2012年8月20日月曜日

術中覚醒

初期研修医勉強会  担当:I先生

「術中覚醒」

・術中覚醒の定義
  ・手術中、全身麻酔薬によって患者の身体は動かない。
    →その間の意識や感覚が働き術後もその記憶が残る状態。
・アメリカでは手術に関する訴訟の2%
  →賠償金額は平均8000万円くらい
・頻度:0.0068%~1%(小児は0.2~1.2%)
・術中覚醒の後遺症
  ・33~69%になんらかの精神的症状
  ・精神症状を来した患者の71%がPTSDを発症したとの報告も
・術中覚醒を引き起こす麻酔のunder doseの原因
  ・麻酔操作のミス
  ・十分量の麻酔が安全でないとき
  ・患者の体質による個体差
   →GABA受容体の反応性は個人差が大きい。
   →プロポフォール麻酔では注意。
・リスクファクター
  ・ 女性(OR3.08)
  ・TIVA(OR3.20)
  ・麻薬性鎮痛薬の使用(OR2.12)
  ・筋弛緩薬の使用(OR2.28)
  ・挿管困難   
  ・術中覚醒の既往
  ・特定の手術(帝王切開、心臓、外傷、頭頸部手術)

・ブレイク
「天体観測しませんか」

・問診
  ・問診のタイミング
     ・退室までに一回
     ・24時間以内に一回、
     ・30日後に一回の少なくとも計三回の問診
  ・問診の内容
     ・眠る前、最後に覚えていることは何ですか?
     ・起きた後最初に覚えていることは何ですか?
     ・寝ている間に夢は見ませんでしたか?
     ・術中最も嫌だったことは何ですか?
     ・術中2番目に嫌だったことはなんですか?
・術中覚醒の予防
  ・麻酔深度のモニタリング
  ・end-tidal anesthetic concentrationguided (ETAC)
  ・bispectral index(BIS)
  ・術中覚醒の所見の早期発見
  ・血圧上昇、脈拍上昇、体動
  ・ヘッドフォンの使用
  ・健忘作用のある薬剤の使用
  ・ミダゾラムなど
・BIS vs ETACについて