2015年6月9日火曜日

こどもの麻酔導入

麻酔科勉強会  担当:Y先生

「こどもの麻酔導入」

・小児の気道解剖
 ・頭部、特に後頭部が大きく仰臥位で気道が屈曲しやすい。
 ・アデノイドや口蓋扁桃が比較的大きい。
 ・口の中で舌が占める割合が大きい。
 ・喉頭が成人と比較してより頭側かつ全面に位置している。
 ・喉頭蓋が長くU字型をしている。
 ・気管長が短い。
 ・気管最狭部は声門直下の輪状軟骨部である。
   →成人挿管に慣れている施行者にとって難しい原因。
・マスク換気
 ・頭部が全身の中で比較的に大きく、特に後頭部が大きい。
   →仰臥位で気道屈曲、閉塞傾向になるリスク。
   →2歳以下では肩枕が必要。
   →3歳以上ではsniffing positionが有効。
 ・EC法が基本
 ・基本はマスクフィットのみで換気可能。
 ・マスクは軽く密着させる。
 ・頸部の軟部組織を押さえつけない。
 ・頸部を少し右に傾けると換気しやすい。
 ・自発呼吸に合わせて換気する。
   →決して胃に空気を入れてはいけない!
    ・腹部膨隆に合わせてバッグを押す。
      →腹部が凹んだらバッグを離す。
    ・マスク換気は可能な限り低圧で。
    ・バッグが完全に膨らみきらない程度に維持。
    ・乳児なら新鮮ガス総流量も少なめ(3L以下)に。
    ・1回換気量は少なめ、その代わり回数で稼ぐ。
 ・マスク換気困難の可能性は?
    ・先天異常による頭蓋形成異常
    ・顔面熱傷
    ・外傷後の下部顔面の異常
    ・病的肥満(乳児ではまれ)
    ・頸部可動域制限(乳児ではまれ)
    ・重症喘息発作・・・
  ・挿管困難で有名な様々な疾患もマスク換気困難であることは
   非常に少ない。
  ・小児ではOPAを使用すれば、上気道の問題で
   マスク換気困難となることは極めて少ない。
 ・OPA(経口エアウェイ)
    ・意識消失、咽頭反射消失後に使用。
    ・舌根沈下による気道閉塞を防ぐ。SAS系には極めて有効。
    ・ただし・・・
       ・誤嚥誘発のリスクあり。
       ・喉頭痙攣誘発のリスクも。
       ・短すぎると気道閉塞。
       ・長すぎても気道閉塞。
・喉頭展開
 ・小児は食道入口と声門を誤認しやすい。
 ・小児は成人と比較してFRCに対する酸素消費量が大きい。
 ・さらに小児は術前酸素吸入に非協力的である。
 ・肺高血流性疾患ではそもそも酸素投与が禁忌である。
   →無呼吸によるdesaturationが早い!
   →無呼吸時間を伴う挿管操作を極めて短縮する必要がある。
 ・デバイスは何を使う?
   ・マッキントッシュ喉頭鏡、ミラー喉頭鏡、AWSなど。
   ・近年はAWSが注目されている。
    →マネキンを使用したstudy
    →Millar喉頭鏡群と比較してAWS群で挿管成功率が上がる。
    ・1歳以下はAWSが有効。
     ・正中挿入法が推奨される。
     ・挿入時は十分な頚部後屈を。
     ・乳児用イントロックは目標より右側にチューブが進む。
        →声帯に当たれば無理せずチューブを回転。
        ・決して無理して押し込まない。
・気管内挿管
  ・小児の気管は声門下、輪状軟骨レベルが最狭。
   →チューブが声門を通過してもその先に進まない可能性。
  ・無理して浮腫を作ると気道抵抗が急上昇する。
    ・Poisuilleの法則。
  ・声門下でチューブが進まない!
    →無理せずワンサイズ細いチューブに変更する。
    ・頑張り過ぎると気道浮腫により換気すら困難となる。
    ・細い!と判断した気道には無理に触らない!
  ・カフ付きか、カフなしかについては症例を吟味。
・挿管前にどうしても抹消静脈ラインが取れない時
  ・吸入麻酔のみで挿管可能。
  ・充分に麻酔が深くなったところで上手な施行者が1度で挿管する。
    ・ただし高濃度Sevoの吸入は痙攣を誘発する。
       ・痙攣により換気困難になることは少ない。
       ・神経学的ダメージの有無はわからない。
・導入方法
 ・小児は導入前酸素吸入に非協力的である。
 ・小児は成人と比較して酸素消費量が大きい。
 ・低酸素から徐脈に至るまでが早く、結果も重篤である。
 ・(慣れてない施行者が)短時間で挿管できるとは限らない。
   →迅速導入(RSI)はリスクが高い。
     ・full stomachでも愛護的に換気しながら急速導入
     ・胃管挿入、吸引後に急速導入
     ・modified RSI(輪状軟骨を圧迫しながら換気)
・ベイン回路について。

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