麻酔科勉強会 担当:S先生
「TAVIについて」
・TAVI
・Transcatheter Aortic Valve Implantation
・現在は高度先進医療で国内4施設で施行されている
・今年秋から保険診療になる予定
・当院も認可施設基準を満たしているらしい
・方法
・局所麻酔+鎮静または全身麻酔
・ペーシングリード挿入
・抗凝固
・ラージシース挿入
・ヘパリン化(ACT>250)
・術中TEE
・ガイドワイヤー留置
・人工弁展開
・術後評価(MR、AR)
・合併症
・完全房室ブロック
・永久ペースメーカー必要率
→CoreValveの方がSapien valveより多い。
→RBBBの存在はCHBのリスク
・AR
・Paravalvular AR
→バルーン拡張、valve in valve留置など
・Central valvular AR
→放置、2nd TAVRすることも
・血圧が下がったら?
・腸骨動脈破裂、心破裂、急性弁機能不全、冠動脈閉塞、
poor LV機能の人にrapid pacingしたとき
LVH患者におけるSuicical LV
・臨床試験
・PARTNER Trial
・ASハイリスク患者(n=699)と手術適応外患者(n=358)を対象
・コホートA(ハイリスク患者)
・AVR vs TAVI
→脳卒中と大血管合併症の発生率はTAVI群で高かった。
→大出血や不整脈は少なかった。
→一次エンドポイントについては両群間で有意差はなかった。
・コホートB(手術適応外患者)
・標準治療 vs TAVI
→TAVIは1年までの生存率を改善させる。
→コストの問題
・ガイドラインの紹介
Transcatheter aortic valve implantation: a Canadian Cardiovascular Society position statement.
Can J Cardiol. 2012 Sep-Oct;28(5):520-8
・TAVIの麻酔
・局所麻酔±sedationか全身麻酔。
・文献的には全麻が多いが局麻で行う例も増えている
・モニタリングはA圧とCVPのみでPACはルーチン挿入していない
・麻酔方法についての大規模比較試験は行われていない。
・GAとLAを比較した4編の論文
・LA
→カテコラミンの使用量・ICU滞在日数・在院日数
→GAより有意に低いが30日間のmortalityは変わらない。
・術中の合併症が致死的で迅速な対応が必要
・TEEは必須
・LAからGAへの移行率が17%ある
・Femoral approachは元々合併症のリスクが高い
・EEも少量の麻薬を中心とした鎮静で行える
・NIVも併用すると良い
・まとめ
・TAVIはハイリスク患者の方が有益
・TAVIそのものにも議論は多い。(BMJ 2012;345:e4710)
・麻酔に関しては当面は全身麻酔がよさそう
・局所麻酔でも麻酔科の役割は大きい
・ICUで難渋する症例が増えそう?