麻酔科EBM勉強会 担当:O先生
「緊急時の麻酔導入・気管挿管」
・緊急の麻酔導入がなぜ困難か。
・既往がわからない
・気道系の評価が十分にできない
・血行動態の不安定さ
・外傷後の頸椎損傷
・フルストマック
・不慣れな環境(手術室外での場合)
・不慣れな介助者
・不十分な設備、モニタリング
・患者評価
・何故緊急なのか?
・患者にどういった医学的な問題があるか?
・最近どういった治療がなされていたか?
・アレルギーはあるか?
・麻酔に関してこれまで何か問題があったか?
・神経学的な問題はあるか?
・最終の食事は何時間前か?
・ラボデータでの異常はあるか?
・心電図の評価はどうか?
・その他の陽性所見は?
・緊急時の麻酔導入
→様々な危険が伴う
・喉頭痙攣
・疼痛
・血行動態の不安定化
・攻撃的な振舞
・誤嚥
→素早い気道の確保・麻酔導入が必要となってくる
・ミラー麻酔科学に載ってるフローチャート
・挿管の必要性あり
→前酸素化
→誤嚥防止のため輪状軟骨を圧迫
→麻酔薬・筋弛緩薬を投与
→喉頭鏡を用いた挿管、迅速導入
→だめだった場合、もう一度挿管
→それでもだめな場合はラリマで気道を確保
→それも不可能な場合、輪状甲状膜切開。
・古典的な迅速導入法
・3〜5分の前酸素化
・麻酔導入薬・筋弛緩薬を予定量を一気に注入する
・誤嚥防止のため輪状軟骨圧迫
・マスク換気をせずに薬が効くのを待つ
・挿管
・挿管のためだけの筋弛緩投与なら
→ロクロニウム+スガマデクスはいい選択肢
・挿管前の鎮静について
・欧米ではエトミデートが主流
→日本では未発売
→作用時間が短く血圧低下もない。脳保護作用(+)
・プロポフォール、イソゾール
→血管拡張によるBP低下に注意
→状況によって使い分ける、慣れた薬を使う
・多くの場合、最低限の投与での鎮静が好ましい
・最近の迅速導入について
→論文読んできました。
→A&A:Rapid Sequence Induction and Intubation:Current Controversy
・クリコイドプレッシャーは?
・1961年にSelickにより提唱された。
・44N(4.45kg)で押し続ける
→覚醒下で10N(1kg)、麻酔下で20〜30N
・科学的な根拠にかける
・逆に挿管の妨げになって危険である。
・逆流を防ぐには有用だが、気道確保の妨げになる、
・バッグマスク換気中に関してはエビデンスがありそう。
・軟部組織損傷の報告も。
・挿管困難デバイスについて
・AWS
・ビデオラリンゴスコープ
・トラキライト、など。
・迅速導入以外の選択
→意識下挿管
・気道確保が困難、上気道の外傷、頸椎が不安定である
→軽度の鎮静後に局所麻酔し挿管
→気道を安全に確保できる。
・気管支鏡を用いると診断の手がかりを得られる
・血行動態が不安定な患者、非協力的な患者には向いてない
MEさん主催の人工心肺ハンズオン