2012年8月7日火曜日

周術期口腔ケア

初期研修医勉強会  担当:N先生

「周術期口腔ケア」

・周術期口腔ケア
  ・平成24年度の診療報酬改定
    →周術期における口腔管理に管理料。
  ・術後誤嚥性肺炎等の合併症等の軽減を目的。
     ・VAP
     ・誤嚥性肺炎の予防
     ・口腔由来の感染症の予防
     ・口腔で起こる偶発症の予防
     ・動揺歯など挿管時に必要な情報の取得
・周術期口腔ケア
  ・術前:生理検査等の日と同日に実施
  ・術前:前日が土•日曜日ではない限り前日実施
  ・術後:オペ後約1週間前後に実施
・術前診察
  ・まずは問診から  
    ・主科のオペまでの現病歴
    ・既往歴
    ・内服歴
    ・アレルギー歴
    ・歯科治療歴
    ・かかりつけ歯科医院の有無
    ・歯科麻酔等の経験
    ・口腔内の主観的意見
  ・口腔内観察
    ・歯があれば、全ての歯の所見
    ・動揺度や感染所見の有無等
    ・口腔粘膜(歯肉、頬粘膜、舌)の所見
    ・口腔内だけでなく、顔貌所見等にも症状が出ることもある
      →初見時にさりげなく観察。
    ・口腔内に3ブロック以上あればパノラマXーpへ
  ・パノラマ撮影
    ・歯が植立している骨の状態もわかる。
      →ゾメタなどのケモでは重要!骨折等もわかる。
    ・1枚で済むうえ、根尖部の感染源の確認が可能。
      →詳細はデンタルX−pの方がベター。
    ・経時的変化の指標に。
    ・客観的指標が必要。
      →診察を行った者とケアを行う者が違うため。

ブレイク
 ・自己紹介
 ・茶道、乗馬、ヨット、ベリーダンス。

・歯周検査
  ・歯と歯肉の隙間の深さを測る。
  ・歯周病の重症度を測定。
  ・目盛りのついたプローブを隙間に差し込み測定。
  ・痛みはほとんどない。
  ・健康な歯肉では1~2mm程度
  ・歯周病に罹った歯肉では3mmを超えるような深さに
  ・重症例では10mmを超える。
・TBI
  ・専門的な歯磨き指導。
  ・Tooth Blushing Instructionの略。
  ・次回(手術前日)、までに自身で頑張って頂く。
  ・正しい歯磨き技術を身につけることが全ての予防に繋がる。
・周術期口腔ケアの流れ(初診)
  ・動揺度のチェック
  ・周術期管理について計画、文章作成。
  ・当日の様子を文章化。
  ・レントゲンの説明。
  ・次回予約、保険点数入力など
  ・1件にかなり時間を要する。
・周術期口腔ケアの流れ(前日)
  ・自身で行って頂いたケアが上手く行えているか評価。
  ・PMTCを行う。
     →Professional Mechanical Tooth Cleaning
  ・いわゆる歯石取り。
  ・縁上歯石、縁下歯石と種類がある。
  ・縁下歯石はIEを誘発するかも。
  ・PMTCを行うことで、動揺度がUPしてしまうことも
・周術期口腔ケアの流れ(術後)
  ・手術1週間前後に行う。
  ・ICU入室されている場合は、ベッドサイドでケア施行。
  ・歩行可能な場合は、外来でPMTC。
  ・口腔環境良好かつ術後順調の場合は、この日で終了ということも。
・VAP予防
  ・安価で簡便な方法で十分、VAP予防の効果がある。
  ・早い段階からの介入がより予後をよくする。