麻酔科勉強会 担当:Y先生
「Airway Management 2012」
・JSAガイドラインは、Successful Ventilation
・ASAガイドライン
→気道確保困難時(DAM)のアルゴリズム、
→successful intubation に力点がおかれている。
・第1段階(グリーンゾーン):マスク換気
・第2段階(イエローゾーン):声門上器具(SGA)
・第3段階(レッドゾーン):輪状甲状間膜穿刺(CTM)
・誤嚥のリスクも評価
・意識下挿管の適応
・重大な気道の病変あり。
・かつ操作中に完全閉塞のリスクの高い場合
→喉頭腫瘍、咽頭膿瘍、甲状腺腫瘍、縦隔腫瘍・・・
・重症例は 、気管切開・対外循環(PCPS)の準備をしておく。
・マスク換気困難が強く予想され、患者の協力が得られる場合
・挿管困難の予測に次の点が重なる場合
・LMA挿入困難が予想される時
→開口制限、頸椎可動制限、扁桃肥大、声門付近の病変
・フルストマック (誤嚥のリスク)
・短時間の無呼吸で低酸素血症になる患者
→病的肥満、もともとの呼吸不全
・第一段階
・マスク換気可能
→挿管トライ(予定の気道確保)2回まで。
→3回目以降は、別なデバイス、別な術者。
・換気不十分・不能
→エアウエイ・二人法によるマスク換気
→換気可能になれば、挿管トライ
・十分なマスク換気が得られない
→SpO2が下がる前に、応援を呼んで、第2段階に移る。
→第1段階では、一度は挿管を試みてもよい。
→以降は、覚醒・自発呼吸再開を考慮する。
・第二段階
・マスク換気の不十分・不可能が続くなら…
→SpO2が低下する前に速やかにSGAによる換気に移行。
→Air-Q、LMAは、麻酔カートに常備、扱い慣れておく。
・SGAによる換気可能
→SGAのまま手術する
→SGAガイド下で気管挿管(状況により判断)
→換気不十分ならば別なSGA挿入しなおす
・SGAによる換気不能
→CTM同定して、第3段階へ
・第三段階
・キットによるCTM(輪状甲状膜)穿刺
・救急カートには、CTM切開カテーテルキットを常備する。
・術前評価の時点で、輪状甲状膜の評価もしておく。
・CTM穿刺の手技には麻酔科医は習熟しておく。
・CTMが同定できなければ、ためらわず頚部切開する。
・皮膚切開:縦に2-3cm 間膜切開:横に1.5cm
・静脈留置針、ジェットベンチレーションは、推奨されない。
・CTM穿刺が困難であれば、耳鼻科に気管切開の準備を依頼。
・マスク換気困難の研究
・Langeron, Prediction of difficult mask ventilation:
Anesthesiology 2000; 92: 1229-236
・マスク換気困難の定義
① マスクからエアリークが多すぎる
② 15L/分以上の流量が必要
③ 胸郭が全く上がらない
④ SpO2<92%
⑤ 二人法による換気が必要
⑥ 術者の交代
・多変量解析でのマスク換気困難の独立因子
① ひげ
② 歯がない
③ 肥満(BMI>26)
④ いびきの既往
⑤ 加齢(55歳以上)
・Kheterpal, Incidence and Predictors of
Difficult and Impossible Mask ventilation,
Anesthesiology 105: 885-91, 2006
・マスク換気困難の予測因子
・歯がない
・ひげ
・BMI≧25
・MpⅢ以上
・いびき
・OSAS
・太い首
・TMD<6cm
・開口<6cm
・下顎前突制限
・頸椎症
・55歳以上
・Kheterpal, Prediction and outcomes of
impossible Mask ventilation,
Anesthesiology 110: 891-7, 2009
・マスク換気不能のリスク因子(単変量解析)
① ひげ
② 頸部RAの既往
③ 睡眠時無呼吸
④ Mallampati Ⅲ以上
⑤ 男性
・当院でのデータのまとめ