麻酔科勉強会 担当:H先生
「成人麻酔での覚醒時興奮について」
・覚醒時興奮はよくある。
→傷害や疼痛増強、出血、自己抜管、カテ自己抜去リスク。
→そのため身体的または薬剤による制御が必要となる。、
・成人における覚醒時興奮の病因や予後
→ほとんど研究されていない。
・Emergence agitation in adults:
risk factors in 2000 patients.
・Methods
・2007-2008年、1施設
・16-70歳
・ASA-PS 1-2
・診療科いろいろ。除外基準など。
・麻酔方法
・ミダゾラムとアトロピンの前投薬。
・導入は普通に。
・尿道カテーテルは全員に留置。
・維持は1-2%イソフルラン群
vs 3-4μg/mLプロポフォールTCI群とに分けた。
・レミフェンタニル0.05-2γで鎮痛、
・フェンタニル1-2μg/kgをレミフェンタニル終了時に投与。
・術後鎮痛は各麻酔科医の裁量。
・評価
・抜管基準を定め、それに達していないものはPACUで抜管。
・痛みは10段階で評価(NRS)
・4以上なら痛みありとみなしてフェンタ10μg投与。
・Agitation:攻撃、のたうち回る、過活動
・mild:吸引など強い刺激により生じる
・moderate:刺激なしでも生じるが介入を必要としない
・severe:介入が必要
・結果
・2000人のうち426人(21.3%)がagitationあり
・mild:49.8%
・moderate:41.8%
・severe:8.4%
・severe agitationの発生率は1.8%だった
→他の文献でも3%、2.4%である。
・痛みはagitationの強力なトリガー。
→術後興奮を予防するため鎮痛は重要。
・男性の方が多い
→男性の方が痛みに弱いことが原因であろう。
・口腔外科・頭頸部外科に多い
→患者は覚醒時に「窒息」感を覚えるらしい。
・吸入麻酔群に多い
→TIVAの方が薬が速く代謝・消失するから。
・覚醒時興奮の治療はまず原因の除去である。
・術後鎮痛をしっかり。
・挿管チューブ、尿道カテーテルはできるだけ早く抜く。
・それでもダメなら
→プロポフォール、ミダゾラムなど短時間作用型薬剤投与。
手術部にもクリスマスツリー。