。
・glabrata, kruseiに感受性
・Trichosporonのブレークスルーに注意
・肝排泄。腎毒性なし。
ブレイク
「西市民病院周辺エリア情報」
・真菌感染症の診断
・β-Dグルカンと各真菌
・Aspergillus, Candida, Fusarium, Trichosporonで陽性
・Cryptococcus, Zygomycetesでは陰性
・βDグルカン試薬はカブトガニの血清から作られる。
・β-Dグルカンの偽陽性
・透析でのセルロース膜使用者
・アルブミン製剤やグロブリン製剤使用者
・多発性骨髄腫・サルファ剤・ピシバニール・溶血
・レンチナン、シゾフィランなどのグルカン抗悪性腫瘍薬
・アガリクスなどのキノコ類大量摂取
・カンジダ症のリスクと治療。
・リスク
→広域抗菌薬、長期入院(平均22日)、ICU滞在、
免疫抑制、悪性腫瘍、DM、HIV、栄養不良、
(腸管・心臓)術後、熱傷、カテーテル使用、
TPN、Candida定着状態など。
・内科領域での治療法
・血液内科領域(好中球減少患者)での治療法。
・アスペルギルス症のリスクと治療
・リスク
→長期の重篤な顆粒球減少症、臓器移植(特に肺)、
骨髄移植患者、ステロイド、その他免疫抑制剤など。
・治療
・ムコール症のリスクと治療
・リスク
→DM、代謝性アシドーシス、ステロイド剤、血液悪性腫瘍、
固形癌移植、AIDS、外傷・熱傷、栄養障害など。
・臨床型
→鼻腔~脳、肺、皮膚、腸管、中枢神経系、その他
・治療
→AMPHが標準。PSCZが有効との報告あり。
「深在性真菌感染症の治療」
・抗真菌薬の種類
・ポリエン系
→アムホテリシンB
・細胞膜に作用
・細胞膜の透過性亢進+フリーラジカル産生
・殺菌的作用
・アゾール系
→フルコナゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾール
・細胞膜に作用
・細胞膜成分合成酵素阻害
・静菌的作用
・エキノキャンディン系
→ミカファンギン、カスポファンギン
・細胞壁に作用
・βDグルカン合成酵素阻害
・殺菌的作用
・抗真菌薬各論
・ポリエン系
・アムホテリシンB(ファンギゾン、アムビゾーム)
・効かない真菌を覚える。
→C.lusitaniae, A.terreus, Scedosporium spp., Fusarium spp.
・腎毒性、発熱、ふるえ、頻脈
・リポソーム製剤登場で腎毒性は半減した。
・アゾール系
①フルコナゾール(ジフルカン、プロジフ)
・非重症のカンジダ血症に
・Aspergillus spp.に無効
・P450系と干渉:相互作用注意
→ワーファリン、シクロスポリン、タクロリムス、フェニトイン
②ボリコナゾール(ブイフェンド)
・侵襲性アスペルギルスの第一選択薬
→アムホテリシンBとの成績比較に勝利。 ・
・Scedosporium spp., Fusarium spp.,Trichosporon spp.などにも。
③ポサコナゾール(日本未発売)
・Zygomycetesのサルベージ治療で生存率良好
・免疫不全患者などへの予防薬として定着
・エキノキャンディン系
①ミカファンギン(ファンギゾン)
・Candida疑い例に。
・glabrata, kruseiに感受性
・Trichosporonのブレークスルーに注意
・肝排泄。腎毒性なし。
ブレイク
「西市民病院周辺エリア情報」
・真菌感染症の診断
・β-Dグルカンと各真菌
・Aspergillus, Candida, Fusarium, Trichosporonで陽性
・Cryptococcus, Zygomycetesでは陰性
・βDグルカン試薬はカブトガニの血清から作られる。
・β-Dグルカンの偽陽性
・透析でのセルロース膜使用者
・アルブミン製剤やグロブリン製剤使用者
・多発性骨髄腫・サルファ剤・ピシバニール・溶血
・レンチナン、シゾフィランなどのグルカン抗悪性腫瘍薬
・アガリクスなどのキノコ類大量摂取
・カンジダ症のリスクと治療。
・リスク
→広域抗菌薬、長期入院(平均22日)、ICU滞在、
免疫抑制、悪性腫瘍、DM、HIV、栄養不良、
(腸管・心臓)術後、熱傷、カテーテル使用、
TPN、Candida定着状態など。
・内科領域での治療法
・血液内科領域(好中球減少患者)での治療法。
・アスペルギルス症のリスクと治療
・リスク
→長期の重篤な顆粒球減少症、臓器移植(特に肺)、
骨髄移植患者、ステロイド、その他免疫抑制剤など。
・治療
・ムコール症のリスクと治療
・リスク
→DM、代謝性アシドーシス、ステロイド剤、血液悪性腫瘍、
固形癌移植、AIDS、外傷・熱傷、栄養障害など。
・臨床型
→鼻腔~脳、肺、皮膚、腸管、中枢神経系、その他
・治療
→AMPHが標準。PSCZが有効との報告あり。
2012年6月22日金曜日
呼吸器とグラフィックモニター
麻酔科勉強会 担当:S先生
「呼吸器とグラフィックモニター」
・人工呼吸器のパラメーター
①圧(Pressure)、②流量(Flow)、③容量(Volume)
・呼吸器がコントロールしているのは吸気のみ。
・phase variable
・1回の吸気を決めるパラメーターは?
①始め方(trigger)、②維持(limit)、③終わり方(cycle)
・トリガーについて
・patient trigger
→flow trigger(ICUではこっちメイン)
→pressure trigger(子供ではこっち、という本もある)
・time trigger
・リミットについて
・flow limit:目標とする流量まで。圧を観察する必要。
・pressure limit:目標とする圧まで。容量を観察する必要。
・サイクルについて
・time cycle:時間を設定。
→ちなみに普通の人の吸気は約1秒。
・flow cycle:peak flowに対する%。
→ふつうは25-30%に設定。
・人工呼吸器の設定について
・モードあれこれ
・A/C
・SIMV(+PS)
・PS
・CPAP
・などなど
・モードの違いとは?
・自発があるかないかで設定を変える…×
・どのくらいサポートするかで設定を変える…○
・ICUにおける呼吸器設定
・基本A/CかPS。
・ときどきT-peace、CPAP
・まれにAPRV、TC
・SIMVはまず使わない。
・グラフィックモニター入門
「呼吸器とグラフィックモニター」
・人工呼吸器のパラメーター
①圧(Pressure)、②流量(Flow)、③容量(Volume)
・呼吸器がコントロールしているのは吸気のみ。
・phase variable
・1回の吸気を決めるパラメーターは?
①始め方(trigger)、②維持(limit)、③終わり方(cycle)
・トリガーについて
・patient trigger
→flow trigger(ICUではこっちメイン)
→pressure trigger(子供ではこっち、という本もある)
・time trigger
・リミットについて
・flow limit:目標とする流量まで。圧を観察する必要。
・pressure limit:目標とする圧まで。容量を観察する必要。
・サイクルについて
・time cycle:時間を設定。
→ちなみに普通の人の吸気は約1秒。
・flow cycle:peak flowに対する%。
→ふつうは25-30%に設定。
・人工呼吸器の設定について
・モードあれこれ
・A/C
・SIMV(+PS)
・PS
・CPAP
・などなど
・モードの違いとは?
・自発があるかないかで設定を変える…×
・どのくらいサポートするかで設定を変える…○
・ICUにおける呼吸器設定
・基本A/CかPS。
・ときどきT-peace、CPAP
・まれにAPRV、TC
・SIMVはまず使わない。
・グラフィックモニター入門
2012年6月21日木曜日
麻酔の問題集より
麻酔の問題集 担当:K先生
第1問「GCSについての問題」
・Grasgow Coma Scale
・eye opening(E)
・verbal responses(V)
・motor(M)
・評価者間の信頼性がある。
・外傷性脳損傷(TBI)、くも膜下出血、髄膜炎の予後予測に使える。
・挿管管理や鎮静薬で影響を受ける。
・Comaの診断には使えない。
第2問「ICUでの栄養管理に関する問題」
・経腸栄養はICUにおいては感染を制御する手段である。
・どうして感染を予防できるか、詳細は分かっていない。
・腸管粘膜の正常化。
・腸管の粘膜バリアの破壊の防止。
→敗血症のリスクが軽減。
・禁忌がない場合、経腸栄養は推奨されている。
・早期経腸栄養群の定義の多くは48時間を境にしている。
・早期の経腸栄養開始が推奨されている。
・頭部挙上は誤嚥のリスク軽減に意味がある。
ブレイク
「バイオリンについて」
問題3「CRBSIについての問題」
・ICUでは中心静脈カテーテル関連感染症が脅威。
・原因微生物など
・診断
・刺入部の発赤、腫脹、化膿性分泌物。
・静脈カテーテルが48時間以上留置された患者
・原因不明の発熱。
・感染源が不明な患者ではカテーテル感染を疑う。
・カテーテルが発熱の原因である率は10%前後。
→いたずらにカテーテルを抜去する事はさける。
・血液培養→中心静脈カテーテルと末梢血管から。
・治療
・可能な限りカテーテルは抜去する。
・エンピリカルに抗生剤投与。培養結果判明後に抗生剤を狭域に。
問題4「VAPに関する問題」
・定義
・HAP:入院後48時間が経過してからの肺炎。
・VAP:挿管後48-72時間以上経過してからの肺炎。
・Early onset HAP and VAP:入院後4日以内に発症した肺炎。
・Later onset HAP and VAP:入院5日以上経過してから。
・起因菌
・Early onset HAP and VAP:市中肺炎と似ている。
・Later onset HAP and VAP:緑膿菌などのGNR、MRSA、・・・。
・VAP診断基準は曖昧。
・起因菌を考えるとLater onset群は致死率が高い事が推測される。
・一般対策
・手荒いの徹底。
・早期抜管。挿管をなるべくしない。
・誤嚥対策
・30-45度の上体挙上。
・挿管チューブのカフ圧は20cmH20以上に。
・口腔内から消化管までの菌の定着防止
・歯磨きなど口腔内ケア。
・抗潰瘍薬の使用はリスクと相談して。
・呼吸器などの装置への菌の定着防止
・抗生剤の予防投与
2012年6月18日月曜日
周術期アナフィラキシー
初期研修医勉強会 担当:O先生
「周術期アナフィラキシー」
・アナフィラキシーの発症機序
・IgE介在型
・感作・IgE産生→再曝露→アナフィラキシー
・アレルゲンに反応したリンパ球によるIgE産生
→IgE抗体によるMast cell、好塩基球の脱顆粒
→Chemicalmediatorの放出
→炎症性細胞の活性化、Chemicalmediator作用
→アナフィラキシー
・「茶のしずく」事件
・2005~2011年、4650万個販売された石鹸(1個1050円)
・アレルギー発症者約1500人
・救急搬送や入院が必要だった重症者172人
・小麦加水分解物(グルパール19S)による感作
・分子量大きく免疫反応誘発させやすい?
→天然小麦、加水分解小麦に対するIgE抗体産生
・IgE非介在型
・アナフィラキシー様反応(臨床的には区別不可)
①補体を活性化する反応
②直接mast cellを脱顆粒化
→Mast cellからのchemicalmediatorの放出
→IgE介在型と同様の反応
・造影剤、抗生物質、NSAIDsなどの初回投与
・臨床症状
・皮膚症状
血管性浮腫→全身性蕁麻疹、紅斑、掻痒感
・呼吸器
気管支攣縮→呼吸不全、頻呼吸、チアノーゼ、stridor,wheezes
・循環器
末梢血管拡張、水の間質への移動、心筋抑制
→血圧低下、頻脈、distributive shock
・消化器
下痢、悪心嘔吐、腹痛
・その他
頭痛、鼻汁、結膜充血、活動低下、不安感
・二相性アナフィラキシー
・数時間から数日後(平均7.6時間)に2回目の症状発症
・アナフィラキシー症例の10%程度
・症状は初回よりも重篤のこともあり、死亡例もある
・初期反応後少なくとも8時間は経過観察
・ステロイドが発症予防に有効?
・臨床検査
・血中ヒスタミン濃度測定
・血中半減期20分
・発症1時間以内に行う必要あり
・血中トリプターゼ濃度測定
・肥満細胞に特異的、肥満細胞の活性化の証明
・症状発現後3時間前後に行うのが最適
・補体活性の検査
ブレイク
「おすすめアニメ」
・周術期アナフィラキシー
・疫学:全麻酔件数の1/1万~2万
・フランスでは麻酔関連死亡の3%
・多くは麻酔導入後数分に発症
・原因物質
・筋弛緩薬、抗菌薬、ラテックス、輸液、輸血製剤、
局所麻酔薬、鎮静薬、オピオイドなど
・アナフィラキシーの判断
→麻酔中であれば・・・
・皮膚所見
・顔面・口唇腫脹
→ドレープがかかっていれば発見困難?
・呼吸器系
→気道内圧上昇、EtCO2の閉塞性パターン
・循環器
→血圧低下、頻脈、徐脈
・薬剤投与直後
・治療
・軽症には抗ヒスタミン薬
・エピネフリン
→GradeⅡ 10~20μg
→GradeⅢ 100~200μg
→Grade Ⅳ 1mgに加えてCPR(CPRのアルゴリズム)
・原因薬剤の投与中止
・原因物質特定は困難
・大量輸液
・500~2000mlの細胞外液
・麻酔・手術の中止
「周術期アナフィラキシー」
・アナフィラキシーの発症機序
・IgE介在型
・感作・IgE産生→再曝露→アナフィラキシー
・アレルゲンに反応したリンパ球によるIgE産生
→IgE抗体によるMast cell、好塩基球の脱顆粒
→Chemicalmediatorの放出
→炎症性細胞の活性化、Chemicalmediator作用
→アナフィラキシー
・「茶のしずく」事件
・2005~2011年、4650万個販売された石鹸(1個1050円)
・アレルギー発症者約1500人
・救急搬送や入院が必要だった重症者172人
・小麦加水分解物(グルパール19S)による感作
・分子量大きく免疫反応誘発させやすい?
→天然小麦、加水分解小麦に対するIgE抗体産生
・IgE非介在型
・アナフィラキシー様反応(臨床的には区別不可)
①補体を活性化する反応
②直接mast cellを脱顆粒化
→Mast cellからのchemicalmediatorの放出
→IgE介在型と同様の反応
・造影剤、抗生物質、NSAIDsなどの初回投与
・臨床症状
・皮膚症状
血管性浮腫→全身性蕁麻疹、紅斑、掻痒感
・呼吸器
気管支攣縮→呼吸不全、頻呼吸、チアノーゼ、stridor,wheezes
・循環器
末梢血管拡張、水の間質への移動、心筋抑制
→血圧低下、頻脈、distributive shock
・消化器
下痢、悪心嘔吐、腹痛
・その他
頭痛、鼻汁、結膜充血、活動低下、不安感
・二相性アナフィラキシー
・数時間から数日後(平均7.6時間)に2回目の症状発症
・アナフィラキシー症例の10%程度
・症状は初回よりも重篤のこともあり、死亡例もある
・初期反応後少なくとも8時間は経過観察
・ステロイドが発症予防に有効?
・臨床検査
・血中ヒスタミン濃度測定
・血中半減期20分
・発症1時間以内に行う必要あり
・血中トリプターゼ濃度測定
・肥満細胞に特異的、肥満細胞の活性化の証明
・症状発現後3時間前後に行うのが最適
・補体活性の検査
ブレイク
「おすすめアニメ」
・周術期アナフィラキシー
・疫学:全麻酔件数の1/1万~2万
・フランスでは麻酔関連死亡の3%
・多くは麻酔導入後数分に発症
・原因物質
・筋弛緩薬、抗菌薬、ラテックス、輸液、輸血製剤、
局所麻酔薬、鎮静薬、オピオイドなど
・アナフィラキシーの判断
→麻酔中であれば・・・
・皮膚所見
・顔面・口唇腫脹
→ドレープがかかっていれば発見困難?
・呼吸器系
→気道内圧上昇、EtCO2の閉塞性パターン
・循環器
→血圧低下、頻脈、徐脈
・薬剤投与直後
・治療
・軽症には抗ヒスタミン薬
・エピネフリン
→GradeⅡ 10~20μg
→GradeⅢ 100~200μg
→Grade Ⅳ 1mgに加えてCPR(CPRのアルゴリズム)
・原因薬剤の投与中止
・原因物質特定は困難
・大量輸液
・500~2000mlの細胞外液
・麻酔・手術の中止
2012年6月15日金曜日
学会振り返り
ICU勉強会 担当:A先生
「学会振り返り」
・ICUにおけるせん妄対策
・せん妄は臓器不全の一つで中枢神経障害
・VCM・ワーファリンもせん妄の誘発因子
・脳実質の委縮
・CAM-ICUで診断(多くは見過ごされている)
・入院コストが12~20万円増加
・6か月後の死亡率3倍
・さまざまな合併症を持つ脳出血急性期症例の管理
・ワーファリンはVit.K依存性凝固因子産生抑制。
→緊急時はFFPなどを入れるしかない
・PCC(プロトロンビン複合体製剤)
・INR<5.0 500単位
・INR>5.0 1000~1500単位
・PCC(ファイバ)
・FEIBA(Factor Eight Inhibitor Bypassing Activity)
・複数の凝固因子を含む活性型プロトロンビン複合体製剤
・インヒビター症例
→第Ⅷ及び第Ⅸ因子が関与する凝固経路を迂回して止血促進。
・DICは禁忌
・塞栓症のリスクあり(心筋梗塞など)
・緊急帝王切開の麻酔
・くも膜下モルヒネで遅発性呼吸抑制は全例病的肥満患者
・危険な症例では原則母体優先であることを説明しておく
・死戦期帝王切開
→CPR開始後4分で回復しない場合に母体救命目的。
・死後帝王切開は母体死後に児を救出するために施行する帝王切開
・不妊治療(体外受精)で癒着胎盤多い
・リトドリン投与中止後、K↑に注意
・麻酔科医が知っておきたい超音波テクニック
・気胸の診断:Lung sliding, Lung pulse
⇒気胸は分離換気中に見て訓練
・声帯の観察:声帯麻痺の診断に
・胃内容の観察
→心窩部操作でなければなし
→あればフルストマック疑い
・胃管挿入:頸部エコーで食道にあることを確認
「学会振り返り」
・ICUにおけるせん妄対策
・せん妄は臓器不全の一つで中枢神経障害
・VCM・ワーファリンもせん妄の誘発因子
・脳実質の委縮
・CAM-ICUで診断(多くは見過ごされている)
・入院コストが12~20万円増加
・6か月後の死亡率3倍
・さまざまな合併症を持つ脳出血急性期症例の管理
・ワーファリンはVit.K依存性凝固因子産生抑制。
→緊急時はFFPなどを入れるしかない
・PCC(プロトロンビン複合体製剤)
・INR<5.0 500単位
・INR>5.0 1000~1500単位
・PCC(ファイバ)
・FEIBA(Factor Eight Inhibitor Bypassing Activity)
・複数の凝固因子を含む活性型プロトロンビン複合体製剤
・インヒビター症例
→第Ⅷ及び第Ⅸ因子が関与する凝固経路を迂回して止血促進。
・DICは禁忌
・塞栓症のリスクあり(心筋梗塞など)
・緊急帝王切開の麻酔
・くも膜下モルヒネで遅発性呼吸抑制は全例病的肥満患者
・危険な症例では原則母体優先であることを説明しておく
・死戦期帝王切開
→CPR開始後4分で回復しない場合に母体救命目的。
・死後帝王切開は母体死後に児を救出するために施行する帝王切開
・不妊治療(体外受精)で癒着胎盤多い
・リトドリン投与中止後、K↑に注意
・麻酔科医が知っておきたい超音波テクニック
・気胸の診断:Lung sliding, Lung pulse
⇒気胸は分離換気中に見て訓練
・声帯の観察:声帯麻痺の診断に
・胃内容の観察
→心窩部操作でなければなし
→あればフルストマック疑い
・胃管挿入:頸部エコーで食道にあることを確認
2012年6月4日月曜日
10年後のICU
ICU勉強会 担当:M先生
「10年後のICUを予測してみる」
・日本はアメリカを20年遅れで模倣している。
→2000年のアメリカのデータが2020年の日本の医療状況を反映?
・米国と英国の比較
・人工と医療サービス
・急性期治療ベッド
→ドイツとベルギーは多い。
→アメリカはそんなに多くない。
・ICUベッド
→アメリカはかなり多い。
→英国は少ない。
・病院死亡率
→アメリカは30%、英国で50%程度。
→アメリカは病院にたどり着けない貧困層もいる。
・米国は英国の7倍(人口比)のICUベッドがある。
・入院即ICUは米国が58%、英国は33.4%
・85歳以上のICU入室は米国が7.8%、英国が3.2%
・総入院は差がなく、1000人当たり100人位
→そのうち、19.3%がICU(米)、2.2%(英)
・Mortality with ICU 7.4%(米)、19.6(英)
・死亡統計
・神戸市のdemographic data
・人口:約150万
・年間死亡数:13000人
・総ベッド数:約18000(一般病床11600)、
・総退院数:約190000
・総ICU数:病院死亡数 等が不明だが・・・
・KCHO(旧KCGH)の退院統計(2008)
・年間病院死亡数/年間総退院数:900/19000
・旧ICU:年間死亡数/総退室数:100/2000
・神戸市の中のKCGH
・2020年の予言
・当院の(実質的な)ICUは50以上になるだろう。
・術後や救急からの患者は次々にICUに入る
・総入院数は4万人??(平均在院日数7日で計算)
・ICU入室は8000人 。
・病院総死亡1600人、ICU関連死亡550人 (35%)
・予言の問題点
・神戸市の人口の変動。
・後方病院、あらたな急性期病院の出現。
・病院死亡数。
・どこで死ぬかに関する人々の意識。
・病院にたどり着かずに死んでしまう人々は増えるか。
・平均在院日数はどこまで短縮されるか。
・ICUにおけるEOL問題はさらにおおきくなるであろう。
臍帯血幹細胞移植
「10年後のICUを予測してみる」
・日本はアメリカを20年遅れで模倣している。
→2000年のアメリカのデータが2020年の日本の医療状況を反映?
・米国と英国の比較
・人工と医療サービス
・急性期治療ベッド
→ドイツとベルギーは多い。
→アメリカはそんなに多くない。
・ICUベッド
→アメリカはかなり多い。
→英国は少ない。
・病院死亡率
→アメリカは30%、英国で50%程度。
→アメリカは病院にたどり着けない貧困層もいる。
・米国は英国の7倍(人口比)のICUベッドがある。
・入院即ICUは米国が58%、英国は33.4%
・85歳以上のICU入室は米国が7.8%、英国が3.2%
・総入院は差がなく、1000人当たり100人位
→そのうち、19.3%がICU(米)、2.2%(英)
・Mortality with ICU 7.4%(米)、19.6(英)
・死亡統計
・神戸市のdemographic data
・人口:約150万
・年間死亡数:13000人
・総ベッド数:約18000(一般病床11600)、
・総退院数:約190000
・総ICU数:病院死亡数 等が不明だが・・・
・KCHO(旧KCGH)の退院統計(2008)
・年間病院死亡数/年間総退院数:900/19000
・旧ICU:年間死亡数/総退室数:100/2000
・神戸市の中のKCGH
・2020年の予言
・当院の(実質的な)ICUは50以上になるだろう。
・術後や救急からの患者は次々にICUに入る
・総入院数は4万人??(平均在院日数7日で計算)
・ICU入室は8000人 。
・病院総死亡1600人、ICU関連死亡550人 (35%)
・予言の問題点
・神戸市の人口の変動。
・後方病院、あらたな急性期病院の出現。
・病院死亡数。
・どこで死ぬかに関する人々の意識。
・病院にたどり着かずに死んでしまう人々は増えるか。
・平均在院日数はどこまで短縮されるか。
・ICUにおけるEOL問題はさらにおおきくなるであろう。
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