2013年4月18日木曜日

TAVIについて

麻酔科勉強会  担当:S先生

「TAVIについて」

・TAVI
 ・Transcatheter Aortic Valve Implantation
 ・現在は高度先進医療で国内4施設で施行されている
 ・今年秋から保険診療になる予定
 ・当院も認可施設基準を満たしているらしい
・方法
 ・局所麻酔+鎮静または全身麻酔
 ・ペーシングリード挿入
 ・抗凝固
 ・ラージシース挿入
 ・ヘパリン化(ACT>250)
 ・術中TEE
 ・ガイドワイヤー留置
 ・人工弁展開
 ・術後評価(MR、AR)
・合併症
 ・完全房室ブロック
   ・永久ペースメーカー必要率
     →CoreValveの方がSapien valveより多い。
     →RBBBの存在はCHBのリスク
 ・AR
   ・Paravalvular AR
     →バルーン拡張、valve in valve留置など
   ・Central valvular AR
     →放置、2nd TAVRすることも
 ・血圧が下がったら?
   ・腸骨動脈破裂、心破裂、急性弁機能不全、冠動脈閉塞、
    poor LV機能の人にrapid pacingしたとき
    LVH患者におけるSuicical LV
・臨床試験
 ・PARTNER Trial
    ・ASハイリスク患者(n=699)と手術適応外患者(n=358)を対象
  ・コホートA(ハイリスク患者)
    ・AVR vs TAVI
     →脳卒中と大血管合併症の発生率はTAVI群で高かった。
     →大出血や不整脈は少なかった。
     →一次エンドポイントについては両群間で有意差はなかった。
  ・コホートB(手術適応外患者)
    ・標準治療 vs TAVI
     →TAVIは1年までの生存率を改善させる。
     →コストの問題
・ガイドラインの紹介
 Transcatheter aortic valve implantation: a Canadian Cardiovascular Society position statement.
 Can J Cardiol. 2012 Sep-Oct;28(5):520-8
・TAVIの麻酔
  ・局所麻酔±sedationか全身麻酔。
  ・文献的には全麻が多いが局麻で行う例も増えている
  ・モニタリングはA圧とCVPのみでPACはルーチン挿入していない
  ・麻酔方法についての大規模比較試験は行われていない。
  ・GAとLAを比較した4編の論文
    ・LA
     →カテコラミンの使用量・ICU滞在日数・在院日数
     →GAより有意に低いが30日間のmortalityは変わらない。
  ・術中の合併症が致死的で迅速な対応が必要
  ・TEEは必須
  ・LAからGAへの移行率が17%ある
  ・Femoral approachは元々合併症のリスクが高い
  ・EEも少量の麻薬を中心とした鎮静で行える
  ・NIVも併用すると良い
・まとめ
  ・TAVIはハイリスク患者の方が有益
  ・TAVIそのものにも議論は多い。(BMJ 2012;345:e4710)
  ・麻酔に関しては当面は全身麻酔がよさそう
  ・局所麻酔でも麻酔科の役割は大きい
  ・ICUで難渋する症例が増えそう?